カテゴリ:中国・韓国・アジア
今回のインドの目的地は、ムンバイとチェンナイ。デリーが目的地ならば成田から直行便があったはずだが、最初の行き先は、インドの西側のムンバイ。
直行便がないので、最初はバンコク経由で行こうと思っていた。帰りは、バンコクで1泊し、ほかの仕事もする予定だった。しかし、先月のバンコクでの銃撃戦。バンコクのビジネス・商業地域の中心の道路を占拠していた赤シャツのデモ隊を排除に成功した政府軍だが、タクシン派の一部の過激派が暴徒化し、赤シャツを脱いで一般市民にまぎれ、伊勢丹が入っているビルなどに火をつけて大混乱。 バンコクに住む日本人とタイ人に連絡をとると、無事ではあるが市内に住んでいる人は、食糧・水を買い込んで自宅にこもりっきり。 市の郊外に住んでいる人は、一歩も市街地には行かなかったとか。 情勢は大分落ち着いているとはいえ、バンコクで1日仕事をする環境でもないと思い、本来の目的であるインド出張は、シンガポール経由で行くことにした。 地図を見てもらえば分かるが、ムンバイに行くのに、シンガポールだといったん赤道近くまで南下してから南西に向かうので、バンコク経由よりもはるかに距離が長く時間がかかる。 しかし、トランジットの待ち時間を入れると、結局1時間ぐらいの差しかない。 ということでシンガポール経由で旅立った。 シンガポールまで7時間半。前日出張の準備で十分に寝ていなかったにもかかわらず、飛行機の中では、機内でビデオを見てしまった。 1本目は、アリス・イン・ワンダーランド。 実はこの映画、劇場で観たのだが、疲れていて途中で寝てしまい内容がほとんど分からなかったので、もう一回見直すことにしたのだ。赤の女王と白の女王が姉妹であることもやっとわかり、 次はマイケル・ジャクソンの「This IS IT」。これは昨年12月に劇場で観たしDVDも持っているのだが、やっぱりマイケルが見たくて見てしまった。やっぱりマイケルの才能はなくなる直前まで、素晴らしく燃焼していたんだなぁ、とちょと涙ぐんだりして。 マイケルがなくなってからもうすぐ1年になるなんて本当に信じられない。 そして3本目が、「抱擁のかけら」。これも劇場で観ているのだが、ぺネロペ・クルーズの美しさがまた見たくなってしまい、結局3本も観てしまった。 あとで、これがとんだことの原因になるのだが。 シンガポールのチャンギ空港のターミナル1に到着。ムンバイへのトランジットまで約2時間ある。しかしムンバイ行きはターミナル3。 ターミナル3にあるのは、カタール航空など中東行きとインド行きなどターミナル1,2に比べるとマイナーなターミナルなのか。 空港内移動も時間がかかるかと思ったら、ターミナル1,2,3がコの字型に並んでいるので意外に早く移動できる。空港内のスペースも贅沢にゆったりと空間が取ってあるので、成田や羽田空港にいるようなせわしなさや圧迫感がない。 しかも、カフェやフリーのネット・サービスはもちろんのこと、空港内にホテルがあってシンガポールに入国することなく、トランジットの間、眠ることもできる。 そして2時間の待ち時間を有効に使おうと思って、むかったさきはリフレクソロジー。 多分、飛行機の中で至近距離の液晶画面で3本も映画を観てしまったせいか、やたらにかたがこっていたので、60分の全身マッサージを受けることにした。 まずまず体がほぐれて、ちょうどいい頃にムンバイへの飛行機のゲートに向かった。 シンガポールからムンバイまでは約4時間半。 席に着くと、僕のまわりはインド人の家族連ればかり。シンガポールに住んでいるインド人が、子供の夏休みで帰国するのか、よくはわからないがまずその熱気にやられてしまった。 また、全身マッサージをしたため、体内の毒素が帰って身体中に回ってしまったのか、悪寒がし冷や汗というかいやな感じに汗が出てくる。吐き気までしてきた。 やばいなぁ、インドに入国する前から体調が悪くなったら最悪だ。 どのくらい時間がたったかわからないが、トマト・ジュースをたのんでちょっと一息。しかし、夕食の匂いがしてきて、また吐き気が。 料理は、ベジタリアンかノンベジタリアンのインド料理のみ。 