経済人へのインタビュー記事(04.11.8更新)<日経新聞 領空侵犯から>--------------------------------------------- <NEW>■2004/9/20 IFIビジネス・スクール 学長 尾原 蓉子氏 ■2004/9/6 早稲田大学教授 カワン・スタント氏 ■2004/8/30 小椋 佳氏 ■2004/7/19 クレディセゾン社長 林野 宏氏 ■2004/6/21 マレーシア前首相 マハティール氏 ■2004/5/3 駐日ブルガリア大使 B・センドフ氏 ■2004/3/29 JR東海社長 葛西 敬之氏 ■2004/2/23 マネックス証券社長 松本 大氏 --------------------------------------------- ●2004/9/20 「意欲開発に平均点いらない」 IFIビジネス・スクール 学長 尾原 蓉子氏 キャリア、達成のための最大の原動力は本人の意欲。 教職は聖職だからと先生方がビジネス社会から隔離されたような 現状ではうまくいかない。 先生方にも就労体験の場を設けて、企業などの実態を知ってもらう 必要がある。 かつては子どもが実社会の仕組みに触れる機会が多くあった。 最近はお年玉を何万円も与える一方、皿洗いや洗濯の手伝いすらさ せないなど、日本だけのおかしな風潮がみられる。 家庭から自立して生活できるしつけや意識付けをすることだ。 子ども達が好きなことを見つけ、そこから職業を絞り込んでいける ように大人は周囲の一人ひとりに目をかけ希望を持たせて欲しい。 ==========*========== 辛口の意見がバンバン出てきます。 ですがどれも自信と実績に裏付けられたと言うのでしょうか、重み を感じさせます。 ビジネスサイドからの警鐘ということなのでしょう。 但し、学校の先生方がこの記事を読んだときの反応が少々気になり ます。 学校教育の現場をどれだけ踏まえた上でのコメントなのかは、短い 文面からは読み取れません。 ただし、ひとつだけ間違いなく言えることがあります。 教育における家庭の重要さです。 パパのすけも、高校生ぐらいからでしょうか。親戚の数が多いこと も幸いし、お年玉を〇万円ももらうようになりました。 とても嬉しいもので、何とかその年の暮れまで、残高が残るように 買いたい物を我慢していた時もあったことを思い出します。 ですが、その代わり、家の手伝いや、親戚の人たちに何かしてあげ たと言うこと出来るか。それはとてもお恥ずかしい程度で、紙面で は書けないくらいです。 最後の一文、 「子ども達が好きなことを見つけ、そこから職業を絞り込んでいけ るよう・・・」 この言葉とても重く感じます。父親の責任として、忘れずにいなけ ればなりません。 ●「感動なき高等教育の責任」 2004/9/6 早稲田大学教授 カワン・スタント氏 日本は懸命に働かなくても暮らせる豊かな国なので、親や社会が若 者を甘やかしている面はあります。しかしそれ以上に、若者をそう させる高等教育のあり方が問題。 日本の大学教師は学生の8割の面倒を見られない。 私は2割の出来る子を育てようと言う日本の昨今の常識とは反対に、 8割の学生のやる気を起こさせてやろうと考えた。 講義の目的をはっきり示し、私の授業をしっかり聞けばその科目分 野で一人前になれると学生に約束した。 政府が乗り出したフリーター対策も、小手先の対症療法では効果は 大いに疑問がある。それよりも一瞬で人を変えるような、感動を呼 ぶ教育法を考えた方がよい。 ==========*========== わが身を振り返ってみても、実に頭の痛い問題です。 私の大学での4年間は何だったのでしょうか。 やはり記事にある8割の学生の一人であり、教師に面倒を見てもら った、あるいは指導を乞うたという記憶はありません。 (体育会の組織の中での面倒を見てもらった先生、先輩はいるので すが・・・) 興味を持った講義もほとんどなく、印象に残っている講義はおろか、 先生の名前すら覚えていません。唯一記憶に残っている先生は、専 門とはかけ離れた分野の講義内容の先生の名前。 