2006/03/31(金)16:38
輪舞曲 最終回 こんな終わり方って??
最終回、15分拡大のスペシャル。
亡くなった伊崎は万が一のため、金山琢己が「神狗」に潜入した捜査官であることを示す書類を残していた。一生、西嶋ショウとして犯罪者として生きなければいけないかと思っていたが、無事、金山警部補としてお身分を回復した。
経済テロのプログラムを開発することで「神狗」に協力したことをすべて自白したユナは韓国に送還されることとなった。
最後に警視庁ですれ違うふたり。
「私は犯罪者、琢己にはふさわしくない」と思うユナに琢己は振り向きざま、声をかけた。
「宋は必ず捕まえる。オレを信じろ」
ユナ「あなたを信じます」
空港に護送されるユナ、ところがそのクルマは裏切り者の夏目が運転していた。
護衛の警察官を射殺し、ユナを風間龍吾(速水もこみち)のもとに連れられていく。
龍吾は、ユナにプログラムの完成を求める。
琢己を助けようと、病院を脱出したヒデ(佐藤隆太)が、ぼこぼこに殴られてつれられてきた。「プログラムを完成させないと、こいつを殺す」
ヒデ「オレのためにそんなことをしちゃだめだ!」とユナに言うヒデ。
分かったと言って、プログラムをほぼ完成させるユナ。
ユナはその時、居場所をパソコンから警察に発信した。
隆吾「いったいお前は今、何をしていた」とユナを追い詰める。
その時、何者かが銃弾を撃ちこんできた。
韓国の捜査官、キム(シン・ヒョンジュン)だった。
プログラムの入ったHDD(外付けか)をもって、ユナ、ヒデ、キムが龍吾から逃げる。
ここから、めまぐるしい展開。
そこに現れたのは宋。キムが狙撃された。
ユナのおかげで、警察の通信が傍受できた。君たちの居所はすぐにわかった。
キムは、ユナとヒデを助けて、自ら人柱となる。
宋は、キムを殺害しプログラムの入ったHDDを手に入れる。
ひとあし遅れて現場にかけつけた琢己と警察官たち。
宋はプログラムの入ったHDDをもって秘密の場所かくれ、ついにプログラムを完成する。
警察に捕まっている風間龍一郎と話す琢己・
龍一郎「宋とふたりで「神狗」を作ってきたのになぁ。あいつは、オレを隠れ蓑にとんでもないことをたくらんでいやがった。
宋の居場所なら、だいたい想像がつくよ。hk Holdingsのビルには万一のときにために、外からはわからない秘密の場所いくつもあるのさ」
宋の居場所を聞いた琢己は、hk holdingsにむかう。
宋のいる秘密の場所にたどりついた琢己。
「自首しろ」
拳銃の銃口を向けながら琢己は言った。
「あなたは24年前、ユナの両親と、オレの親父、そして今、おれの大切な同僚のキムを殺した。しかし、おれはあんたを殺さない。復讐は何も生まない」
宋「うらやましいね、その若さ。おれと龍一郎が満州で味わった苦労をあんたはわかるのかね。龍一郎と私には、国境の違いは無いと思っていた。二人とも、親から見捨てられたもの同士。
しかし、「神狗」が大きくなったら、やっぱり違った。あいつは自分を神だといった。そして、オレはあいつの飼い犬だと。
God とDog。。。」
あとひとつ、エンター・キーをおせば日本に経済テロを起こさせるプログラムが起動する。
その時、宋に携帯電話が入った。
病院に入院しているユニからだった。
「私は、お父さんのことを信じている。」
ユナは言った「ユニはあなたが犯した罪を知っても、14年間、私たち姉妹を育ててくれたことを感謝している。あの14年間が真実であることを疑っていない。過去は変えることは出来ない。でも未来は作っていくことが出来る」
宋はとまどった。この期に及んで、育てた2人の姉妹が、今でも自分を父親として愛している」
満州で孤児になり、地の底の苦しみを味わいながら、「神狗」をここまで大きくしてきた極悪非道な男。
しかし、宋は最後の瞬間に、エンターキーを押すことを思いとどまった。
と、その時、宋は何者かに狙撃された。
風間龍一郎だ。いつのまにか脱獄した龍一郎が、自分を裏切った宋を射殺した。
