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ラスタ・パスタのレレ日記

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フュージョン、AOR、ワールドMusic

2008年04月23日
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その2から 

最後の曲は、
「Cold Duck Time」
メンバー全員がラフな格好をしている中で、コーネルだけが
スーツを決めている。そして、バーのカウンター用のような背の高い椅子に半分腰掛けて演奏するスタイル。これは、まさにコーネルのスタイルであり、
いつみても、この格好と椅子の座り方は変わらない。
彼の美学か、ダンディズムか。

ベースの低音とドラムスの息が合ったリズム。
たまに、ギターとサックスがユニゾンになる。
ピアノ・ソロ。実は、彼の左手は、事故か生まれつきかわからないが、指が3本しかなかった。まるで、ジャンゴ・ラインハルトのようではないか。
しかし、ピアノの演奏を聴いていれば、指のことなんか、まったく感じさせないソウルフルなプレイ。

残念ながら、生前のリチャード・ティーのように、ゴスペルっぽく、段々両手の和音で盛り上げて行き、音楽と会場の興奮を一気に高めるような演奏はしていないが、Soul Survivorsの演奏を、よりいっそう、完成度を高くしている演奏だ。

場内は、万来の拍手。アンコールの声援。

アンコール曲は、なんと、やはりブログで紹介した、スティブ・ガッド参加の
クルセイダーズのライブでも演奏していた

「Way Back Home」

この曲は、クルセイダーズのウィルトン・フェルダー(sax)
の曲だが、コーネルとウィルトン・フェルダーはどこかで接点があるのかもしれない。ウィルトン・フェルダーも、やはり60年代にはサックスではなく、ベーシストとして、ソウル、R&B系のセッション、レコーディングに参加していたので、そんな時に二人の接点があったのかもしれない。

アンコール曲が、この曲だと分かった時の、ぼくの興奮は頂点達した。

ロニー・キューバのソロ、息のなが~~~~いブレス。

イヤオ~ウ!!

という感じで、ステージは終わった。

コーネルデュプリーの持つ二つの側面。
歌心あるギター、メロウさ
ソウルフル、ブルージー

そこに、ロニーの強力なバリトンサックスによって、ファンキーさが強まる



コーネル・デュプリーの健康状態を考えると、
早いうちに、

スティーブ・ガッドを加えた、ガッド・ギャング再結成の録音か、
スタッフ生き残りメンバーの録音

そしてライブをぜひ実現してもらいたい。
もう、こんなグルーブ体験を生で出来る機会は少ないかもしれないのだから。

ティージン中.jpg
おそらく、一番手に入れやすい、コーネル・デュプリーのCD【Teasin'】







最終更新日  2008年05月12日 13時48分00秒
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2008年04月22日

その1から

1960年代から、ソウル系、R&B系のセッションに引っ張りだこで、
アレサ・フランクリンダニー・ハザウェイクインシー・ジョーンズなど、その道の偉大なシンガーのレコードでギターを弾いている。

スタッフやガッド・ギャングで、そうしたソウル、R&B系をベースに独自のフュージョン・ミュージックを作って来たといえる。
今は無き、スタッフ時代の朋友、エリック・ゲイルは、どちらかというともう少しジャジーなギターを弾く。このふたりのいたスタッフというユニットはあらためて偉大だったと思う。

さて、「Tee」でも、ロニー・キューバーのバリトン・サックスが大活躍で、これで、コーネル・デュプリーのバンドのサウンドがソウルフルなベースの上にに、さらにファンキーな要素を付け加えている。

バリトン・サックスの咆哮するようなソロは、ほんとうに聴いているだけでぞくぞくする、破壊力がある。

3曲目は、意外な選曲だった。コーネルがMC。

「次の曲は、ジョーザヴィヌル(ウェザーリポートのリーダーで、最近亡くなった)が、キャノンボール・アダレイ(ジャズ・サックスの巨人)のために書いた曲、
<マーシー、マーシー、マーシー>

