2008/04/05(土)09:58
クルセイダーズ・ライヴ!1
スティーヴ・ガッドをドラムスに迎えて、クルセイダーズが帰ってきた!
Bunkamura オーチャードホールで開催された、JVC Jazz Festivalに、そんな彼らを観に(聴きに)行ってきた。
クルセイダーズには、今までに2回のピークがあったと思う。しかも短期間のうちに。彼らの略歴をご紹介する。かなり入り組んでいるので、章にわけて書こう。
【第一章】
クルセイダーズは、もともとは、ジャズ・クルセイダーズと名乗っていて、
オリジナル・メンバーは
ウェイン・ヘンダーソン(トロンボーン)
ウィルトン・フェルダー(サックスZ)
ジョー・サンプル(キーボード)
スティックス・フーパー(ドラムス)
の4名。
彼らが、名前を「ジャズ・クルセイダーズ」から「クルセイダーズ」に変え、
ジャズのみならず、ソウル、ブルース、ファンクなどあらゆる要素を取り入れたサウンドを生み出し、フュージョンという言葉が生まれる前から、フユージョン的な音楽を創り出してきた。
それがひとつのピークを迎えたのは、
ゲスト扱いだった、ラリー・カールトンも正式メンバーとなって大活躍している、1976年の作品
「The Crusaders Those Southern Knights」(南から来た十字軍)
だと思う。
このアルバムの発表後、リーダー的な存在だったウェイン・ヘンダーソンが脱退。しかし、バンドのエネルギーはまだ持続していて。
1977年発表の
「Free As The Wind」(旋風が舞う)でも、黄金期の演奏を残している。
しかし、ラリー・カールトンも脱退し、クルセイダーズは方向転換を志向する。
【第2章】
それまで、自らを「アンサング・ヒーローズ」(歌わないヒーローズ)と称していた彼らが、
ランディ・クロフォードをゲスト・ボーカルに迎えた
1979年の
「Street Light」は、大ヒット。
ジャズ、R&B、ポップ・チャートでも上位に入り、
日本では、ディスコでもかかっていた。
このボーカルを迎えて、ポップ志向を強めた、クルセイダーズは、1980年に
「Rhapsody and Blues」(ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」にひっかけたタイトル名)を発表。
やはり、ボーカルにビル・ウィザーズをフィーチャーして「Soul Shadows」という名曲を残している。
ぼくが、クルセイダーズを聴き始めたのは、「南から来た十字軍」「旋風に舞う」くらいからだが、ラリー・カールトンは脱退しており、
オリジナル・メンバー4名+ラリー・カールトン(g)という
黄金期のライブは観たことがない。
ライブ・バンドとしての定評も高かった彼らだけに、残念だったが、
「ラプソディ and ブルース」発表後に確か2年連続して来日しており、bくは両方とも喜び勇んでライブを観に行ったと思う。
この時のツアー・メンバーは、
ウィルトン・フェルダー(サックスZ)
ジョー・サンプル(キーボード)
スティックス・フーパー(ドラムス)
のオリジナルメンバー3名に
ベースにアルフォンソ・ジョンソン(元ウェザー・リポート)
ギターに
バリー・フィナティ(元マイルス・バンド)
David T Walker(いぶし銀のギター)
2回目は、David T. Walkerに代わり、
ローランド・バウティスタ(元Earth Wind & Fire)
という超強力メンバーで、来日している。
ラリー・カールトン在籍時と2-3年しかたっていないが、
・ウェイン・ヘンダーソンの脱退(2ホーンが1ホーンになった)
・ボーカリストの起用
・David T. Walkerのように、ラリー・カールトンのようなリード・ギターではなく、グルーブ感を生み出すサイド・ギターの重用など、
全く違う性格のバンドとして再度全盛期を迎えていたと思う。
しかし、クルセイダーズは、その後失速し、
スティックス・フーパーまで脱退して、しばらくバンド活動停止(ていうか、解散に近い)していた。
クルセイダーズは、そのうねるようなグルーブ感から、
テキサス・ファンクとも言われていたが、
ぼくは、そのグルーブ感の中心人物は、サックスのウィルトン・フェルダーだと思っていた。
ひとつには、
・ウィルトン・フェルダーのサックスが豪快な音を出していたこと
・来日と同時期の1980年に出したソロ・アルバム
「インヘリット・ザ・ウィンド」では、ボーカルにこれまた濃いボーカリスト、
ボビー・ウーマックをフィーチャーしており、黒い塊のような演奏をしていたこと。
・ウィルトン・フェルダーはベーシストとしても有名で、多くのR&B系のセッションでベースを弾いていたこと。来日メンバーのアルフォンソ・ジョンソンは、ベーシストとしてのウィルトン・フェルダーから学びたいためにクルセイダーズに参加していたこと
などが理由だ。
(その2に続く)
【参考】トップの写真
クルセイダーズ「南から来た十字軍」
ラリー・カールトン在籍時の名盤。勢いあるラリー・カールトンのギター・ソロがカッコいい。
クルセイダーズ/南から来た十字軍
南から来た十字軍 / クルセイダーズ
南から来た十字軍