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ラスタ・パスタのレレ日記

2007年07月14日
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カテゴリ:音楽:CD
ジャコの残した偉業。それは、ベースを伴奏楽器から、フレージングやメロディまでかなでるリード楽器へと、いや、リズムもメロディもすべてが表現できる総合的な楽器へと変化させた、ということにとどまらない。

ジャコのフレットレス・ベースが奏でる脅威の超絶テクニックに話題がいきがちだが、美しいメロディをハーモニクス奏法をまじえて表現し、音楽を歌として表現すること。
リズムのかなめを、うねりをもって表現できること。
その作曲家としても素晴らしいの才能があったこと。
ロック・バンドのような人気をはくしたこと。

ジャコ以前とジャコ以後、ベースの世界はまったく変化してしまった。そういう意味で、ベースの革命児であるだけではなく、ジャズ・フュージョンの音楽の革命児でもあったと思う。

ジャコが、いまや伝説的な存在になったのは、生前の偉業だけではなく、残念ながら、その非業の最期、死に方にもある。

ジャコは、ウェザーリポートに在籍して、何度か来日公演を行っている。ぼくも何回か足を運んで、その非常に高い音楽性に胸打たれていたが、一回だけ、ジャコの演奏がひどかったことがある。あんまり観客には分からなかったかもしれないが、当時、そのことを音楽雑誌に投稿したが、ぼくの指摘は当たってた。

ジャコは、そのころから奇行が目立つようになっており、そのジャコの演奏がひどかった前日の夜、宿泊ホテルで家具を外に投げ出したりして大暴れし、ホテル側から二度と宿泊させない、といわれていたそうなのだ。

しかし、ジャコは、その後しばらくはウェザー・リポートに在籍し、
ピーター・アースキン(ds)との最強のリズムセクションで
『ナイトパッセージ』『ウェザー・レポート(‘81)』という非常に完成度の高いアルバムを残していること。

1981年に、リーダー作『ワード・オブ・マウス』で、ベースがリーダーの革新的ビッグバンド・ジャズをクリエイトしたこと、などその活躍はますます期待されていたのだった。

だが、彼の病は、同時進行的に進んでいたようだ。
今考えると、ぼくは、ジャコは一種の躁うつ病のような状態だったのではないかと推測する。正しく診断され、治療していれば悲劇は起こらなかったのではないかと残念に思う。

84-5年ごろからだろうか、彼が、お酒によって、NYのワシントン・スクエアの前のアパートの階段で、飲み干したビールの缶かビンを何個も放り投げている写真がとられている。ご存知のように、アメリカでは、お酒を公共の場で飲んではいけない。だからみんな、紙袋に隠してちびちびとビールを飲んだりするのだが、午前4時頃のNYで、そんな姿が報道された。

そして、そのころは、酒によって前後不覚にあばれるため、NYのジャズ・クラブから総スカンをくって、締め出されている、とも、日本の音楽雑誌では報じられていた。

しかし、86年ごろだったか、ぼくは、NYでまだまともに演奏していたジャコを観ている。
ブレッカー兄弟が経営する
「7th Ave. South」(セブンス・アヴェニュー・サウス)というお店(もうなくなってしまっている)で、

ギターのハイラム・ブロックと共演し、ベースだけではなく、キーボードも弾き、歌まで歌っていたジャコをちゃんと観ているのだ。
NYから日本の雑誌にそのことを投稿して「ジャコ健在なり」という記事を掲載してもらったが、プロの音楽ライターが無断で、ぼくの記事を引用した。(音楽ライターってこの程度か、と思ったのを覚えている。)

さて、しかし、好不調の波がますます激しくなったジャコは、とうとう本当にNYのジャズ・クラブから完全に閉め出され、彼は故郷のフロリダに戻った。

フロリダでもしばらく音楽活動をしていたようだが、やっぱりNYと同じように、ジャズ・クラブとトラブルが絶えなかったようだ。

そして、(なぜか最近はこのことが意識的にか、書かれなくなったのだが)当時の報道をみると、フロリダにツアーにやってきたサンタナのライブで、
「ステージに上げろ」と言って、ステージで飛入り演奏をひようとしたジャコは、警備員たちにステージから引きずりおろされ、会場から追い出された。

(本当の飛入りを実現するには、せめて事前に楽屋かどこかでサンタナと打ち合わせてやるものだ。)

それで、憤懣やるかたがなかったジャコは、フロリダの夜の街を徘徊し、ジャズ・クラブに無理やり入ろうとしてドアマン(セキュリティ)に殴られ、撲殺されたのだった。1987年9月21日。

輝かしい彼の音楽的キャリア、偉業に、あまりにもふさわしくない非業の最期だった。犬死である。
ジャコは、そのなくなり方も含めて、最後の真の「ジャズマン」であったと思う。ジャズの名プレイヤーたちの中には、NYのハドソン・リバーに浮かんでいるのを発見されたり、麻薬でしに至ったミュージシャンが沢山いる。