この時点で、その後の自分の社会人人生がスムースに行かないのは 今思えば当たり前ですね。 上記の記事は、問題意識を刺激してくれます。 ですが、具体的な提言までは誌面の都合もあり、踏み込んでいませ ん。 ですが、だからこそ、まずは自分の今までの生き方を振り返ること も出来ます。 あなたは何のために学校で勉強しましたか。 高校あるいは大学では、何を学びたくて通学しましたか。 そもそも、それらの質問の前に、何で学校に行ったのですが。 自問自答の質問として記しました。 では、 お子さんへはどのようにこのことを伝えますか。 義務教育を終えた後の高等教育のことですから、皆さんも具体化す るのはまだだいぶ先でしょう。 ですが・・・ 今から考えなければいけないことと思っています。 ●「言語力失い思考力貧困に」 2004/8/30 小椋 佳氏 小泉首相の「人生いろいろ発言はごまかしです。」ごまかし力だけで なく、受け入れる人々の言語力にも問題があるのです。 人間は言葉でものを考える。きちんとしたコミュニケーションを成 立させる為にも、言葉を復権させ、誰もが自分で考える時代に戻し たい。 若者達が、相変わらず自分のない仕事ぶりを繰り返している。大げ さに言えば、これでは日本には希望がない。 小学校の英語授業の議論があるが、同時に国語教育をもう一度充実 して欲しい。 一言、 『若い歌手に曲を渡しても「意味がわからない」と言われたりしま す。』 ==========*========== ビジネスマンとしても、地位を極めた小椋氏の発言、やはりその視 点を含め、とても考えさせられるものがあります。 特に若い社会人層に対する危機感が強く感じられるのですが、小泉 首相に対しても、それらの若い人々に範を示す立場にありながら、 その責を果たしていない部分を手厳しく指摘しています。 そしてまた、芸能界であっても基本となる部分は同じであり、詩が わからない歌手に対しての哀れみでしょうか。 いずれにせよ、日本の将来に危機感を持っている識者のひとりであ ることは間違いありません。 だからこそ、国語教育。 小学生を持つ親として、無視するわけにはいかない記事でした。 ●『投票に行かせぬ方が悪い』 2004/7/19 クレディセゾン社長 林野 宏氏 日本の選挙の投票率の低さがパパのすけにはとても気になっています。 今日の記事には、経済同友会で政治委員会副委員長や1票の格差是正推進委員長等を歴任した氏ならではの意見が並んでいます。 戦後教育の中で、政治問題タブー視されてきた。 政治の働きが以下に重要かは教えない。世の中にどんなイデオロギーがあるかも教育現場に持ち込まないことを良しとしてきた。 政治への無関心の下地を作っておいて、20歳になったら急に「選挙権があるから選挙にいけ」と言われる。 今は日本全体が小市民的平和主義にどっぷり浸かっている。 日本をどうするかと言う国家観や、アジアの時代と言われる21世紀をどう生き抜くかと言う戦略はほとんど語られない。 未来を担う若者の政治不参加を『選挙に行かないやつが悪い』と放置するような国は確実に衰退する。 ==========*========== いや~、なんとも明解です。 自分が受けてきた学校教育を考えてもうなずける部分ばかりです。 自分の政治に関する不勉強を棚に上げてこんなことを言ってはいけませんが、もっともっと多くの人が、政治について勉強しなければいけません。 子どもと共に学びましょう。不足は不足で素直に認める。 そしていくつになっても勉強することを渋らない。そんな大人になりたいと日々思うパパのすけです。 ●「茶髪では中国には勝てぬ」 2004/6/21 マレーシア前首相 マハティール氏 「私が採用したルック・イースト(東方政策)ポリシーは、 勤勉精神にあふれた日本人の良い面を模倣するため。」 「日本を含めアジア人はきちんとした家庭を持つべきだという 価値観があり、そこから良き安定した社会が出来上がる。 日本でそのような文化がなくなれば国を強くすることは できないし、国際競争にも勝てなくなる。」 「(日本人には)自己犠牲の精神があった。」 「日本の若者は楽しみを優先している。