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(前回の続きです) 原さんが、師匠に師事してから最初に炭を焼いた時には、全て「灰」になったそうです。 「これを見て、きっと炭焼きを諦めてしまう」 と井沢さんは思ったそうです。 しかし、当人は灰しか残らなかった窯を見て、俄然ファイトが沸いてきたといいます。 「よ~し、次こそきっといい炭をつくってやる!」 束の間の歓談の後、別れて、私はそのまま大阪に戻りました。 お会いできたことや、炭の説明をしてくれたことに対して、お礼の手紙を書こうと 思い、四賀村の友人に住所を聞いて、原さんにお礼状を出しました。 するとすぐに、向こうからは封筒で手紙が届きます。こちらも、それに対するお礼や、 炭に関する彼の考えの返事などで、手紙を書く...といったことが何回も続きます。 この往復書簡は、何度も大阪と長野を行き交い、原さんから届く便箋が回を増すごとに 重くなっていきます。 しまいには、便箋が20枚にもなる書簡を受け取ることにも... ある時、原さんからの提案があり、炭を作るときにできる煙を冷やしたときにできる 「木酢液」を販売したい、と。 そこから、彼との共同事業が始まったのです。 まずは、商品の命名。 「森のしずく」 これに決まりました。 液を入れるボトルは、すでに当方に取引先があったので、そこを紹介し、 原さんは地元の印刷会社で、ラベルを作ってもらい、卸と小売の値段決め、 販売と流通の方法を、事細かに決めていきました。 なにせ何もないところからのスタートだったので、やることなすことが すべて面白かったですね。 まずは顧客第一号として、私が1カートンまとめて購入し、友人知人に配り、 取引をしてくれそうな所へ、リュックサックにボトルを詰め込んでの行商です。 そんな中、友人から手紙が届きました。 いつもアトピー性皮膚炎で困っていたところ、この「森のしずく」をお風呂に入れたら、 実に気持ちがいいと。是非この使い心地を、生産者に伝えてほしいとのことでした。 早速、このファンレターを原さんへファックスし、「森のしずく」で喜んでくれた人が いることを、二人で喜び合いました。 ところが、時を同じくして、クレームも届くようになったのです。 (次回に続きます) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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