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南の島物語

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2014.09.01
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カテゴリ:釣りのエッセイ
maguro

今回はマグロ釣りでも、チョイ難しい資源と漁業規制の話。

ただ、前回もちょこっと述べたが、
もう少し、私のイズムみたいなことを述べたい。

マグロが、その種類も多く、世界中に、そのフィールドがある。

しかし、日本国内で見ると、
大型マグロをターゲットにした場合は、フィールドに限りがあるだろうか。

一般的に言われる、本マグロ、ミナミマグロ、メバチマグロ、
キハダマグロ、ビンチョウ(ビンナガ)マグロ、など。

それは種類によって、世界中に分布する(大よそ皆さんの知識にあるでしょうか)。

先に水産庁は、太平洋クロマグロの取りすぎを防止する新たな規制案を発表した。

日本沿岸での幼魚(30キロ未満)に来年から地域別の漁獲枠を設定。

枠の上限に近づくと、注意報や警報を出して漁業者に注意を促すというものだ。

それは、太平洋クロマグロの資源量は年々減り、
2012年には過去最低に近い水準となったからだ。

水産庁は今春、資源量が順調に増えていくために必要な水準として、
幼魚(30キロ未満)の漁獲量を年4007トンと云う、
良く判らない半端な数値を目標に決めた。

それは、過去数年の年間平均漁獲量の約半分にあたる。

それは、幼魚と産卵親魚を獲りまくれば、
資源が崩壊するのは、誰にだって判ることだ。

問題なのは、こうした問題の多い漁獲が、規制もされずに、
野放しにされた事と、その不公平さにもある。

例えば、マグロ漁としての定置網漁、遊漁も、
国の規制対象ではないので、獲る事は出来るのだが、
大型巻き網漁も対象項目が「その他」になっていて規制対象外なのだ。

それは、マグロの漁獲量としては圧倒的な水揚げであるにかかわらず、
この大型巻き網漁はマグロの規制対象になっていないと云う事だ。

ローカルな狭い範囲での、零細な小型船のマグロ漁や、
マグロ漁獲量の中では全く微々たる、釣り人の楽しみ、遊漁のマグロ漁獲。

それ等も、何の規制がされない大型まき網漁と
全く同列に扱われてている。これは、普通に考えてると、
全く不公平で、あり得ない話だ。

水産庁は常々、「日本では漁業者が自主的な取り組みで資源管理をしているので、
国が規制をする必要がない」と言っているのだが、
県をまたいで回遊する魚種については、
漁業者がまとまって話し合う場すら無いのだから、
自主管理など出来るはずが無いだろう。

さらに、このマグロ規制は、企業側に立つ学者と環境学者との間に、
大きな食い違いもある。

例えばIOCATの科学委員会によれば
「5歳以上で産卵が可能な親魚は8万トン(約100万尾)程度」
絶滅危惧種指定には根拠が薄いと言っている。

国の研究機関の学者、企業の支援を受けている学者、
その立場で、まるで違う意見になるのだ。

そして、将来的には、国は産卵からの蓄養に力を入れると言う。

しかし、環境を杞憂するあまり、幼魚や抱卵魚の漁獲止め、
技術革新し、卵や幼魚からの蓄養飼育をした場合でも、
60キロのマグロを育てる為には1トン以上の魚粉が使われる。

その飼料は大量の漁獲によって賄わなければならないので、
結局は、資源破壊はさらに進むと言う論説もあるのだ。


長々と、難しい問題を述べたが、私の言いたい事は、
この抱卵マグロと30キロ未満のマグロの、漁獲規制は、
まだまだ多くの問題点を残し、制度として不公平性さはいなめない。

そして、漁業者、遊漁者に浸透するには、気が遠くなるほど時間が掛かると云う事だ。
(このマグロ好きの国民ですぞ)。

ただ、此処からは、全くの私見だが、
マグロに限らず、海洋資源の減少は確かである。

それは、食料として、美味しいと言って漁獲されれば
限りある資源の中で、そう云った魚が減少していくのは常だろう。

まして、野菜や果物のように栽培されたり、
牛、豚、鳥のように蓄養技術が進んでいる訳ではない。

だからこそ、自然環境の中に生きる人間としては、
例え微々たるものであっても、その資源保護に目を向け、
配慮する気持ちを持たなければならない。

そして、マグロ釣り好きのアングラーは、マグロのキャッチ&リリースだろう。

ただ、そのキャッチ&リリースするためには、その技術も要る。

何十年と云う将来、その先を見据えた場合、
マグロを求めるアングラーであれば、率先して、その技術を習得し、
学ばなければならないと云う事になるのだ。

ただ、こう云った海洋資源など環境関係の話をすると、
私の場合は、建前と本音の線引き出来ず、誠に情けない。

それは、尻に蒙古斑のある頃から魚を食べる事に馴染んだ訳で、
節操がないほどは持ち帰らないが、魚中心の日本食文化に育った人間として、
美味しい魚は少々でも頂きたいと思うのだ。

ガイド商売をしているので、お客さんが釣った魚が、
それは見るに忍びない小型魚でも、その人が喜び、食べたいと言えば、
丁寧に処理をして持ち帰らせる。

まして、初めて釣った20キロのマグロ、これを高飛車にリリースと諭すのは、
それは心が無いような気がする。

キャッチ&リリースが心の中に大きくあったとしても、
実際にそれをやり通すことは、相当に難しいのだ。

同様に、著名な釣り人、著名な環境団体に所属するアングラーであっても、
よほどの魚嫌いでない限りは、私同様に、魚のキャッチ&リリースに関して、
本音と建前を使い分けていると言ったらお叱りを受けるだろうか(全てではないが)。

マグロやウナギのように、資源問題などメディアを騒がす魚以外にも、例えば、
カワハギは、真鯛は、ヒラメは、マゴチは、ショウサイフグは、など、など。
キャッチ&リリースは勿論だが、尾数制限すら難しいのが実情だろう。

大事なのは、確実に海洋資源は縮小しているという、事実を認識することであり、
それに対しての気遣いする心を持つことであろうか。



さらに、さらに、余談。

わたしは、心優しい釣りをしたい。

確かに、レジャーの中でも、相当に環境負荷の多いのが釣りである。
其処で、私が心がけているのは。


美味しい魚を頂くのであれば、大事に丁寧に持ち帰る。

それ以外は、自慢げに魚を並べるのではなく、どんな雑魚でも丁寧に生かして帰す。

持ち帰るのは、家族や仲間の胃袋分だけ。

対価は、あくまでも釣りを楽しむことに。レジャーの釣りで魚の換金しない。

リリースは手早く確実に生きるように、ベタベタ触ったり乱暴に扱ってはならない。

以上である。


魚の扱いを見れば、その人の心の優しさが判るような気がする。

マグロの資源保護の問題から、話は飛んでしまったが、

キャッチ&リリースは重要なことだ。

しかし、建前論よりも、海に対して、魚に対して、人に対して、優しい心を持ちたい。

pa





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最終更新日  2014.09.06 20:06:33
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