何か口に入れないとさらにばてると思い、「スパイシーではないほうの料理」とたのむと、ベジタリアン料理が出てきた。 サフランライスのようなお米に、マメかなにかをつぶしたものと、ヤギのチーズにたいな何かが入っている。ベジタリアンがヤギのチーズを食べるのかどうか知らないが、とにかく口に入れてみた。すると、NOTスパイシーと言ったのにやはり香辛料がきつく、のどがほってって、うぇっとなった。 しかし、僕は自分にいいきかせた。この料理はインド5000年の歴史の中で培われてきた料理で、人間の体にとってはいいものばかりのはずだ。 また、インドの香辛料は、全部自然のものからつくっていて、ケミカルなものが一切入っていないので、日本の防腐剤その他化学物質が入りまくりのコンビニ弁当より絶対に体にいいはず。 するとあら不思議、2-3口目くらいから、ちょっと食べられるようになってきた。 また、ヨーブルトともラサとも違う、薄クリーム色の液体状のものがあり、どうやって食べるかもわからないが、それをためしに香辛料入りまくりのお米にかけて食べてみると、辛さが和らいで、これが美味しいのだ。 そうやっているうちに、メインの食事はほとんど食べてしまった。 それにあら不思議、あんなに悪寒がして、吐きそうだった気分も、だいぶ良くなり、ついには体調が復活したのだ。 摩訶不思議なインド料理。 さて、空港に降り立って、なかんか出てこない荷物をピックアップして、空港の外に一歩出ると、むあ~~っとした空気が。夜の11時近くになっても気温が30度を越しているムンバイ。そして、そんな夜中に、出迎えに来ているにしては多すぎる人、人、人。出迎えとは関係なく、ただ空港に時間をつぶしに来ている人も交じっているのか? とにかく、空港の入国審査の行列でもそうだが、インド人のひと、ひと、ひと。さすが人口10億人以上の国。中国でもこんなに、何をしているのかわからない人がいっぱいいるのはあまり経験したことはない。 しかし、それでもムンバイがボンベイとまだ呼ばれていと頃に初めてやはり夜中に香港経由で降り立ったときの怖さはなかった。あの時は、空港のまわりにあまり照明がなく、真っ暗な中に顔の見分けがつかないひとひとひとだった。一応、迎えはたのんでいたが、ホテルに着くまで本当にこの人に連れて行かれて大丈夫なのかと最後まで心配していた。 その時に比べれば、今のムンバイははるかに発展していて、まあ、フィリピンのマニラの空港に降り立ったくらいの感じかもしれない。 しかし、状況はよくなったばかりではない。2-3年前、ムンバイのホテルで爆弾テロがあったように、今のムンバイはテロの標的でもあるのだ。アメリカ系のホテルが狙われやすいのは言うまでもないが、この前狙われたのは、インド系のホテル。インドと敵対するイスラム系過激派の犯行か? 僕はスラムの中にあるというアメリカ系ホテルに宿泊するのだが、やはり入口でクルマは止められ、ボンネットとトランクを開けられてチェックされた。 インドネシアのジャカルタでは、やはり爆弾テロがあった直後、クルマのトランクと、クルマの下側を鏡でチェックされたことはあるが、ボンネットを開けられたのは初めてだ。今は、自爆テロを辞さないひとがいるため、エンジンルームに爆弾をしかけて運転手もろとも吹っ飛んでしまう場合があるということか。 おそろしい21世紀。 そうやって、やっとこさムンバイに着いて、ホテルにたどり着いたのが現地時間夜中の12時近く。日本と3.5時間という中途半端な時差があるので、日本の午前3時半。 昨日の朝は4時半起きだったので、ほぼ完徹。 パソコンつないだり、i pod touchとXperiaの無線LANをつないで、メールチェックしてツイッターで返事を書いているうちにもう日本時間の5時半。 長旅の疲れを、いまからようやく癒すつもり。 ホテルにはi podをさせるようになっているスピーカーが置いてあったので、さっそくHerb Ohta Jr.の新譜をかける。 ようやく寝ることができそうだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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