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ラスタ・パスタのレレ日記

2007年07月03日
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ロシアの俊英ピアニスト、ニコライ・トカレフ、23歳。
彼が、13歳の時に日本の紀尾井ホールでコンサートを行ってから10年。

23歳の彼が、今度は初台の東京オペラ・シティ コンサートホールでリサイタルを開催したので行ってきた。

そもそも、ぼくは彼を最近まで知らなかった。
いつものごとくCDショップの店頭で、彼のメジャー契約デビュー作の『トカレフ・デビュー!』というCDを聴いていたら、なかなかよくて、しかも近々に来日すると知って、CDを買って帰り、さっそくチケットを予約した。

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だから、彼が、4歳で音楽をはじめ、12歳でモスクワでリサイタル・デビュー、翌年に日本に来て以来、頻繁に日本に来ていたことも、

モスクワ・フィルハーモニー交響楽団やチェコのプラハ管弦楽団、ウィーン室内管弦楽団、BBCフィルハーモニー管弦楽団など多くの有力オケとの協演をしていたことも、一切しらなかった。

しかし、試聴したCDに、なにか得も言われる力強いエネルギーを感じて気に入ってしまったというわけだ。

オペラシティ

さて、東京オペラ・シティ コンサートホールは、初台という場所が、オフィスから行くにはちょっと行きにくいのがたまにきずだが、とてもいいホールで音響もいいと思う。


ニコライ・トカレフのリサイタルのプログラムは

モーツァルト
『ピアノ・ソナタ ヘ長調 KV.533』

ショパン
『ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調「葬送」op. 350』

休憩

シューマン
『子供の情景 op. 15』

ムソルグスキー「フドレイ編曲」
『禿山の一夜』

ローゼンブラット
『パガニーニの主題による変奏曲』


会場が暗くなると、黒のレザー・パンツに黒の長袖シャツ、金髪の短髪の
ニコライ・トカレフがステージに登場。

なにか非常に緊張感があふれ、ストイックな雰囲気もかもし出している。
何度も、椅子の高さを調整しなおし、おもむろに右手からピアノを弾き始めた。

モーツァルトの
『ピアノ・ソナタ ヘ長調 KV.533』
である。

モーツアルトの華麗な感じを表現しながらも、とても力強い演奏。

拍手のあと礼をしていったんそでにひっこむ。

再び登場して、礼をして椅子に座る。
今度は、下をむいて目をつむり、さっきよりも長い時間、そうしている。
きっと集中力を高めて、曲のイメージを作っているのだと思う。

今度は、いきなり左手から力強く鍵盤をたたき、ダイナミックな演奏に発展していく。
ショパンの
『ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調「葬送」op. 350』だ。

途中、何度も椅子から腰を浮かし、中腰の状態で鍵盤に向かってエネルギーをたたきつける。

そうした展開のあと、今度は落ち着いた感じで低音を奏でる。
有名な『第3楽章 葬送行進曲:レント』だ。

バンバーンと言う感じで、第4楽章を終わる。
こんなに力強いショパンははじめて聴いた。

先日聴いた小菅優の演奏も力強かったが、彼女の場合、力強さよりも、情感豊かな音楽性が印象に残った。

また、5月に聴いた、同じロシアの中堅のボリス・ベレゾフスキーは、
巨体を駆使した体の動きも含めた豪快さが印象に残ったが、
ニコライ・トカレフの場合は、なにかとぎすまされた集中力と研ぎ澄まされた身体からほとばしる力強さなのだ。

同じ、力強い演奏といっても、それぞれ全く個性が違う。

しかし、ピアノってこんなに力強く弾く楽器なのだろうか。
今は、そういう演奏が主流なのだろうか。

そんなことを考えているうちに、第2部がはじまった。

シューマンの
『子供の情景 op. 15』
だ。

トカレフは、時に首をかしげるようにしながら、ショパンの時の前傾姿勢ではなく、今度は背筋をぴんと伸ばして演奏している。

時に、楽しげに、子供の好奇心を表現しているかと思うと、
時に、ロナンティックなメロディが出てきたり、
時に、子供が忙しく駆け回るような感じに
曲想が変化していく。

しかし、ピアノというのは完成度の高い楽器だと思う。
まあ、ぼくがウクレレ弾きだからそう思うのかもしれないが、
ピアノは、メロディも伴奏も、両方の手で表現できるし、音色の変化や音の強弱、音域の広さ、とにかく非常に表現の幅が広い楽器だなぁ、と思う。
もっともそうしたピアノの楽器としての特性をおもいっきり引き出すことが出来るのは、彼のような練習と鍛錬を積み上げてきた人でなければ出来ないことなのだと思うが。