思わず、コーネルと一緒に、曲名を口に出して言ってしまったくらい、嬉しい選曲だ。

演奏は、非常に粘り強いグルーブで、
ロニー・キューバ(bs)、ピアノ、ギターのソロを存分にフィーチャーしているのだが、

そのそれぞれの職人芸のようなプレイと全体の心地よくかつファンキーなグルーブはもうたまらない。

4曲目は、ロニー・キューバがMCをした。
「スティーブ・ガッド(ds)の曲で、<My Little Brother>」

コーネルもロニーもスティーブ・ガッドのバンド「ガッド・ギャング」で演奏していたので、それにちなんだ選曲かもしれない。

この曲では、コーネルは脇役に回って、普通のギター・カッティングをしている。

主役はロニー(bs)だが、音がバカスカ動き回るバディ・ウィリアムスのドラム・ソロも見事だった。


5曲目は、MCがふたたびコーネル。

「次の曲は、Over Thirty(30歳以上の人)ならおなじみの曲だろう」と言って、曲名を教えてくれない。

しかし、聴き覚えのあるメロデディ。
歌詞が頭に浮かんできそう。「Honey」かな。。

いや違いました。60年代のヒット曲「Sunny」でした。

こうした歌モノは、やはり抜群にコーネルが上手い。
まさに、コーネルのギターが歌っている。コーネル・デュプリーの歌心というか、メロウな一面を聴かせてくれた。
ソロも、コーネル⇒ロニー⇒ピアノ⇒コーネル
と次々に展開していく。

6曲目は、「古い曲をやります」といって、いきなり始まった。
ロニーの渋く低い音域のソロに、コーネルのギターが裏に入る。
曲名は
「Honky Tonk」だった。

コーネル・デュプリーは、MCであまり多くはしゃべらないが、少ない言葉の中でも、ゆったりとした動作とともに、非常にユーモアがある。

7曲目は、

「We gonna play something.」と言ったので、

てっきり「(次に)僕たちは「ある曲」を演奏します」と言ったのだと思った。
観客の多くもそう受け止めたようで、笑い声があがる。

ところが、演奏がはじまると、それは正真正銘の
「Something」

ジョージ・ハリスンがビートルズの時に書いた曲だった。

ロマンティックなギターのメロディ、
ロニーのファンキーなバリトン・サックス。

コーネル・デュプリーとSoul Survivorsのサウンドは、

ソウルフルでファンキーなばかりではなく、ソフト&メロウでもあったのだ。
まさに、Pop、ソウル、R&B、Blues、ファンクの全てが混ざり合った音楽。
まさに、言葉の正確な意味においての「フュージョン」ミュージックだ。

その3に続く







最終更新日  2008年05月12日 13時47分42秒
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2008年04月21日
元スタッフのギタリスト、コーネル・デュプリーが来日したので、六本木ミッドタウンにある、Billboard Liveというライブ・レストランに行ってきた。

前にブログで紹介した「スタッフ」のモントレー・ジャズ・フェスティバルでの演奏の映像DVDで、抜群なグルーブを見せてくれた、コーネルの登場である。

スタッフは、すでに、もう一人のギタリスト、
エリック・ゲイルと、キーボード、ピアノの
リチャード・ティーは、すでに亡くなっているので、やはり、コーネル・デュプリーのライブは、何回も観ておきたい。


コーネル・デュプリーの演奏は、NYで、「ガッド・ギャング」のライブ、NYと東京で、コーネルのライブとして観たことがあるが、やっぱりあの、グルーブ感は、何回でも体感したいものだ。

さて、ライブ・レストランのBillboard Liveは、
表参道のBlue Note Tokyoや、丸の内のCotton Clubと同じように、ジャズを中心に、最近は、どの店も往年のソウル・ミュージックなどのライブを楽しませてくれるが、3つの中では、一番新しく、おそらく一番高いお店。

Billboard Liveが出来た時に、こけら落としで、
「スティーリー・ダン」が演奏したが、ミュージック・チャージだけで3万円ぐらいとるので、ばかばかしい、というか、ジャズ・クラブでそんな無茶な値段をとることに反抗の意志をつらぬいて見に行かなかった。

しかし、Billboard Liveは、予約と席の取り方が沢山あり、席も3フロアあって、ステージを上から見下ろせる席もあり、料理もそこそこいいので、ライブ音楽を聴く環境としては素晴らしい。

2階のフロアの席を予約した僕は、開演前からお店に入り、Dark Beer(黒ビール)を飲みながら、開演を待った。

もう、この季節だと、日が暮れるのも遅くて、開演前のステージの後ろは全面ガラスばりで、外の景色が見える。公園の緑の向こうに、高層ビルがいくつか見え、とてもいい気分だ。

開演近くに、ステージ後ろのガラス窓は、黒い幕を
おろされるのだが、

コーネル・デュプリーの「Soul Survivors」と題した、バンド・メンバーがステージに入ってきた。


ステージ後ろ、左から
キーボード、
ドラムス:バディ・ウィリアムス
ベース:
ステージ・フロント左から
ギター:コーネル・デュプリー
バリトン・サックス:ロニー・キューバ

