テーマ:今日のお出かけ ~(7999)
カテゴリ:クラシック・本・写真・アート
ノマディックというのは、「遊牧民の」というような意味で、 建築家の坂茂(ばん しげる)が手がけた移動式美術館で、 今までに、NYのピア54(マンハッタンのハドソン・リバー側にある防波堤のひとつ)や、サンタモニカで仮設されてきた美術館。 で、お台場のノマディック美術館は、世界で3箇所目になる。 それぞれの国で、貨物用コンテナを組み立てて、天井が高く大きなスペースを作り、そこにアートや映像の展示を行う。 今回のアート・プロジェクトは、カナダ出身のアーティスト、グレゴリー・コルベールの写真や映像を展示している。 「Ashes and Snow」と題されたこのプロジェクトは、現在も進行中のようで、 グレゴリー・コルベールが15年間かけてやってきた作品、 インド、エジプト、ミャンマー、トンガ、スリランカなどなどに長期遠征し、 自然の中で、人間と動物が一体となった瞬間を写した写真と映像がみられる。 人間と動物が一体になった、というのは簡単だが、どの写真作品も、デジタル画像処理や合成などをおこなっておらず、人間と動物が一体となる瞬間を、おそらくねばりずよく待って撮影したものと思われる。 あるいは、撮影する前に、被写体となる人間と動物が、緊張感なく自然に交われるように時間をかけて、ここだ、という時までは撮影という行為を全く行わないのかもしれない。 ポスターになっている、「像と少年」の写真が一番有名だが、 そのほかにも、 水中の象と男性、 水中で、お互いのからだを密接にまじわらせながら泳ぐ、くじらと男性 老婆や女性とさる、 鳥と少女、 豹と少女など ほんとうに両者がそこに存在するのに、なんの違和感も緊張感もなく、ごく自然に共生しているような写真だ。 写真は、日本の和紙に焼き付けられており、1枚1枚、手で作っているらしく、セピア色に焼き付けられた写真の数々は、まさに和紙にこそふさわしい表現になっている。 また、写された人間はみな、瞑想しているのか、心地よいのか、ある種の境地の心境になっているのか、みな目をつむっており、動物とよりそうその姿が、一種、東洋的なものを感じさせる。 ノマディック美術館の中では、常時、癒し系の音楽が流れており、 美術館に行くこと自体が、見るものの心を癒してくれる装置となっている。 お台場の、りんかい線「東京テレポート」駅のすぐ近く、 6月24日(日)まで、開催しているので、時間と興味のある方はぜひ観にいってもらいたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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