2005/12/12(月)01:50
アクア・ディ・マーレ(海水煮)
近所のスーパーで いしもち が一尾190円と元値の半額で売られていたので、
買ってしまいました。このスーパーでは売れないと翌日半額にするのですが、
新品だとワタや鱗がそのままなのに、半額になるときちんと処理してあるのです。
ワタを放置すると悪くなりやすいので、手入れしてついでにウロコも引いてくれる
のでしょうね。
いしもち はカマボコの材料になっている安い魚だそうで、ウェブで調べてみると
可哀相に「煮ても焼いてもあまりおいしい魚ではない」とまで明言されていたりすることもあります。
おいしくない、なんてことはないと思うのだけれど。
割とぼんやりした味なので、香辛料などで目鼻をつけてやらないと食べにくい
とは言えるかもしれません。日本酒で蒸し煮にする清蒸などの料理法も
おいしいようです。
私が買ったものは30cmはありました。
私も塩焼きなどにして食べたことはないのですが、
カマボコに出来るなら、西洋のカマボコ テリーヌの材料にするのはどうかな、と思ったりしながら、挑戦していません。
ホタテや鯛は高いのですり身にしてしまうのはもったいなくて、
いしもち などが安く手に入ったら、心おきなく生クリームを混ぜたりすりおろしたり
できそうなのです。
さて、
私が今、一番、気に入っている いしもちの調理法は、イタリア風のワイン蒸しです。
1 フライパンのオリーブオイルで ニンニクと赤唐辛子を熱し、
2 タマネギのみじん切りを加え、透明になるまで炒める。ドライトマト(買ったものでも、自分で作ったセミ・ドライトマトでも。作り方はこちら)
あれば緑と黒のオリーブの実を5,6個、加えます。
3 下処理した いしもち にお腹の中や表に塩をまぶし、これもフライパンへ。
3 ベランダのフレッシュハーブを摘んでおいたものを半分入れます。ローズマリー、バジル、タイム、ミント、オレガノ、イタリアンパセリなどが我が家には育っているので適当に。無ければイタリアン・ハーブのミックスかエルブ・ド・プロバンスか乾燥スパイスでも。乾燥スパイスは却って香り高いと乾燥ものだけを好んで使う人もいます。
4 白ワインをかけて強火でアルコールを飛ばして煮詰め
5 少し水を加え、4,5分煮込みます。
6 お皿に盛り付け、残りのハーブを散らして召し上がれ!
最近、はまっている落合務さんのお魚レシピ
(これについての日記はこちら)で覚えて作り始めました。アクア・ディ・マーレという名前がついている料理です。これは「海の水」の意で、落合務さんによると、シチリア島シラクーザのあるレストランでは、なんと本当に海水を汲んできて魚を煮ていたのだそうです。煮詰めてから、水を足すなんて一見むなしい手順のようですが、4,5のプロセスはとても大切。これによってスープの油と水が乳化してくれる、と落合務さんもどの本でも強調されています。
ドライトマトの赤と、ハーブの緑と、オリーブの黒が色彩としてもきれいですし、ペペロンチーノにトマトの酸味と魚のダシとハーブの香りが絡み合ったような感じで、それはそれはおいしく出来ます。あれば、アンチョビなどを加えても風味が出ます。このような煮込みは魚を裏返さず、おつゆを時々かけながら煮るのだそうです。だからお皿に置くときと同様、頭を左にしてフライパンに入れます。乾燥スパイスでも味は出るけど、フレッシュな緑が鮮やかなので紫蘇でもネギでも仕上げに散らすほうがいいかも。
魚は火の通りも早いので、出来上がるまで15分あれば充分だと思います。昨晩は「僕はあんまり魚料理ってしたことないけど今日は僕が真似しようかな」とお料理好きな相方がコンロを譲ってくれませんでした。出来上がったらやっぱりおいしくて、二人でお皿に残ったスープの最後の一滴まで取り合いながら戴きました。「ふぅう、ウマぁ。15分足らずで出来るし、切る手間もないから、インスタントなみの簡単さだけど、お皿からはみ出しそうな魚が丸ごと出てきて迫力もあるし、本当においしいよね。」と二人とも絶賛。
落合さんの本では 「丸ごと使えて骨の多い魚」と きんき、かさご、ほうぼう、めばる、などを勧めていますが、「安さにつられて買ってきてしまった いしもち も丸ごと使えて骨だらけだけど?」とある日試してみて以来、病み付きになってしまいました。
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