バディ・ウィリアムス(ds)は、ボブ・ジェームス
マイルス・デイビスとの競演でも有名だし、
ロニー・キューバ(bs)は、コーネルと一緒に、スティーブ・ガッドがリーダーのバンド、ガッド・ギャングで活躍していたメンバー。

このふたりのプレイが観られるというのも楽しみのひとつ。

ところで、ステージにメンバーが入ってきて、大変なことに気がついてしまった。コーネル・デュプリーのステージは何回か見たことがあるのだが、いつもスリムでかっこよかった彼が、少し太り気味なのと、
それ以上に、鼻から管をつけて、酸素吸入器のような器具につないでいるということ。

ええぇぇ~、なにか重たい病気なのかなぁ。コーネルさんには長生きしてもらいたいのに。

バディ・ウィリアムスのどらむ・セット、バスドラの前に「サブキック・ドラム」というふた周り小さいドラムが置いてある。
バスドラを鳴らすと、一緒に高音のドラムスが鳴るようになっているのかなぁ。

さっそく1曲目がはじまった。

はじめからソウルフルな演奏。
曲のテーマが提示されてから、ロニー・キューバのバリトン・サックスのソロになる。

テナー・サックスより低い音の、サックスのうなりは、どすがきいた咆哮のようで、もうそれだけで、ソウルフル。

コーネル・デュプリーのソロに続く。
コーネルは、右手の親指と人指し指にピックを持って、ピックと、中指の両方で弦を弾いている。スタッフのDVDでは、見逃してしまった奏法だ。

中指(場合により薬指もいっしょに)は、下の弦から上の弦に向かって、別の生き物のように、前にも書いたが、まるで女性を愛撫するように、ぷるぷるぷると弦にビブラートをかけながらアップで弾いている。

そうなのか、かれの独特のソウルフルなニュアンスは、こうした右手の指の使い方に秘密があったのか。

ソロは、続いて、キーボード、ベース、ドラムスと続き、
最後に、コーネルのギターとロニー・キューバのバリトンサックスがメロディをユニゾンで、終了。

曲名は「Things Ain’t What」だった。

コーネル・デュプリーが、マイクを持ってしゃべった。
「お元気ですか」日本語である。

次に曲は、スタッフ、ガッドギャングと続いた朋友のリチャード・ティーに捧げる曲。
「Tee」

今度は、コーネル・デュプリーの左手に注目。
彼の左手は、弦を押さえる指の中で、薬指が自在に動き回り、やはりビブラートや独特のニュアンスをかけている。

よく、ギターやウクレレでは、左手の小指を制するものは、ギター(ウクレレ)を制すると言われており、例えば、やはりいぶし銀のギタリストのDvavid T. Walkerのステージを観ると、彼独特のニュアンスは、左手の小指の大活躍によってもたらされているのがわかるが、
コーネル・デュプリーは左手の薬指がキーだ。

左手の薬指と右手の中指、この組み合わせで、コーネルデュプリーは、自在な音楽を奏でている。

(その2に続く)






最終更新日  2008年05月12日 13時46分55秒
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2008年03月23日

その2から

モントル・ジャズ・フェスの会場は、アンコールの手拍子と歓声で湧き上がる。
最初は静かに聴いていた観客は、おそらく、このデビュー前のスーパー・ユニットの演奏に度肝をぬかれたに違いない。

なんとなく、ウッドストックで、サンタナがやはりレコーディング・デビュー前に登場して大歓声をあびたことを思い起こさせる。

ここまで聴いてくれば、明らかだが、スタッフは、全員がそれぞれ抜群の演奏テクニックをもっているが、そのテクをひけらかすことなく、

とにかく、全員でものすごいリズムのうねりと、グルーブ感を生み出すことを第一に考え、それに専念し、それを実行している。オレたちのグルーブを体感してくれと。

これは、よく考えれば、5人のメンバー(アルバム・デビューではドラクスのクリス・パーカーを含めて、6人のメンバー)
全員が、リズム楽器奏者であるからなし得ることなのだと思う


リード・ギターだけを弾くギタリストは、スタッフにはいない。
リチャード・ティーは右手でメロディだけを弾いたりしない。
リズミックに両手で、和音を叩きのめしながら、その音の中にメロディを浮かび上がらせているのだ。
ゴードン・エドワーズのベースは強靭なリズムを弾きながら、ベースラインが、波長の長い海の波のようなうねりを生み出し、そこにメロディさえも感じさせる。


