ラスタ・パスタのレレ日記

この『南の島』のホテルからは、１８０度全開で、

ベランダから海が見下ろせる。

毎朝、海の表情が違う。

潮がひいている時、満ちている時、

サンゴ礁のリーフのところで、砕ける波。
あそこから、急に海底が深くなっている。

太陽の光の角度と潮の満ち引きで、海面の色が違う。

午後３時を過ぎると、逆光の光に照らされて、海面がまぶしいくらいキラキラ光る。

風によって、天気によって、

今日は、波が高いなあｧ、
今日は、風がないでいて、静かな海面だなあ。


波の音が、心地よく、ざ～っ、ざ～ッと聴こえてくる。
寄せてはかえす波の音。

リーフで砕ける波の音。

遠くから、子供たちの声が風に乗って聞こえてくるようだ。

空の色も毎日、違う。スコールがむこうから順番にこっちへやって来るのが、空の色の変化でわかる。

少し湿った空気。

雲の色も形も、毎日違う。
昨日の雲は力強く、大地から立ち上るようだった。

今日の雲は、もっとふわっと、やわらかく、空に浮いている。



そんな、ぜいたくな風景と、景色と、風の音、波の音を聴きながら、

ぼくは毎日、ベッドに横たわってうたた寝をし、
ベランダに出て、ウクレレを弾き、

そしてまた、うたた寝をする。


何もしない旅行。最近のぼくの旅のテーマだ。

何もしないのに、心地よい風と波の音にそくされて、
まばゆい海と空の景色の色彩の変化にそくされて、

なにとはなしに、いろんな思いが湧き出てくる。

そしてまた、ぼくはウクレレを弾く。


とってもシンプルで、でも、とっても贅沢な時。

この時間を過ごすためにだけやって来た、ここ『南の島』

ダイビングやマリンスポーツもしない。
ブランド品の買い物もしない。
お土産も買わない。

ただ、毎日、海を眺めて、ぼーっとし、そして、
思い出したように、時々、ウクレレを弾く。

贅沢な景色と時間の独り占め。

五感が、なぜか研ぎすまされてくる。

１年の疲れが、全部、身体から出て行っていくみたいだ。

Endless Summer....

別にサーファーじゃなくても感じられるこの感覚。
ウクレレがぽろんとなれば、なおよろしぃ。

今朝は、日の出をみたあと、ハワイアンの音楽を弾いてみた。
この『南の島』にも、ぴったりだ。

まだ、全部は弾けないが、楽譜がなくても指が覚えている。
指先がとても敏感になり、血のめぐりが良くなって、わ￥あたたかくなってくる。

こんな時間が、飽きるほど、もっと続けばと思う。