次の演奏曲は、

ムソルグスキーの
『禿山の一夜』
だ。

この曲をはじめて聴いたのは、お恥ずかしながらプログレッシブ・ロックのトリオ
エマーソン・レイク&パーマー(ELP)のアルバム
『展覧会の絵』か、

学校の音楽の授業で聴いた、リムスキー=コルサコフのオーケストラ版かよく思い出せないが、

トカレフがピアノで弾く『禿山の一夜』が、スリリングで不穏な感じや不安な感じとともに、時々、明るい曲想になったり、爆発するように大きく展開するのを聴いていて、

なぜ、ロック・バンドのELPがこの曲をロックで演奏しようとしたかが、少し分かったような気がした。

トカレフ自身、非常にのって演奏できたようにみえました。

最後は、
超絶技巧といわれたヴァイオリニスト、パガニーニが自分のために書いた曲の主題旋律を、リスト、ラフマニノフなどいろんなひとが変奏曲にアレンジしたそうですが、
ローゼンブラットの
『パガニーニの主題による変奏曲』
は、一味違いました。

トカレフは、この曲は、座るとすぐにすぐにピアノを弾きだしました。すぐに、その世界に入っていったような感じです。

いきなり、ジャズ的なリズムやシンコペーションが出てきます。クラシック・ピアノのリサイタルで、こういうジャズ的な要素を感じるのは初めてです。

非常に早いパッセージから、最後は、ダン!!

と終わりました。会場からは割れんばかりの拍手。
拍手にこたえて何回もステージに出てきたり下がったりしましたが、
結局、熱烈な拍手にこたえて、4回もアンコール曲を弾きました。

アンコールの1曲目は、
かれがピアノ親善大使に選ばれたという映画
『ピアノの森』の主題歌でした。
楽しい、親しみ感のある曲です。

一回下がって、再びアンコールにこたえて弾いた曲は、

リストの『ラ・カンパネラ』

右手の小指による高音の鍵盤の反復音が非常に印象的で、激しくも素晴らしい演奏です。

3回目のアンコールは、うってかわて、

ショパンの『練習曲「別れの曲」 op.10-3』

ゆくりと、甘い音から、いったん激しくなり、またゆっくりとなって行きます。

アンコールの4曲目は、

シューベルトの
『シューベルトの「楽興の時 第3番』

ちょっと今までの感じとはがらりと変えて、たらんたらん、とちょっとおどけたような感じで曲は終わりました。

終演後、サイン会です。

ぼくは、いつものごとく、ミュージシャンと話せるわずかなチャンスなので列にならびました。

笑顔

ぼくより2人前に並んだ小さな女の子に、とても可愛らしい笑顔を見せていました。

演奏中は、誤解をおそれずにいえば、ちょっとロシアのプーチン大統領のような緊張感をかもしだしてのですが、演奏が終わった今は、別人のようにニコニコしています。

ぼくがプーチンのように感じたのは、ひとつにその緊張感ですが、もうひといつには、プーチンのもつ柔道家としてのみのこなしというか、オーラが、トカレフにも感じられたからです。トカレフが柔道やほかの武道をうやるかどうかはわかりませんが、身体を非常に研ぎ澄ますように鍛錬していることは、その体つきをみてわかります。

サイン会の時は、長袖のシャツを脱ぎ、半袖のTシャツを着ていましたが、Tシャツの下には、鍛錬された肉体があるのを感じることが出来ました。

さて、サインがぼくの順番になったときに、

「素晴らしい音楽でした。信じられない演奏でした、ありがとうございます」と言うと(英語ですが)

ほんとうににっこりとして「Thank You」と言ってくれました。

サイン会のときに、こんなににこやかに、屈託のない笑顔を見せるアーティストは初めてです。

今日は、ほんとうに初めてづくしです。
日本のファンが好きなんだなぁ。音楽がほんとうに好きなんだなァ、ということが伝わってきました。

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メジャー・レーベルでのCDは今回がデビュー作ですが、すでにインディーズで7枚のCD出しているそうです。
これからの活躍が楽しみな、好青年(という言い方をしてもいいと思う)です。オススメです。







最終更新日  2007年09月19日 11時18分04秒
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