テーマ:今日聴いた音楽(73689)
カテゴリ:ウクレレ・ハワイ音楽・沖縄
先日、私のサニーD のウクレレをサドル下のピックアップ(取付け済み)に、ボディの裏側にもうひとつピックアップをつけて、バランサーでふたつのピックアップ・マイクのバランスをとる工事のお話をしました。
前回、マイクのバランスはうまくいって、音的にはよかったんですが、 サドルの素材を変えて、弦高もいじたっため、 今まで、すばらしくピッチがよくてサステインもよかった1弦が7フレットの前後でびびるようになってしまったお話はしました。 それで、そこを追加料金を払って、フレットの調整と弦高の再調整をお願いしたものが、つい先日手元に帰ってきました。 しかし、結果はバツです。 たしかに、1弦のピッチはよくなりましたが、5フレットー7フレットにかけて、前回ほどひどくあありませんが、やはりびびりが出ます。 フレットの調整というのは、問題の1箇所だけをなおすわけではなく、全体が、定規をあててぴったり平坦になるように調整するので、大変だと思うし、 リペアの方は、いろいろウクレレのボディのエンドピンなどがヘンに共鳴しているのではないかといろいろやってくれたようですが、 残念ながら、理由はわからず、これ以上はできないとのこと。 追加料金も、多少、安くしてもらったとはいえ、ちょっと納得できないものがあります。 ぼくは、今回、ツイン・ピックアップが予算内でやれないなら、もとのままのサドル下のフィッシュマンのマイク一個でしばらく、使い続けてみようと思っていたら、こちらの承認も得ないうちに、ウクレレにバランサーのための穴をすでにあけちゃったわけですから、後戻りするわけに行かなくなったわけです。 しかも、フレットの調整をすれば、びびりは絶対なくなる、というので、多少の料金オーバーはしかたない、とおもってお願いしたら、これも完全に改善はされていません。 ぼくのもっている、このウクレレは、サニーDというハワイのおじさんがつくったウクレレで、コンサートタイプ、15フレット・ジョイント(15.5フレット・ジョイントと友人は言っています)の珍しいタイプで、 トロイ・フェルナンデス という有名なウクレレ・プレイヤーのトレード・マークにもなっています。 彼がいた、カアウクレイター・ボーイズの「On Fire」というCDのジャケットに、15フレット・ジョイントのウクレレで、ボディのコアがトラ目の、ぼくが持っているウクレレにそっくりな写真が載っています。 ぼくが、ハワイでこのウクレレを持って歩いていたら、 「おー!トロイ・フェルナンデス♪」といって、なんにんものハワイアンが嬉しそうな顔をしてにっこり笑っていました。 トロイ・フェルナンデスは、速弾きで、ワイルドでスリリングなウクレレ・プレイで有名なひとで、それだけハワイのひとに愛されているんだと思います。 サニーDといえば、トロイ・フェルナンデス。 トロイ・フェルナンデスといえば、サニーDのウクレレ 、というくらい、みんなに親しまれているわけです。 たとえば、Jake は、今、ハワイでも日本でももの凄く人気があるウクレレ・プレイヤーですが、Jakeといえば、カマカ、とまではいえません。 逆に、カマカといえばJakeとは全くいえません。 Jakeはカマカのウクレレをエンドースメント契約で使っているわけですけれども、カマカ自体が人気があり有名で、サニーDとトロイ・フェルナンデスのような強固な結びつきが、みんなの頭の中には出来ていないわけです。 さて、なぜ、こんなことをくどくどのべたかというと、今回お願いしたウクレレ・メーカーが契約しているリペアの方は、もともとはギターが専門の方だと聞いています。 ウクレレ専門のリペアの方というのがいるかどうかは、世の中に出回っていてリペアを必要としているウクレレは、ギターに比べて圧倒的に少ないわけですから、いたとしてもごく少数です。 一方、腕のいいギターのリペアの方は沢山いて、技術的にも信頼感があるし、今回お願いした人も、たぶんそのような方だと思うのですが、 私が思うに、ウクレレをリペアした経験が少ないか、ウクレレのプレイヤーとそのサウンドについて、何も知らないと思いました。 なぜなら、サニーDのウクレレがリペアに入ってきたら、すぐにトロイ・フェルナンデスの速弾きとそのサウンドが思い浮かぶようでなければ、いいウクレレのリペアは出来ないと思うのです。 というのは、トロイ・フェルナンデスの持ち味である速弾きは、主に1弦 2弦を中心に弾かれている、 音のシャープさとサステインのよさ、というのもある、ということがわかっていなかったとぼくは思います。 もし、それを知っていれば、バランサーをつけて調整するときに、まず、1弦2弦を中心にピッチを安定させ、びびりをなくすと思うからです。 その方のためにいっておけば、今の状態で、2弦、3弦、4弦はほぼ完璧に近くよく調整してくださったなぁ、と感謝しています。 しかし、1弦を一番あとまわしにした、その一点によって、ウクレレのリペアとしては、まだまだだと言わざる終えません。 ぼくが、なぜ、サニーDを高いお金を出して買って、大事に使っているか。 多少、弾きにくかろうが、弦高がたかかろうが、 あの、ピーンとシャープで切れ味のよい1弦2弦の音のためなのです。 まだ手元に戻ってきて、いろいろ弾きこなしていませんが、これをどう治したらいいものか、思案中です。 ひとつには、1弦だけ、別の種類の弦を張り替える、という方法があるかもしれません。 当然、音が変わってしまい、他の弦とのバランスが失われる危険があるかもしれませんが、今の1弦は、弦がぴんぴんに引張られすぎて、音が伸びる余地もなければ、他の弦が鳴っている時に、弦の振動が伝わって共鳴するということもありません(最近、この弦の振動がお互いに伝わって、指で弾いていない弦が鳴る、ということがすごく気持ちいいことだと気が付きました) が、今の状態では、1弦と他の弦とのあいだに、そういう共鳴関係が出来ません。 もう少し、本格的に治すには、ウクレレのネックから、指版をはずして、指版のねじれそのものから治して、フレットを打ち直す、というかなりおおきな工事をしなければならないかもしれませんが、 今は、そのあらたな作業(たぶんだいぶ高い工事費になると思う)のお金もないし、すぐにこのウクレレを使う予定もあるので、 ひとまずいろいろ詳しいひと達に相談して、かつ、ウクレレのリペアを安心してまかせられるところに出さなければ、だめじゃないかなぁ、とも思います。 今回のリペアの方の技術は確かだし、とても丁寧な仕事をしてくれて、 感謝していますが、やっぱり、有名なウクレレ・メーカーの味というか、特徴と、それをつかったミュージシャンがどういうプレイをするか、 ということは知っていて欲しいと思います。 これは、いろいろな楽器屋さんの共通の課題・問題点じゃないかと思っています。 ギターのリペアを出来る技術力と経験プラス、ウクレレの特徴の知識、出来ればウクレレのリペアの経験の多さ(これを全部クリアーしているひとはあんまりいないような気がしますが)、そういうものをのぞんでいます。 さて、しばらく、1弦がびびるサニーDくんと、付き合おうか。 しょうがない。予定していた野外ライブは別のウクレレで出ようか。 リペアさんを責める気になれないけれども、この私の、憤懣やるかたない気持ち、分かってくれますか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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