スティーブ・ガッドが多彩なドラミングで、全員が生み出す大きな潮のようなうねりを支え、適格かつここぞ、というGスポットのようなところに拍を打ち込んでくる。

そんな唯一無二のスーパユニットだからこそ、当時最大級の人気を誇り、シーンをリードしてきたのだと思う。

全員がリズム楽器奏者、だからこそ、打ち込みリズム全盛の現代にあっても、
人間が作り出す、人間にしか作り出せない、そこに居合わせた人を全員呑み込んでしまうような、地場を生み出す音楽。
そんな彼らの演奏は今でも新鮮で、色褪せない、それどころか、ますます貴重な存在となっている。そんな風に思う。

アンコールは、ビリー・プレストンの曲で、
ジョー・コッカーの渋い歌声でも有名な
「You Are So Beautiful to Me」で、しっとりと始まる。

彼ら演奏を聴いていると、自然に歌いだしたくなるような、
逆に歌が聞こえてくるような、そんな味わいだ。

スタッフのメンバー、スタジオでひっぱりだこ、つまり歌手にとって、こんなに気持ちよく歌わせてくれるような、演奏をしてくれる連中の集まりだということがよくわかる。

誰も歌っていないのに、誰かがそこで歌っているかのような演奏。しそれは、やさしい歌声。

リチャード・ティーの演奏は、幸いにも、生前、ライブで観る(聴く)ことができたが、残念ながら、エリック・ゲイルはついに、その生の姿を観ることができなかった。いずれにしても、このメンバーでの演奏は、もう誰にも二度と見ることができないのかと思うと、感無量、だ。

再び、エドワーズのベースに導かれて、アップ・テンポの曲、
スティービー・ワンダー
「Boogie on Reggae Woman」
だ。

ここでは、ブルージーなコーネル・デュプリーのギター・ソロ。メロディを口ずさみながらソロを弾いている。そして、どちらかというと、David T. Walkerに近い、エリック・ゲイルのソロへ。

スティーブ・ガッドのドラム・ソロへ。スネアとタムえ3つ、シンバルの上を二つのスティックが動き回る。
スティーブおそバスドラおもいっき、踏んでいるからなのだと思うが、体を上下に2-3回動かして、あたらしいリズムに切り替わって、

最後は、有名な「Do It Again」

ご機嫌なサウンドが、5人全員一体となって生み出される。
DVDをみながら、おもわず一緒に身体を動かして踊りたくなる。

こんな、グルーブ、こんな音楽、もう誰も創れないだろうな。
そう思いながら、とてもハッピーは時間を過ごした。

スティーブ・ガッドもコーネル・デュプリーもまだまだ現役で頑張っているんだから、残された彼らの「今」のサウンドをなるべくライブで聴くようにしたいな。

ジャズ・フュージョンのDVDとしては異例の売れ方が続いているという

「スタッフ、ライヴ・アット・モントルー 1976」

これが、DVDは何度観ても、CDは何度聴いても飽きない。
今のところ、日本でしか発売されていない。

DVDもCDもおすすめです。







最終更新日  2008年05月12日 13時49分26秒
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2008年03月22日
その1から

では、なぜそういう俗説があったのか。

これは、おそらく、コーネル・デュプリーが右手の指で弦を弾いているのに対し、エリック・ゲイルがピックで弾いていたことによるのではないか。
ふたりとも、抜群のためとグルーブ感で、いぶし銀のプレイをするが、コーネル・デュプリーのほうがよりR&B的、エリック・ゲイルのほうが、よりクルセイダーズのようなフュージュヨン的な音を出している。

このコーネル・デュプリーの、ブルージーでちょっと湿った音と、
エリック・ゲイルの、最初の1音はアタックが強く、わりと透明感のある音を、耳だけで聴いていると、エリックのソロのほうが目だって印象に残りやすいからではないか。
デビュー・アルバムの「Stuff」では、ライブ以上にエリックのギターはジャズ的な透明感だ。

スタッフの完全なライブ映像がなたったため、ジャズ評論家たちも、かってに
エリックがソロで、コーネルがリズムときめていたふしがある。

【こちらはCD】
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スタッフ/ライヴ・アット・モントルー1976



