テーマ:ヨーロッパ旅行(4168)
カテゴリ:音楽:ライブ
最近では、もっと若手のギタリストが注目されているようだが、日本にも若きフラメンコ・ギタリスト沖仁(Oki Jin)がいる。 彼の4枚目のアルバム発売記念のミニ・ライブに行ってきた。 ステージ中央に彼が座って、ステージ向かって左に男性と女性が、フラメンコ特有の手拍子をする。 フラメンコというのは、基本が12拍子だそうだ。 《送料無料》沖仁/Respeto 十指一魂(CD+DVD)(CD) Respeto~十指一魂~【1025秋祭10】 【ポイント2倍30日am9:59迄】Respeto~十指一魂/沖仁[CD]【1025秋祭2】 【送料無料選択可!】Respeto[レスペート]~十指一魂~ [CD+DVD] / 沖仁 沖仁/レスペート ~十指一魂~ ●沖仁”Respeto~十指一魂”CD+DVD(2007/9/26) 1曲目は、あたらしいCD 「レスペート ~十指一魂~」から 「メルーチョの家」 フラメンコ・ギターらしいアレペジオのあとに、手拍子が始まり、沖仁の左右の手、指が激しく動き回り、アタックが強い音で速いパッセージを弾いていく。 あにフラメンコ・ギターだ! 2曲目は、彼がスペインで弟子入りを希望して探し回ったフラメンコ・ギターの3大巨匠のひとり、セラニートとCDでは競演した曲(左チャネルがセラニート、右チャネルが沖仁)を、今日のステージでは彼ひとりのソロ演奏。 「マエストロ・セラニート」 ステージの真正面でみている僕は、フラメンコ・ギタリストの左右の指使いに感嘆の声をあげそうになる。 なるほど、あれだけ激しい音はこうやって演奏されていたのか。と。 3曲目は3rdアルバムから 「秋の月のスケッチ」 フラメンコの範疇にはおさまらないオリジナル曲だそうだが、 同じギターを使いながらも、それまでとは違って柔らかい音が奏でられる。 次の曲を途中まで弾いて、突然、演奏をやめてしまった。 フラメンコ・ギターの演奏なのに、皆さん静かですね。 では、先にフラメンコ・ギターに関するトークをやりましょう、と言ってクラシック・ギターとフラメンコ・ギターの違いを、楽器を弾いてみせながら説明してくれた。 場の空気を読むのが上手いのか、もっと盛り上げるのにトークが先のほうがいいと思ったのか分からないが、若いのに余裕があるなあ、と思った。 彼の楽器の説明はとても興味深いものだった。 クラシック・ギターは小さなオーケストラと言われるように、ギター一本ですべてを弾くように出来ている。 フラメンコ・ギターより芳醇でふくよかな音がする。 高いところで、メロディを、低いところでベースを、中音域で和声をだせるように作られており、実際、そういう風に弾かれている、といって実際に弾いていせてくれた。 今度は、フラメンコ・ギターは、そもそも伴奏楽器として出来ており、 フラメンコの踊り手の女性の激しいクツでゆかを蹴る音や、手拍子、歌などに負けないように、切れ味いい音がでないといけない。 弾いた時に、シャープでスカーンと抜けた音が出なければいけなくて、フラメンコ・ギターは実際、そのように出来ている。音を鳴らしながら説明してくれる。そのため、フラメンコ・ギターは、よく鳴るようにボディが薄めで、表(トップとサイドの木の材質が同じもので出来ていて、クラシック・ギターとは違う。そうだ。 言われてみて、なるほどと思った。 楽器は、こういうふうに弾いてくれよ、というふうに出来ていて、そのように弾いてあげないと楽器が悲鳴をあげる、とも言っていた。 目からうろこじゃないが、なるほどと思った。 ついでに、フラメンコ・ギターの奏法についても話してくれた。 ラスゲアートと言ったかなァ、 ようするに右手で弦をかき鳴らす奏法で、いくつかあるが、 右手の指4本でかき鳴らす奏法 親指を上下に動かす奏法 三連譜で弾く奏法などを実演してくれた。 「こういう奏法は、他の弦楽器にはない。」と彼は言っていた。(ほんとはあるのだが、種明かしはあとで) また、ゴルベといって叩く方法も色々あるといって実演してくれた。 自分はやらないが、ジプシー・キングスなどは、手のひらで弦の上からバンバン叩くので、楽器の寿命が5年持たないそうだ。 面白い話の後に、演奏した4曲目は、NHKの大河ドラマ「風林火山」の後に、紀行の紹介のところで、流れていた曲(4-6月まで)で、 オリジナルではなくアレンジした曲だそうだが 「風林火山~巡礼記~」 5曲目は「イリュージョン」 (アルバムNacimiento[ナシミエント]~誕生~から) ブレリアだそうだ。ブレリアは3拍子系のフラメンコを代表する曲種だそうで、先ほどの男性と女性が出てきて、手拍子をたたくだけではなく、男性は歌も歌った。 このもの悲しくも激しい音楽。 