ラスタ・パスタのレレ日記

先日紹介したタイマネちゃん が１６歳でＣＤデビューなら、１５歳でＣＤデビューして、２００５年のハワイのナホク賞最優秀新人賞（Most Promising New Artist）を受賞した、

Brittni Paivaちゃん を紹介しないわけにはいかない。

ルックスでは、タイマネちゃんがやや優勢かもしれないが、
アーティストのキャリア的には１歩リードしている。

なにしろ、すでにハワイのナホク賞で最優秀新人賞を受賞しているのだから。

受賞の対象となったＣＤは、「Brittni x 3」

これは、Brittniちゃんが、ウクレレだけではなく、スラック・キー・ギターもベースもすべて自分で弾いてしまうから、１人３役というような意味からきたタイトル。

１５歳にして、すでに自分でプロデューサーとしてＣＤを製作している。

タイマネちゃんの師匠がジェイクやブルース・シマブクロ兄弟 なら、

ブリトニちゃんの師匠は、

ウクレレはハーブ・オータ　Jr.
スラック・キー・ギターは　Keoki Kahumoku

もともとKeoki Kahumokuにスラック・キー・ギターを習っていたら、
ケオキが、「凄い天才少女がいるから、ぜひ会ってくれ」と
ハーブ・オータ Jr.に紹介したらしい。

ケオキとハーブ・オータ Jr.は、今までにスラック・キー・ギターとウクレレのデュオで２枚のＣＤを出している仲。

ジュニアは、ＣＤで彼女のことをこう紹介している。


「ぼくはプロの世界でもう１４年もやってきて、音楽を教えても来たが、その間に多くの才能あるアーティストがあらわれては消えていくのを見てきた。
でも、ブリトニーは確実に、この（競争の激しい）世界で生き残っていくだろう」


ＣＤでは、やっぱり、タイマネちゃんと同じで、師匠たちが得意としてきた曲を取り上げているが、ブリトニちゃんは、ギターも弾けるので、その音楽性の幅は広い。

ウクレレ・メインの曲では、ハーブ・オータJr.が得意としているスリリングな曲

「G Minor Fleas」 や

ハワイのトラディショナルな曲を小気味よく弾いたり、

ガーシュインの「Summer Time」

ウクレレの神様、オータさんのさらに師匠の、伝説的なエディ・カマエ の作品、

「E Ku’u Morning Dew」 では、自分の師匠のハーブ・オータ　Jr.のように、美しいウクレレのメロディを聴かせてくれる。


スラック・キー・ギターでは、

スラック・キーの大物たち、オジー・コタニやジョージ・カフモク　Jr. の曲を演奏している。

スラック・キーの骨太の低音に、倍音が響きわたる高音がまざり、じつにゆったりとした、それでいて時々、キリっと切り込んでくるハーモニクスで、じつに気持ちのいい音楽を奏でてくれる。


また、有名な「スフィスティケイティッド・フラ」 などの有名な曲では、
ウクレレ、スラック・キー・ギター、ベースと１人３役で上手いバランスで演奏している。

さらに、スラック・キーの曲を２曲、 オリジナル曲 を演奏している。（１曲は、師匠ケオキとの共作）


１５歳でセルフ・プロデュースでデビューＣＤ、はやくもオリジナル曲２曲とは。

そして、ぼくが嬉しかったのは、伝説とコンテンポラリー･ハワイアンのベスト・ミックスを創り上げたハワイ最強のユニットＨＡＰＡ のギタリスト、バリー･フラナガンの曲

「Lei Pikake」 も取り上げていることだ。

１５歳にしてすでに実に多彩で深い音楽性。

タイマネちゃんよりも、
音楽の繊細な表現や、スラック・キー・ギターを全面にだしたゆったりしたうねりのリラクシングな曲など、音楽性の幅 では、いまのところ勝っていると思う。

もちろん、ふたりをそんな風に比較してもしょうがないのだが、
ハワイには、まだまだ日本に紹介されていない、若い才能がいっぱいいるということ。

もっといろんな才能を、これからも紹介していきたいと思う。