しかし、いまやそういうジャズメンたちはほとんどいない。それは喜ばしいことではあるのだが、ジャコが最後の瞬間まで、真のジャスマンであったことは、なんたる歴史の皮肉であろうか。

そんなジャコの死から20周年の今年、ジャコの成し遂げた偉業を一挙に聴くことが出来る2枚組みアンソロジーCDが出た。すべての音源が2007年の最新デジタル・リマスター。

『エッセンシャル・ジャコ・パストリアス(The Essential Jaco Pastorius)』
である。

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エッセンシャル・ジャコ・パストリアス


収録曲は
Disc: 1
01. Donna Lee - Jaco Pastorius Listen
02. Come On, Come Over - Jaco Pastorius
03. Continuum - Jaco Pastorius
04. Kuru/Speak Like a Child - Jaco Pastorius
05. Portrait of Tracy - Jaco Pastorius
06. Opus Pocus - Jaco Pastorius
07. (Used to Be A) Cha-Cha - Jaco Pastorius
08. Bright Size Life - Pat Metheny, Jaco Pastorius
09. Barbary Coast - Jaco Pastorius, Weather Report
10. Hejira - Joni Mitchell, Jaco Pastorius
11. Talk to Me - Joni Mitchell, Jaco Pastorius
12. Birdland - Jaco Pastorius, Weather Report
13. Remark You Made - Jaco Pastorius, Weather Report
14. Teen Town - Jaco Pastorius, Weather Report
15. Havona - Jaco Pastorius, Weather Report

Disc: 2
01. River People - Jaco Pastorius, Weather Report
02. Punk Jazz - Jaco Pastorius, Weather Report
03. Dry Cleaner from Des Moines - Joni Mitchell, Jaco Pastorius
04. Dreamland - Michel Colombier, Jaco Pastorius
05. 4 A.M. - Herbie Hancock, Jaco Pastorius
06. Teen Town [Live] - Jaco Pastorius, Weather Report
07. Slang - Jaco Pastorius, Weather Report
08. Port of Entry - Jaco Pastorius, Weather Report
09. Soul Intro/The Chicken - Jaco Pastorius
10. Three Views of a Secret - Jaco Pastorius
11. Liberty City - Jaco Pastorius
12. John and Mary - Jaco Pastorius

ジャコのデビュー作『ジャコの肖像』(1976年)から
ジャコのビッグバンド『ワード・オブ・マウス』(1981年)までの5年間の主要な作品のピックアップである。

音楽界に衝撃を与えたデビュー作『ジャコの肖像』
(Disc1, 01,02,03,04,05,06,07)

フロリダで知り合った朋友「パット・メセニー(g)」のECMからのデビュー作
『Bright Size Life』(Disc 1の08)

ジョニー・ミッチェルの3枚のアルバム
『逃避行』から(Disc 1の10)
『ドンファンのじゃじゃy馬娘』から(Disc 1の11)
『ミンガス』から(Disc 2の03)

そして、やっぱり音楽的完成度では一番の活動時期であったウェザーリポート時代。スタジオ録音曲と、ライブ盤『8:30』から
(Disc 1の、09,12,13,14,15とDisc 2の01,02,06,07,08)

ハービーハンコックの『Mr.ハンズ』から(Disc 2の05)
ジャコのバースデイ・コンサートから(Disc 2の09)
そしてジャコの『ワード・オブ・マウス』から(Disc 2の10,11,12)

と主だった代表曲、代表的演奏がおさめられている。

こうしてみると、ジャコの主要な演奏はたった5年間に集約されているのが分かる。しかし、この5年間で彼が成し遂げた偉業は、音楽史を塗りかえるものであったと思う。

この後、35歳でこの世を去ったジャコの家族が生活難におちいったため、
パット・メセニーらがよびかけたトリビュート盤や、
ジャコのイタリア録音のライブやレア音源、
ベーシストが総出でジャコの曲を演奏するトリビュート盤の数々
ジャコの初期の音源を集めたコンピレーションCDなど

数々のCDが発売されてきたが、

やっぱりジャコの音楽性をほぼ時代順に一貫して理解するには、

レーベルを超えて集められた、
このDisc 1の75分超、Disc 2の76分超、計151分超の音楽的集大成
『エッセンシャル・ジャコ・パストリアス』が
もっともふさわしいと思う。

ベース・プレイヤー、ベース・ファン、
ジャズ、フュージョン・ファンはもとより
すべての音楽ファンにオススメする最強の「ベスト・オブ・ジャコ」
アンソロジーCDであると思う。

ジャコの生み出すす音楽の大きなうねりに身もだえ、ジャコの奏でる美しいメロディに心奪われ、きっとみんな、彼の音楽にひれ伏すことだろう。ぼくはそう思う。






最終更新日  2007年09月23日 06時54分08秒
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