田端克敏 夏の歌2
短歌 南国の 雨こそ滾(たぎ)れ ふるさとの 幼き夏の 涙にも似て かぎろひの 燃ゆる思いを花蕊(しべ)の 細きに秘めて 浜万年青(おもと)咲く ホウセンカは 寂しき花とラジオ言ふ コバルト色の 漲れる(みなぎれる)朝・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俳句 からすうり 夢の白さに花揺れて 逍遥の夕べは 古樹の 花蕾 衒い(てらい)なき 世をばひそりと 野昼顔 母の味 おぼろとなりて 冬瓜汁 埒(らち)もなく 日々もおかしく 藪枯らし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・