そして、巧みに、プログラムの入ったHDDを渡せとせまる。
一瞬、身をかわしてHDDを投げて撃ち合う二人。
だが残念なことに、相手の銃弾を打たれたのは琢己のほうだった。
HDDを拾い上げ、高笑いしながら行こうとする龍一郎を、その時誰かだ後ろから刺した。
息子の龍吾だった。
「お父さん、もう、こういうことはやめろ。楽になれ」
刺されていき絶え絶えになった龍一郎は息子の龍吾の胸元に抱きつき、抱きしめあった。
「おかしいな、こうしていると心も身体も楽だ」と龍一郎。
龍吾「はじめて、おれのことを抱いてくれたな」
親子の壮絶なやり取りを見ていた、琢己は、はいつくばった姿勢からなんとか起き上がり、銃で悪魔のHDDを粉砕した。
どっとhk holdingsのビルになだれ込む警察官。
呆然として、ふらふらになってビルから出てきた琢己。
ユナが、絶叫しながら人ごみをかきわけ、琢己の前に立っていた。
ユナをみつけ、目でそっと笑う琢己。そのまま、ユナの胸元に崩れ落ち、二度と起きることはなかった。
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エンディング・ロールが始まった。
え~~、キムも宋も琢己も死んじゃったのかよう。
いつもは、ドラマの最初で主題歌の「I believe」がかかり、各回のエンディングで「さよなら3」がかかっていた。
でも今回は、違っていた。最初に「さよなら3」がかかっていた。
そしてエンディングで「I believe」がかかっている。
。
。
。。
。。。
音楽の暗喩はやっぱり当たっていた。
ヒデとユニが二人仲良く韓国料理屋さんをやっていた。
ユナは、おそらく韓国での服役を終えて日本に帰ってきた(もともとは日本人の娘だった)。
海辺、いつもかつて琢己と会っていた場所。
かつて、琢己と抱き合った場所。
ジャスティス(訂正しました)のような子犬を抱えていた。
そこに、まったく同じような子犬が駆け寄ってくる。
飼い主のほうを見ると、ユナがそこに見つけたのは、琢己だった。
琢己は生きていたのだ。
琢己「おかえり」
ユナ「ただいま」
二人きつく抱きしめあい、口づけをした。
ピンクの花びらが舞っていた。
「ロンドだ!(輪舞曲)」
「ロンドだ」
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どうやら、ハッピー・エンドであった。
さて、この最終回、みんなはどう見たのだろうか。
とりあえず、ハッピー・エンドでよかったとか
琢己が生きていてよかった、という意見がある一方で、
最後の
宋→キム
龍一郎→宋&琢己
龍吾→龍一郎
と、めまぐるしく殺していくプロセスはいかにも、無理やり終わらせようとしているようで、不自然だ、という意見も多いと思う。
また、琢己は死んだままのほうが、悲劇的なラブストーリーでよかったという人もいるだろう。
最後に抱き合うのはいいが、キスは余分、という意見もあるようだ。
香港映画や韓国映画のハードボイルド・タッチで、主人公が非業の最期をとげるほうが、カタルシスがあって、泣けて、感動する。
もっともな意見だ。
でも、これは、ハードボイルド・タッチをしながらも、連続ドラマなんだ。
やっぱり、最後はハッピー・エンドでよかったと思う。
最後の、殺し合いの中で、家族愛がちらっと顔をのぞかせる。
復讐、怨念、裏切り、残酷
そんななかに、主人公や脇役たちの仲に、ほんのちょっとでも家族愛があった。
冷酷非情な宋。でも、14年間の親子の時間は真実だった、という娘の言葉にゆれ、最後に思いとどまった宋。
「もう、こんなことはやめろよ。楽になれ」
やはり権力の亡者と化した父親を刺し殺しながら、最初で最後の親子の抱擁をかわす龍吾。
陳腐なエンディングかもしれない。
ありえない展開かもしれない。
所詮、ドラマだ。
でも、所詮ドラマとわかってのめりこんだ、このストーリー。
やっぱりハッピー・エンドでよかったと思う♪