大学入試でCBT方式採用は実現するのか? その1
少し先になるが2024年度(令和6年)には共通テストでCBT方式(Computer Based Testing)すなわち学校内に配備されているコンピュータを活用(インハウス方式)し、問題を提示、解答する方式でテストを実施すると言うことだが、高校生のタイピングスキルは大丈夫なのだろうか? ★我が国におけるタッチタイピング技能習得の現状タイピングスキルは、これまでもそうであるように人によってその実力の差は大きい。 タッチタイピングが出来る割合をネット上で検索して見ると、「出来る」と答えた割合は検索サイトにより異なるため約4割から6割と幅があった。どのようにして覚えたのかを見てみると、「仕事で必要に迫られて」「ゲームでチャットをやっていたら」等々理由を挙げていたが、社会に出てから覚えた人が多く長い時間を消費し苦労して覚えた感が強い。しかし学校で正式に習ったという人は見当たらなかった。 文科省は、平成27年(2015年)3月「情報活用能力調査」の結果を公表。これは、平成25年10月から26年1月にかけて、コンピュータを使う方式で小学校5年生および中学校2年生の児童生徒、それぞれ約3,000人合計6,000人という膨大な数の生徒に対し「情報活用能力の習得状況」を測定するという調査を行った。 その中で「基礎となる文字入力に関する技能」を測定するとした調査結果を見てみる。その内容は、全角換算で72文字の文章を画面に提示し「1分間当たりの入力文字数」を求めたところ、小学生では1分間に5字未満が最も多く平均は5.9字、中学生では、20字以上25字未満が最も多く、平均は17.4字という結果だったそうだ。実に小5で1分間に5字未満の文字入力しか出来ない層が最大だと言う。悲惨としか言いようがない状態で驚きを禁じ得ない。 この結果を受けて、文科省は「情報活用能力に関する指導が長く行われてきている中でのこの結果であるので、指導内容や頻度について真摯にふり返る必要があるだろう。」と憤懣やる方ない想いがにじんだコメントを出している。 しかし、これは5年ほど前の調査結果だ。2020年、時代を画する教育改革が控えている。子どもたちのタイピングスキルに関する状況が好転したと言う情報はない。今、同じ調査を実施しても同じ結果が出ることは目に見えている。NPO法人パソコンの九九推進協会