ラスタ・パスタのレレ日記

スーパー・チューズデイで、両者互角の戦いをした、米大統領予備選、民主党統一候補選び、

９日（米時間）の３州で、オバマ氏がヒラリーを圧倒した。

南部で、黒人層の多いルイジアナ州で、オバマが圧勝したのは、順当かもしれないが、中西部のネブラスカでも、西海岸のワシントン州でも得票率60％代で、ヒラリーの30％代の2倍の票を獲得したのはすごい。

ワシントン州は、みなさん御存じのように、かつてはボーイング、今はマイクロソフトやスターバックスで有名な州。グランジ・ロックの中心地でもあった。ある意味で、今のカリフォルニアよりも進歩的な州かもしれない。そういった州でも、オバマ氏が、南部や中西部とおなじような圧勝したことの意味が大きい。

スーパーチューズデイでは、オバマが地元イリノイ州（シカゴがある州）など、13州で勝ったものの、ヒラリーは大票田であるニューヨーク州、カリフォルニア州を含めた８州で勝利し、獲得評議員数で、かろうじてオバマを上回っていたが、

今回のオバマ氏、３州で圧勝の事実は、民主党の統一候補争いで、大きな潮目の変化をむかえたのかもしれない。

報じられたところによると、

オバマの支持層は
黒人層、白人男性層、若者層、インテリ層

ヒラリーの支持層は
女性層、年配層、ヒスパニック層

などとなっているようだ。

昨年末の時点で、選挙資金集めでも、民主党、共和党の中でダントツに資金を集めていたヒラリー。
2004年の時点で、ヒラリーの大統領選立候補の期待もあったが、動かず、まんをじして立候補したヒラリー。

近年の大統領選でも、もっとも準備期間が長い候補で、選挙戦を戦う組織基盤も整っているはずのヒラリーが、ここにきてかなり苦戦をしいられている。

オバマ支持層の草の根運動が、じわじわと効を奏してきたのかもしれない。

われわれの生活や将来に影響のある米大統領選、われわれには投票行動ができないことが、じゅくじたる思いがするが、ぼくはやはりオバマ氏に期待してしまう。

彼が、「変化」だけではなく「統合・融和」を訴えており、
アメリカ国民に一緒に、変革を起こそう、とアピールしている点に共感するからだ。

今のアメリカはあらゆる問題で２つに分断されている。
減税か増税か、イラク即時撤退か、段階的撤退か、
女性の中絶手術を認めるか認めないか
銃規制を強化するか、しないか
同性婚を認めるか、認めないか。

すべての問題が、黒か白かはっきりさせなければいけない、
中間の解決策が、ないといわんばかりの分断だ。

これを、多様な意見・主義主張・宗教などを認めながら、現実的に着地可能な解決をはかれるよう、国民は統合・融和していかなければならない。

そういったオバマ氏の主張に、「希望」をみるからだ。

ヒラリー氏へのぼくの違和感は、何だろうとずっと思ってきたが、
彼女は、実力もあるし、ワシントンでの経験や実績もあるけれども、
彼女が、そろをオバマ氏に対する自分の優位性であると強調すればするほど、
彼女が古いタイプの政治家に見えてきてしまう、ということ。
（たしかに夫のビル・クリントンが大統領になったときには、
夫婦とも、当時の新しい形の政治家に見えたが）

それと、彼女の演説は、どうみてもビジネス・エグゼクティブが
クライアントに対して、問題解決（ソリューション）をプレゼンしているように見えてしまうことだ。いわゆる、パワーエリートの姿だ。東海岸のパワーエリート像。
そういうパワーエリートたちの力の論理にへきえきした経験が僕自身にもある。
残念ながら、今のアメリカを構成しているパワーエリートにアメリカは変えられない、と思う。どんなに優秀でも、既存のやり方では、今のアメリカの病理は変えられないと思う。
ブッシュよりはましだと思うが。

オバマの演説は、なんというか、やっぱりカリスマ性があり、
国民が、このひとに「夢」と「希望」を託してみたい、
というすごさがある。

アメリカの大統領は、そういう新しいタイプの政治家、
ワシントンでの経験が少なく、既存の利益団体、ロビーストを代弁しないひと、、
新しいやり方を創りあげることが出来る人こそがふさわしいのではないかと思う。

日本だけではなく、世界中の今後に影響を与える米大統領選、
これからも注意深く見守っていきたい。