6曲目は、ふたたび最新アルバムから 「サン・パブロ通りの天使達」 アンコールに応えて、 「ファンファスマ」 (最新CD+DVDのDVDのほうに収録) フラメンコ・ギターは、もの悲しいけど、エネルギーにあふれ、パッションというか情熱とか情念がつたわってくる音楽。 ウクレレとは正反対の音楽を志向しているようだが、似ているところもある。 サイン会で、 「フラメンコ・ギタリストというとパコ・デ・ルシアくらいしか知らなかったのですが、目の前で激しく素晴らしい演奏をしてもらって楽しかったです」 と言うと、彼は、巨匠、パコ・デ・ルシアと並び語られたことに「そんなめっそうもない」という身振りではにかんでいましたが、 「ぼくはウクレレをやっているのですが、3連譜のストロークや親指の上下(これはぼくはまだ出来ない)のストロークがあるんですよ」と言った。 まだ、ぴんとこない顔をしている彼に、 「ウクレレはポルトガルからハワイに渡った楽器で(本当は伝わって独自の発展をした楽器)で、(スペインとポルトガルはとなり同士なので)なにかつながりがあるのかもしれませんね」と言った。 すると、彼はほうぅ、という顔をして「そうかもしれませんね。ウクレレ頑張ってくださいね」と言った。 サイン会の全てのお客さんに、笑顔でこたえ握手をして、気さくでほんとうに感じのいいアーティストだった。 最新CD+DVDには、 過激にアレンジされた「ベサメ・ムーチョ」や スペインや日本の歌手が歌っている曲も収録されており、なかなかよいです。おすすめです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[音楽:ライブ] カテゴリの最新記事
日本にも、フラメンコの奏者がいらっしゃるのですね。
舞踊のフラメンコが密かに流行っていたりするから、、、奏者がいらっしゃっても不思議ではないですよね。 フラメンコのアコースティックな旋律、いいですよね。。。 (2007年10月31日 22時51分51秒)
こんばんは。
沖仁さんがNHKのトップランナーに出られていたのを拝見し、日本にも素敵なフラメンコギタリストの方がいらっしゃるんだなあと思っていました。沖さんは、『Nosso Tom』という、アントニオ・ジョビンさんの生誕80周年記念アルバムにも参加されています。 (2007年11月01日 00時17分28秒)
小雪さん、こんにちわ。
>日本にも、フラメンコの奏者がいらっしゃるのですね。 そうですね。ぼくもこんなに本格的な奏者がいるとは思いませんでした。 >舞踊のフラメンコが密かに流行っていたりするから、、、奏者がいらっしゃっても不思議ではないですよね。 実は、アマチュアを含めると、日本は世界で一番フラメンコ・ダンサーの数が多いそうですよ。本場よりも多いのは驚きました。 >フラメンコのアコースティックな旋律、いいですよね。。。 情熱的にかきむしるように演奏するさまは素敵ですよね♪ (2007年11月01日 13時01分22秒)
MIKIくるくるさん、こんにちわ。
>こんばんは。 >沖仁さんがNHKのトップランナーに出られていたのを拝見し、日本にも素敵なフラメンコギタリストの方がいらっしゃるんだなあと思っていました。 そうなんですか、番組見逃していました。 >沖さんは、『Nosso Tom』という、アントニオ・ジョビンさんの生誕80周年記念アルバムにも参加されています。 そうですか。フラメンコ・ギタリストでも、ボサノバをやるんですね。フラメンコというのは、パコ・デ・ルシアによると、規制の多い音楽だそうで、その枠をはみ出ちゃったのがパコなんですが、沖仁さんもフラメンコの枠に収まらない活動をしているんですね♪ (2007年11月01日 13時04分11秒)
はじめまして。
今日の日記で楽器フェアを紹介して、イベント情報を調べていて訪問しました。 本家のイベント検索サイトのアットサインでは、誰でもイベント情報を告知できます。 コンサート・展示会・フェア・ワークショップ・講演会等何でも紹介できますので、ぜひ御活用下さい。 ブログTOPからもリンクしていますが、下記から直接でもどうぞ。 http://atsign.jp/ ブログはこちらです。 http://plaza.rakuten.co.jp/atsignyu/ (2007年11月03日 00時09分00秒)
かず1011さん、こんにちわ。
>フラメンコギターか~ >聞いてみたいな~ きっと好きだと思うんだ~ 自分。 >哀愁があって 時に激しくね。多分好き^^ フラメンコは哀愁というか移動民族(って差別用語じゃないよね)の悲哀や悲しさが、激しい形で感情表現されているみたいで、ぞくぞくきますよね。スペインで何回か見ました。観光客向けとわかっていても、引き込まれましたよ。観光客向けじゃないフラメンコをどこでやっているのか、スペインではさがせなかったんですけれども。 (2007年11月07日 17時30分43秒) |
|