カテゴリ:ウクレレ・ハワイ音楽・沖縄
新メンバーでハワイのロコ、ネーザン・アヴェゥ(b, vo) の新生HAPAが昨年に続いて、来日した。今年でもすでに2月に続いて 2回目の来日ライブである。2月のライブにいけなかったので、喜び勇んでライブに行った。 前回の大きなホールではなく、ライブ・レストランの一番前の席に座ったぼく。 ステージには、バリー・フラナガンの、サウンド・ホールの右下に大きな穴が開いたアコースティック・ギターがスタンドに立てかけてある。 バリーは、このアコースティック・ギター一本で、さまざまな音色やタッチのサウンドを生み出す。穴が開いているのは、指や爪が激しくボディのトップにあたるからで、 例えば、押尾コータローのギターが、ボディを激しく叩いたり、弦を激しくかき鳴らす時にボディも痛む、のとちょっと似ている。 バリーは、DVDの中のインタビューで、このギターは、特別にネックを強く作ってもらっているものだそうで、(弦をはじいた後、ボディとネックをひねるようにしてサウンドにサステインとゆがみを生み出す)、おそらく、ネックがだめになるまでは、ボディがどんなに痛んでも使い続けるのだろう。 【HAPAの「MAUI」のDVD。 US盤はリージョンコードが違うので日本在住のひとは日本盤を】 相席になった人と話しているうちに、ステージにスポットがあたり、バリーとネーザンの二人が登場する。 バリーは、なっぜかへっぴり腰のような、ちょっとお尻を突き出して、両足がやや内股のような格好で出てきた。 あれ~、バリーってこんなひとだったかなあ、と思ったが、後で聞いてみると、どうも腰を痛めていたらしい。 昨年、ライブで見たときのHAPAは、ふたりが立って演奏していたが、今日は、ふたりとも椅子に座っている。 二人が椅子に座ると、おもむろに演奏が始まった。結構スピード感のある曲 1. Heleakala Hanohano だ。やった、ついに大好きなHAPAの生演奏を今、聴いている。 バリーは、曲の途中で、チューニングを変えて演奏するなど、最初からテクニシャンぶりを見せている。 でも、顔は赤ら顔で汗をかいているし、なにか調子がおかしいなあ。 汗をかくのは、前回ライブの時もそうで、おそらくハワイに比べて日本気候は湿気が多いので、彼にとっては暑いのだろう。 座って演奏する時には、ギターをアップライトに持って演奏している。 ネーザンは12弦ギターを低音域およびいリズムカッティング的に演奏し、美しい声で歌っている。 2曲目は、明るい感じで、左右両手をつかってギターのハーモニクス音をバリーが奏でる Stars in the Morning う~ん、いいなあ、HAPAの演奏はいつ聴いても。 しかし、なんだか、ギターのポジションとスタンド・マイクと椅子の位置がしっくりこないらしいバリー。ちょっと調子が悪いのかナァ。 3曲目は、Ku’u Lei Awapahi ネーザンの巨体に似合わない甘いボーカルが堪能できるバラード。 もう、最初の3曲で完全にHAPAの世界にお客さんを引き込んでいる。 ぼくが、今でもハワイ最強のユニットと呼んでいるゆえんでもある。 4曲目は、 Kaopuiki Aloha スラック・キー・ギターの曲だ。バリーがチューニングをしている。 この曲で、例の、ハーモニクス音をピーンと鳴らした後で、ネックとボディの位置をねじる動きをみせた。 これが、あの独特のサウンド・エフェクトとなって実に気持ちいいサウンドになる。 5曲目は、現在のところ一番新しいアルバム「MAUI」から Papa E(パパ・エー)だ。 バリーがギターの1~3弦のブリッジのところに、ピックをはさんで、別のピックで弦を弾くと、スティール・パン(スティール・ドラム)のような音が出るテクニックなのだが、どうも弦のあいだにピックがうまくはさまらないみたいで、曲を弾きながら(曲は進行しながら)何度もやり直している。 ついには、1弦が切れてしまった。 ネーザンが「バリーは世界で一番早く弦を巻きなおす男だ」 と言っている間に、本当にあっという間にバリーが弦を巻きなおした。 曲は終わってしまったが、バリーが、実はこういう音を出したかったんだ、 と、スティール・パンの音を出して見せた。 ネーザンは、「ぼくたちは、スティール・ドラムスを雇う金がないけど、バリーがギターで弾けばただだから」と、またジョークを言って会場の雰囲気を和ませている。 6曲目は、Aloha Namahana 「Surfin’ the Wave」(波乗りの歌だよ)とネーザンが言う。 7曲目は、バリーが紹介する。 アール・クルー(ナイロン弦のアコースティック・ギターの明るく柔らかい音でフュージョン界を活性化したギタリスト) に、インスパイアされて書いた曲 「Anjuli」だ。 そうか、この曲はアール・クルーに刺激されて書いた曲だったんだ。 HAPAがハワイの伝統音楽を大切にする一方で、いろいろなサウンドを取り込んでいるひとつのいい例だ。 それはひとえに、バリーの音楽性の広さに由来するが、 ネーザンも、以前のメンバーと違って、ベース・ギターの世界では相当広い音楽性を有している。 8曲目は、 Haleakala バリーが説明する。この曲は、ブラザース・カジメロのために書かれた曲だが、ぼくたちがその曲を盗んじゃったんだよ。とちょっと茶目っ気たっぷり。 ボーカル・ハーモニーとスリリングなギター・プレイが交錯する名曲のひとつ。 9曲目 Lei Manoa ネーザンの甘美でとろけるようなボーカルが存分に味わえるバラードだ。 絶品の味わい。 (その2に続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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お写真を一見する限りでは、ハワイアンって感じがしないのが不思議~!
でも、演奏している曲名が思いっきり「原語」だからさらにビックリ! (2007年05月09日 06時30分56秒)
小雪さん、こんにちわ。
>お写真を一見する限りでは、ハワイアンって感じがしないのが不思議~! そうですね。バリーは本土から来た白人。ネーザンはたぶんサモア系かともおもいますが、ちょtっとごつい感じですからね。 >でも、演奏している曲名が思いっきり「原語」だからさらにビックリ! そうなんですよ。ハワイ語の曲が多いです。伝統的なハワイのフラ・ソングも結構とりあげています。 そこに彼らの幅広い音楽性を注入して、まtったく新しいサウンドにしてしまうんですよね。 (2007年05月11日 06時29分32秒) |
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