行動が日本人的でなく なっていることは疑問の余地がない。」 「中国は大国で、人々は非常に勤勉でかつ器用。」 「日本は勤労精神、教育、技術などを維持し、向上させなければ ならない。」 ==========*========== 一国のトップを長く努めてきた氏の言葉だけに、重みがあります。 中にいるとよくわからない、外から見るからこそわかる問題点。 それを的確に指摘されているのではないでしょうか。 大きな目で時代の流れを見た上での、「茶髪では中国には勝てぬ」と いう言葉。 茶髪が個性を体現しているのであれば否定はしませんが、周りがし ているからといった理由での茶髪であれば、自分を見失い、周囲に 流されているだけという自堕落になってしまうだけです。 その部分への危機意識は同じくするものがあります。 私自身も、バブル時代に大学生活を送り、就職活動をして、特に深 い思考のもとに社会人生活をスタートしたとはいえない中、世に出 て初めて、周りの人々が、しっかりとした考えの基に自己を作り上 げていっている、多くの同僚、先輩を見ることになりました。 それは今、メルマガを通して、発行者の方の素晴らしい、姿勢と意 欲と行動力から、再び大きな刺激と気づきをもらっています。 その一方で、自分の発行するメルマガの読者数の増減に一喜一憂す る小さな自分がいることも認識しています。 たかがメルマガかもしれません。ですが、されどメルマガです。 自分の努力の結果を計るバローメーターの一つであることは間違い ありません。 その意味からも皆さんも是非ともメルマガ発行に挑戦されることを お勧めします。 私のメルマガの読者が減るということは、その方々は私に対する サイレントクレーマーなのです。評価の結果の行動なのです。 如何に評価される結果を出すか、そして出し続けるか。挑戦し甲斐 のあることです。 ●2004/5/3 駐日ブルガリア大使 B・センドフ氏 「英才教育より欲求開発」「理数離れは人災」というコメントと共に、今回はブルガリア大使へのインタビュー記事です。 数学者、ブルガリア科学界の重鎮、小学校で教鞭をとったこともある元ソフィア大学学長という経歴の方が大使になっておられる。 まずここに、日本との違いを感じずにはいられませんでした。 そしてセンドフ・チルドレンと言われる教え子たちが各界で新しい国づくりに取り組んでおられるそうです。 「自立し自由に発想できる人間に育つにはいきなり激しい競争に置くのはよくない」「若い才能を慎重に教育する必要があり、専門知識の詰め込みにこだわると満腹状態になり、欲求がなくなる」など、参考になるコメントが多々掲載されていました。 そして最後にひとつ。 「教師の地位が低すぎるの問題です。報酬を大幅に引き上げ誇りを持たせるべきでしょう。」と。 ==========*========== 今企業では成果主義がどんどん広がっています。(一部では成果主義の問題点が明らかになり、新たな道の模索も始まっていますが) いずれにせよ、やる気のあるものをきっちり評価し、選別するのは世の流れです。 教師の方々の世界はどうなっているのでしょうか。 お恥ずかしながら、私は全く知識を持ち合わせておりません。 毎期ごとの人事考課、毎期ごとの賞与査定、少なくとも公立の学校では、かなり異なる仕組みなのではないでしょうか。 人間はお金で動くものではないことはわかっています。ですがお金はとても大事なもののはずです。 教師の方々の(社会的)地位、このことについても、これからはもっと勉強しなければいけない、そして、地位を含めた教育界の課題改善に少しでも貢献したいと、今日の記事を読み思うのでした。 ●2004/3/29 JR東海社長 葛西 敬之氏 JR東海は、トヨタ自動車、中部電力と共に2006年に全寮制の私学を開校予定です。 全寮制に注目している葛西社長のこんなコメントがありました。 「集団生活を通して社会性が身につきます。昔は大人がそばでしつけ、兄弟という小さな社会もありました。今は一人っ子、両親共働きというケース。学校と塾の行き来だけ。自由と規律の均衡の取れた生活習慣や、協調性、奉仕の精神などは全寮制でないと養えません。」 