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ラスタ・パスタのレレ日記

2005年07月03日
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カテゴリ:音楽:ライブ
Live 8の全世界同時衛星生中継を、ほとんど徹夜してみた。明け方、うたたねしてしまったが、

個人的に、一番感動したのは、やはり ピンクフロイド の演奏だ。


ピンクフロイドは、「狂気」「炎」「ザ・ウォール」など素晴しいアルバム作品とビッグセールスを記録しているイギリスの代表的な、プログレッシッブ・ロック・バンド。

5大プログレといわれる、

キング・クリムゾン
YES
ELP
ジェネシス


のなかでも、コアなファンが一番多そうなのは、キング・クリムゾンだが、
プログレッシブな音楽性とメッセージ性、とセールス的な成功を両方手にしたバンドは、ピンクプロイドに違いない。

「狂気」は、ビルボード全米トップ200 アルバムで、数字忘れたが、何百週もランキングにとどまった怪物アルバム。

「ザ・ウォール」は、1979年の発売当時、
パンク・ロックやスカ、レゲエが台頭し、「ロックは死んだ!」
などといわれ、それらのニューウェイブに対する、オールドウェイブの象徴のひとつのバンドといわれながらも、

やはり記録的なメガセールスをあげ、健在ぶりを見せた。

20年以上たった今、振り返ってみると、オールドウェイブといわれたピンクフロイドのほうが、時代を超えた普遍的なメッセージで今も生き残っている。

そんななか、主要作品の多くを書いたのは、ベース&ボーカルのロジャー・ウォーターズ。

デビッド・ギルモア
は、最初は、サブ的な存在だったのが、だんだんと音楽的に主導権をとりはじめ、

二人の確執から、 ロジャー・ウォーターズ
がバンドを脱退した。


その後も、「ピンクフロイド」の名前をどちらが使えるかの権利をめぐってあらそい、結局、ドラムスのニック・メイスン、キーボードのリチャード・ライトとともに、デヴィッド・ギルモア側が「ピンクフロイド」の名前でアルバムを出し続ける。


一方、1989年11月9日、ベルリンの壁が崩壊
し、東西冷戦の時代が終焉に向かう中で、それを祝して、ベルリンで、


The Wallのコンサートを企画し、さまざまなアーティストたちと実行したのは、ロジャー・ウォーターズのほうだった。
1990年7月21日のことである。


The Wallのコンサートは、ピンクフロイドとしては、世界で3箇所でしかおこなわれていない。

ロンドン、ニューヨーク、ロサンジェルスだ。

それは、採算があわないから。


演奏が進む中、ステージ上にどんどんブロックが積み上げられてゆき、壁を作っていく。そして、最後に、バンドの大音量のサウンドとともに壁がぶっこわれる、というものだ。


これを、ロジャー・ウォーターズは、ブライアン・アダムス、シンディー・ローパー、シニード・オコーナーらのミュウジシャン達と再現した。

音楽のコンセプチュアルな部分は、私が生み出したのだ、といわんばかりだった。

そんな、確執のあったロジャー・ウォーターズとデヴィッド・ギルモアが、今回のライブ8の趣旨に賛同し、リユニオンした


ロジャー・ウォーターズは、二人の確執など、ライブ8の崇高で重要な意味合いに比べれば、取るに足りないことだ。と発言したそうだ。

このリユニオンは、ライブ8の一回限りのことか、という記者の質問に対し、
「わからないが、そうだとしても素晴しいことじゃないか」と答えている。

私も、ロジャー・ウォーターズのいないピンクフロイドのライブを2回、
ロジャー・ウォーターズのライブを数年前、1回だけ観たことがある。

ふたりが再び一緒に演奏し、ドラムスのニック・メイスン、キーボードのリチャード・ライトと、全員がそろったピンクフロイドを観るのは、はじめてだ。

ライブ8の放送は、中継がロンドンに戻り、いきなりピンクフロイドのスペーシーな演奏が始まった。

「狂気(The Dark Side of the Moon)」から、

「Breathe in the Air」 だ!

