激動の指揮官人事が続く横浜F・マリノスに、またも嵐が吹き荒れた。マリノスは6月3日、大島秀夫監督(46)を百年構想リーグをもって解任すると発表した。地域リーグラウンドは東の10チーム中7位に終わっており、「言葉では表しきれないほど悔しく、無念」と大島監督はコメントした。 昨年11月に契約を更新したばかりでの電撃解任であり、事実上のクビ切りだ。
そしてこの解任劇と同日、次期監督候補として浮上してきた名前が、元名古屋グランパス監督・長谷川健太(60)だ。

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■ 大島体制の終焉:「2029年CWC出場」という目標との乖離
昨年6月、監督未経験ながらもコーチ時代の経験を生かした雰囲気作りと現実的なスタイルへの転換でJ1残留に導いた殊勲の人、大島監督。その手腕を買われての続投は全会一致の決断だったはずだった。しかし今年に入ってからは内容面の向上を実感しにくい試合が続き、百年構想リーグの地域リーグラウンドでは6勝12敗と大きく負け越してしまう。 
クラブ側は「2029年クラブワールドカップ出場という中長期の目標を目指す中で、J1リーグで勝ち続けるための戦い方をより明確にし、それを実現できる体制を整える」と解任の理由を説明。 美しい別れの言葉の裏に、クラブの焦りが透けて見える。
■ 長谷川健太の経歴と「マリノスとの縁」
マリノスが長谷川健太を新監督の候補にリストアップしていることが明らかになった。長谷川氏はJリーグの監督として最多の試合数を記録しており、昨季まで名古屋グランパスの監督を務めていた。 
長谷川健太は清水エスパルスのレジェンドとして選手キャリアを全うし、ガンバ大阪では2014年にリーグ・ルヴァン杯・天皇杯の「三冠」を達成。FC東京では2022年以降指揮を執り、その後名古屋グランパスへと渡った。J1通算600試合超の指揮経験を持つ「Jリーグ最多指揮官」だ。さらに長谷川氏は元日産(マリノスの前身)OBでもあり、クラブとの縁は浅くない。 
一方でファンの間では「ビルドアップがどのようになるか懸念する」といった声もあり、 マリノスが長年追求してきた「アタッキングフットボール」と長谷川スタイルの相性については賛否が交錯している。
■ 筆者の眼:クラブは「勝てる監督」を選ぶのか、「哲学が合う監督」を選ぶのか
マリノスが今回の監督選びで問われているのは、この一点に尽きる。
長谷川健太が持つ「勝者のメンタリティ」:三冠という実績が示す通り、長谷川健太はタイトルを知る指揮官だ。試合の締め方、選手の使い方、勝ちきる術。これらは一朝一夕では身につかない「経験値」であり、低迷するマリノスに即効性をもたらす可能性は十分にある。
「アタッキングフットボール」との折り合い:マリノスサポーターが愛してきたのは、相手を圧倒する攻撃的なポゼッションスタイルだ。長谷川健太のサッカーはよりプラグマティックであり、そのギャップをどう埋めるかが就任初年度の最大の課題となる。クラブSDの鈴木健仁氏は「日本人・外国人どちらかとは決めていない」と語っており、 最終的に長谷川健太が選ばれるかどうかは予断を許さない。
2029年のクラブワールドカップ出場という高い目標を掲げるマリノスが、次にどんな顔を見せるのか。続報に注目したい。
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