全寮制でないと養えないかどうかは断定できません。 ですが、これらのことができない大人では非常に困るというのが葛西氏の言いたい点の本質と考えます。 これらをどのようにしてわが子に教えていくか。 要は、人間はひとりでは生きていくことができないということにつきます。 そしてインタビューの最後にはこんなコメントが。 「十分に学問を積んだ上で自分の頭で考え、自分の責任で決断する。大勢の人の前で意見を正々堂々と主張できる。他人と仲良くやっていく誠実さや優しさがある。こうした人材が求められている。」 ==========*========== んー・・・ これは子どもに関してではなく、どうやらパパのすけへのメッセージになってしまいました。頑張りましょう。 おまけにもうひとつ葛西氏のコメントを。 上記のことは、「『ジェントルマンシップ』であり『武士道』である」と。 武士道が今、もてはやされているが故のコメントではないと思いました。人の上に立つ人は、当然のように理解している武士道ということですね。 勉強になりました。 有難うございます。 ●2004/3/8 コマツ取締役相談役 安崎 暁氏 社長時代にグローバル化の重要性を強調されていた氏が、「日本語が大事だと思えてきた。」と発言されています。 英語教育を否定するものではなく、英語自体は英米人と激しく議論ができるまでに磨き上げるべきと言う一方、これからは、「漢文で内面を鍛え、日本語で思想を明確にし、英語で表現せよ。」と言われています。 漢文教育の重要性を感じるとも言われています。 ==========*========== 確かにそうなのでしょう。かなり高いハードルですが。 自分の国や文化を外国人に語る、これができてこそ国際人とよく言われますが、並大抵の努力ではなかなかそこまでは・・・ 実はパパのすけにもガツーンという思い出があります。 まだ若かりしころ、通っていた英語学校の先生とデートしたことがあります。 浅草に行ったのですが、浅草寺の5重の塔のところで、「何であの建物は5つの屋根があるの」と質問を受けてしまったのです。次の私の返答は・・・ ご想像の通り、“I’m sorry, I don’t know.”でした。 もっとお恥ずかしいことに、未だにこの宿題をパパのすけはそのままにしています。子どもたちと一緒に学ぼうを殆ど開き直っているのですが・・・(ああ~、恥ずかしい) 脱線しましたが、漢文(古文を含めてですが)、子どもたちと学ばねば。 そしてまずいことに石井式国語教室に通っているウチの子どもたちは、論語を読んだりしているのです。やばい、早くもパパのすけは周回遅れか!!! ●2004/2/23 マネックス証券社長 松本 大氏 金融界の雄、ゴールドマン・サックス証券のパートナーからの華々しい転身を遂げた松本社長。 何と、中学・高校時代は学校から何度も「厳重注意」を受ける問題児だったとのこと。やはり器が違うということなのですね。 パパのすけは情けないことに、些細ないたずらも殆どしたことがない、擬似優等生、ケツの穴のちっちゃな男ゆえ、こういう大物には本当に憧れます。実はパパのすけ、以前は金融業界に身を置き、ゴールドマンの方々ともお付き合いがあった時代があるのですが、本当に皆、風格が違って見えました。ゴールドマンのロンドンオフィスにも行ったことを今思い出しましたが、やっぱり他社とはちょっと違ったかなー・・・) 脱線した列車を元に戻して、 松本氏曰く、 『はみ出し人間』をきちんと育てることが大事だと。 それが人材の多様性につながると。 ごもっともと思います。 パパのすけも今勤める中小企業に転職して、世の中には色々な人がいるなー、ということが、ようやくのように実感を持ってわかってきたところです。 エスカレーター式の学校で、何の苦労もなく大学まで行って、それなりに考えたものの、時流の影響を大きく受けて就職先を選び、同質化した世界の中でもがいていたのかなー、自分の過去を振り返るとそんな思いが出てきました。 「可愛い子には旅をさせよ。」言い古されたことばではありますが、じっくりと考える必要がある言葉でしょう。 |