スペーシーなギターは、デイブ・ギルモアのスティール・ギターの演奏だった。知らなかった!

背景のスクリーンでは、ブタが空を飛んでいる。

これは、ピンクフロイドの「アニマルズ」というアルバムでブタを、資本家をの象徴にした曲、「ピッグ」からで、

アルバムのジャケット写真は、ロンドンに実在するのパターシー発電所の煙突の上をブタが空を飛んでいる。

「狂気」のアルバム自体が、宇宙を感じさせる作品だが、その中で、デイブ・ギルモアの演奏するスペーシーなギター・サウンドは重要な役割を果している。

さきほどのスティール・ギターではなく、今度は、ボトルネックでスライド・ギターを弾いている。



余韻も醒めよらぬうち、レジのキャッシャーの音がする。

同じく「狂気」から

「Money」 が。

物質主義、拝金主義、マテリアリズム、またはそういうものにひかれていく人間社会そのものを告発した曲と考えてもいいが、その「Money」が演奏されていく。

「狂気」の時代の1973年に、すでにそういうメッセージを世界に向けて発信していたピンクフロイドはやはり凄いなァと思う。

サックス・ソロがあり、バンド・サウンドから最後は、デイブ・ギルモアのものすごい切れ味で、宙を滑走するギター・ソロ。

しかし、この頃のサウンドでは、ドラムスのニック・メイスン、キーボードのリチャード・ライトが、かなり重要な役割をになっていたのが分かる。
ゆったりした、ドラムス。

効果的にはいるオルガン・サウンド。底辺を、ロジャー・ウォーターズのベースが支えている。

ロジャー・ウォーターズの顔が大写しになる。なんか、はればれしたような、
こうしてみんなで再び演奏するのが嬉しそうな、感慨深い顔をしている。

俳優のリチャード・ギアに哀しみを刻み込んだような顔をしている。
こうやって、再び一緒にやるまでに、いろいろなことがあったんだろうなぁ。

24年ぶりのリユニオンだという。

ロンドンのハイド・パークの観客から、拍手喝さいがわきおこる。それは、ある種、ピンクフロイドへの敬意の表現としての拍手のようにも聞こえた。



3曲目は、ラジオをチューニングして周波数を合わせているかのような音がして、

アコースティック・ギターの伴奏からはじまる。アルバム「炎」から

「Wish You were Here(あなたがここにいて欲しい)」 だ。

もう一本のアコースティック・ギターがメロディをかなではじめる。デヴィッド・ギルモアだ。

まず、デヴィッド・ギルモアが歌いだす。

この曲は、2001年の9.11 World Trade Centerの崩壊後、アメリカのABCの番組で、世界中、とくにアメリカの国民をなぐさめ、勇気づけようとしておこなわれた音楽番組で、べつの若手のグループが演奏した曲だ。

ぼくは、そのとき、よくぞピンクフロイドの曲を演奏してくれた、と嬉しく思った。

♪So, so you think you can tell Heaven from Hell, blue skies from pain.
Can you tell a green field from a cold steel rain♪

この曲は、もともと、ピンクフロイドのオリジナル・メンバーで非常に才能があった、シド・バレットに捧げた曲といわれている。

シド・バレットは、才能にあふれんがために、あっち側の世界、つまり狂気の世界へいったしまったひと。

彼に対して、「あなたがここにいて欲しい」と歌った歌。

しかし、この歌は、9.11のアメリカ同時多発テロで、家族を、友人を、同僚をなくしたひとびとにたいする鎮魂歌として歌われた。

上記の英語の歌詞を見て欲しい。

♪さあ、地獄から天国がどんなものかいえるかい?痛みから青空が見られるかい?鋼鉄の冷たい雨が降る中、緑の草原が語れるかい?♪(筆者訳)

