カテゴリ:音楽:CD
(その2から続く)
16曲目の『Beyond The Break』 この曲も、ぼくは好きではない。 ギターの音が、下品で安っぽいのだ。 ウクレレの音色は最高に磨かれていると思うのだが。 ウクレレとギターのバトルを表現したかったのだと思うが、 ギターが最悪だ。 こういう、アメリカ西海岸風ギター・サウンドのできそこないみたいな、ギタリストは使うべきではないと思う。 2006年の作品だから、ジェイクのウクレレの音、音色、質感、というのがかなり洗練されて確立されてきている時期なのだが、 それに比べて、ギターのフレースも音色もお粗末としか言いようがない。 ジェイクは、ギターを曲に入れるとき、他のミュージシャンを使うこともあれば、自分で弾くこともあるけれども、もっとギターの音色、音質、フレージングを研究すべきだと思う。 もっと、いいギタリストを雇ってくるべきだ。 一流のギタリストは、一発で、誰とわかる音(トーンや音色を含めて)とフレージングを弾くものだ。 ロックでいえば、例えば、 ジェフ・ベック、彼は今、ギターをピックなしで弾いているぞ。ウクレレの参考になるんではないか? デュアン・オールマン、 サンタナ みんな唯一無二の音を弾いている。 西海岸のサウンドがいいなら、 スティーブ・ルカサー ジェイ・グレイドン フュージョン系で リー・リトナー ラリー・カールトン プログレッシブ・ロックでは デヴィッド・ギルモア スティーヴ・ハウ 枚挙にいとまがないが、全員、確固としたオリジナルの自分のギターの音を持っている。 ジェイクは、ジミ・ヘンが好きなのは分かるが、 もっと、いろいろ偉大なギターの先人達から学ぶべきだと思う。 バンヘイレンや、ボンジョビだけ知ってても、ロック・ギターのことはわからないぞ、なあ、ジェイク! 17曲目『3rd Stream』 この曲も、激しい曲だが、この曲は一点をのぞけば成功していると思う。 その一点とは、ジェイクのウクレレの最初のソロだが、 なんで、この曲で、クラシックのスケール練習のような音のつながりをソロとして弾くのだ。あまりにも、悲しい。 やっぱり、ジェイクは、ロックもジャズも、音楽の引き出しがまだまだ少ないのだと思う。 しかし、その点をのぞけばいい曲だ。 それはフルートの導入。ウクレレとフルートのからみは成功していると思うし、 途中のスパニッシュっぽいメロディもいい。 そして何よりも、ノエル・オキモトのドラム・ソロが素晴らしい。 ハワイにもこんな素晴らしいドラム・プレイヤーがいるんだ、ということを教えてくれるソロだ。 その後のフルートのソロと、ウクレレのソロ。可能性を感じさせる一曲。 それだけに、最初のソロの音の選び方が、実に惜しい。 18曲目の『Rainbow』は、 ハワイ州観光局のテーマ曲として使われ、実際、テレビCFにジェイクも登場した曲。 6アイランズ、6アロハ、 Discover Hawaiiだったかなぁ。 とっても明るくなる、さわやかで、ハワイの空気感を感じさせてくれる曲。 19曲目の『Toastmaker's Revenge』 ジェイクは、このトーストメーカーのなんとか、という曲を何曲も書いている。 このベスト・アルバムの曲の流れとして、ここで激しい曲が選ばれるのはよくわかる。フジロックみたいに、大観衆の前でもステージ栄えする曲だろう。 しかし、やっぱりいかんせん、楽曲そのものが面白くないのだ。 何とかして欲しいものだ。 20曲目は『Ice Cream』 これは、ステージでは、ときどきやっているが、新録。 激しい曲のあとに、アルバムの最後は、しっとりとした曲を持ってくるのは、 エリック・クラプトンの デレク&ドミノス時代の『いとしのレイラ』の最後の曲、 「庭の木」や、 オールマン・ブラザーズ・バンドの『イート・ア・ピーチ』の最後の曲 「リトル・マーサ」 のような役割を果している、ゆっくりと熱い興奮を静めるかのような小作品に仕上がっている。 とまあ、3曲、いや4曲ばかりは、かなり辛口なコメントを書いたが、これもひとえに、ジェイクに期待しているからだ。 ジェイクは、今、セルフ・プロデュースをしているが、 一回、修行期間として、ジャズ・フュージョンのミュージシャンとがっぷり組んで、いろいろなセッションをやってみてはどうか。 フジロックや、「ライブ・イマージュ」のような大勢のミュージシャンが集まるイベントではなく、ギター、ドラムス、ベース、サックスやフルートなどの楽器を入れた、ウクレレのジャズ・カルテットやクインテット風のフュージョンに挑戦してみては。 絶対に、ジェイクの将来の飛躍のためになると思う。 また、ロックに関しても、もっと多くのギタリストの個性的な音と音楽を研究すべきだと思う。そのためには、今以上に、楽器の周辺機器、アンプやディバイシスやレコーディング技術にたけなければならないのだが。 そういういいパートナーがいるほうがいいのではないか。 プロデュースも、マルチな音楽を理解し、咀嚼し、オリジナリティをもたせることができるアーティスト、 例えば、ベースのマーカス・ミラー ピアノ&キーボードのハービー・ハンコック そんなひとにプロデュースしてもらってはどうか。 それから、それこそ、ハワイのエイブと組んで、エイブにドラムスを叩いてもらいつつ、ダブル・ウクレレなんていうのもいいのではないか。 まぁ、ソニーミュージックの意向もあるだろうし、予算もあるんだろうけれども、ジェイクは、絶対、一回、武者修行に出たほうがいいと思う。 今のままでは、あまりにも音楽の懐がせまくて、 ワンパターンになりがちで、とても残念だ。 ジャイクには、その潜在能力と才能があると思うし、努力のひとであるのも知っているので、なんとか、今の自分の壁をぶち壊す大胆なきっかけを作って欲しいと思う。 で、なんのかんのいって、このベスト・アルバム「My Life」は、おすすめかどうか。 なんで『Wish on My Star』のような名曲が入っていないのかわからないが、 6曲の新録・新曲もあるし、 ジェイクのいい曲もいっぱい入っているんので、やっぱりオススメかな。 【送料無料選択可!】マイ・ライフ / ジェイク・シマブクロ ●Jake Shimabukuro“マイ・ライフ”CD(2007/7/18) 《送料無料》ジェイク・シマブクロ/my life(CD) ジェイク・シマブクロ/my life 【クロスカレント】もオススメ ジェイク・シマブクロ/クロスカレント クロスカレント / ジェイク・シマブクロ 【送料無料選択可!】クロスカレント / ジェイク・シマブクロ 【CD】クロスカレント/ジェイク・シマブクロ 【CD】ジェイク・シマブクロ / クロスカレント <2003/7/2> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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