この、「鋼鉄の冷たい雨」という歌詞を、ぼくは2001年当時、ついワールド・トレードセンターに突っ込んだ飛行機のことをさしているように感じた。

今は、イラクのバグダッドに、ファルージャに空爆や総攻撃をしかけた米軍のロケット爆弾のように感じる。

本当は、この歌詞がなにをさしているのかわからない。でも、1975年に、ピンクフロイドは、そうした時代を予見していたのではないか。そう思う。

デイブが歌った後、ロジャー・ウォーターズがリード・ボーカルをとる。
数年前、東京で観たライブで彼はしっかりしあ声で歌っていたが、

悲しいかな、デイヴィッド・ギルモアのあとで歌うと、その声がかすれて大きく出てこないのが目立ってしまった。

でも、ロジャー・ウォーターズは、そんなことはたいしたことではないとばかりに、一生懸命心を込めて歌っている。

ここで、彼が歌った歌詞

♪We’re just two lost souls swimming in a fish bowl, year after year.
Running  over the same old ground. What have we found? The same fears♪

これも、ひじょうに象徴的な歌詞だ。

♪ぼくらは結局、おなじ金魚蜂の中で、何年も何年もおよびまわっているふたつの失われたココロ(ソウル)ではないのか。
何年も、おなじ古いグランドを走り続けている。
それで、ぼくらは結局、何を見つけたんだい。
おんなじ、古くからの「恐怖」をみつけただけじゃないのか♪(筆者訳)

これは、きっと本当は、あちら側にいってしまったシド・バレットと、こちら側の世界にふみとどまったピンクフロイドのメンバーが、結局は、行く道は違っても、おなじ恐れを見つけたんだ、という意味の歌詞なのだろうと思う。

しかし、今、ここでかすれた声で歌っているロジャー・ウォータズの歌は、
たもとを分かった自分とデイヴィッド・ギルモアが、違う道を走り、遠回りしたけれども、結局、同じ地点にたどり着いた。

ぼくらは、ふたりとも、Two Lost Soulsなんだ、と歌っているように感じた。

ロジャー・ウォーターズの表情が、なにかがふっきれた、優しい表情だった。

ふたり同時にボーカル・パートをとり、やがて曲は、

デイブがギター・ソロをとりながらスキャットしていく。

先にも増したハイドパークの大観衆の大きな拍手。
それは、よくこの曲を演奏してくれた。という、

例えば、ぼくがよくYESのライブの合間、合間に、難曲をYESが演奏し終わった時に感じるのとおなじような、

感嘆と賞賛と感謝の拍手に聞こえた。


4曲目は、「ザ・ウォール」から

「Comfortably Numb」

まず、ロジャー・ウォーターズが歌う。

ちょっと、聴く人に不安感をあたえる、メロディ。

次に、デイヴィッド・ビルモアが歌う。
やっぱり、彼のほうが声が出ている。

デイブのスペーシーはギター・ソロ。

また、ボーカル・パートに戻る。

ロジャー、デイブが歌う。


デイブの壮大な宇宙空間に届くばかりのギター・ソロ。
もう、これはうまいとかヘタのレベルではない。
サンタナもそうかもしれないけれども

One and Onlyのギター。孤高の、虚空のギタリスト。

彼よりギターが上手いロック・ギタリストは沢山いるだろう。

でも、これほど、自分のスタイルを貫き、ひとびとのココロを揺さぶり続けるギタリストはそんなに多くないはずだ。


最高だ。素晴しい。これは、ライブ8としてだけではなく、
ピンクフロイドとしても、歴史に残る名演奏なんじゃないだろうか。

余韻にひたるまもなく、会場はトロントへ。

本当は、ライブ8の様子、

演奏順に日記に書こうかと思っていたが、ピンクフロイドの素晴しい演奏に、
我慢できなくなり、先に書いた。

ほかの、アーティストの演奏については、また今度、日記に書こうと思う。





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最終更新日  2005年07月18日 02時17分32秒
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