映像をみていて面白いのは、
(これは、ぼくも実際にコーネルのプレイを何度かNYで観て知っていたのだが)弦をどちらかというと下か上へ弾く。まるで、女性の○○を愛撫するかのように中指や、特にくすり指を使って微妙なバイブレーションを生み出して絶妙なニュアンスのサウンドを作っていることだ。

エリック・ゲイルの映像で面白いのは、彼のギターは、ピックがあたる普通ピックガードが付いている位置ではなく、弦を弾く時にギターのボディにあてて手をささえる支点になる小指の位置にあるボディがはげていることだ

これは、ソロを弾く時手の位置と、カッティングする時の手の位置が違うためである。こういうことは、映像を見なければわからないところであり、面白みでもある。
ゴードン・エドワーズのベースのリズムが突然変わり、


2曲目、スティービー・ワンダー
「Signed, Sealed, Delivered I’m Yours」の演奏に入る。

モントルー・ジャズ・フェスティバルのライブ演奏はCD盤も今回初めて発売されたのだが、CDを聴いているときは、これは曲の合間を縮めて編集しているんだろうと思ったていたのだが、ライブ映像を観ると、本当にそういうリズムの変化をエドワーズが牽引して次の曲にぐんぐん入っていくのが分かる。

MCはまったくなく、曲と曲の切れ目もない。ワンステージ、ずっと弾きっぱなしなのだ。
とにかく演奏の質の高さを聴いて、グルーブ感を体感してほしい、余計な演出は一切いらない、という彼らのプロ意識、職人気質を反映していると思う。



ゴードン・エドワーズは、最初、椅子に座って演奏している、2人のギタリストが立っているにもかかわらず。しかし、すわりながらみ体を大きく揺すり、動かし、
結局は立って演奏することになるのだが。
エドワーズがリーダーだというのは、映像をみて一層はっきりする。

次のスティーブ・ガッドのドラム・ソロでは、
彼の後ろ上からカメラが撮っていて、

スネアと3つのタムのちょうど真ん中にカウベルが置いてあり、
ドラム・ソロの中盤から変幻自在に連打するカウベルは、こういう位置に置いてあるからたたけるのだ、というのがわかる。


俗説その2:リチャード・ティーは左手のオクターブで強烈なゴスペル的なリズムを出す。

これは、4曲目の「Stuff’s Stuff」でスティブ・ガッドに続いてピアのでリズム・ソロをとるリチャード・ティーの演奏を観れば、一目で分かる。
彼は、両手で、時には、両手ともオクターブ和音をリズミックに叩いて、グルーブ感いっぱいでありながら、メロディアスなソロを弾いているのだ。

そして、誰でも聴けば一発で、リチャード・ティーとわかる唯一無二のサウンドをクリエイトしている。


5曲目は、Earth, Wind & Fire
「That’s The Way of The World」

リチャード・ティーのピアノは一層、メロデイアスに
エリック・ゲイルのソロ・ギターはより艶っぽく繊細に、

この2人のメンバーがすでにこの世にいない、というのが信じられないというか、ちょっと寂しい、だからこそ貴重な演奏が繰り広げられる


6曲目は、デイブ・メイソン「Feelin’ Alright」

この曲では、まずエリック・ゲールがソロをとり、そのあとコーネル・デュプリーがソロをとる。そしてまた、エリックがソロを弾く。

ツイン・リード&リズム・ギターの魅力爆発だ。
立ち上がって演奏するゴードン・エドワーズののりのりの動き。
ハイライトでの、エリック・ゲイルの激しいトレモロ・ソロ。

ドラムス、ベース、ピアノの一体感のあるリズムのうねり。そこにふたりのギタリストのためのあるいぶし銀のプレイ。これは、聴いたらもう、カッコよくて気持ちよくて、やみつきになる


ほかにも聴きどころ、観どころ満載だが、


8曲目、「Oh Happy Day」では、女性のゴスペル歌手が登場。
リチャード・ティーをピアノをフィーチャーし、演奏は切れ目なく、「Ode to Stuff」に続き、エリック・ゲイルのギター・ソロへ、

そして、ゴードン・エドワーズのベースがリズムを変化させ、
10曲目、スタッフのオリジナル曲
「How Long Will It Last」へとなだれ込む。そオして、スティブ・ガッドとゴードン・エドワーズが突然リズムを転換させ、ステージを終わる。

(その3に続く)






最終更新日  2008年05月12日 13時48分54秒
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2008年03月21日

スーパー・グループ、スタッフのデビュー直前の1976年2月の
スイスのモントルー・ジャズ・フェスティバルでのライブが世界で初めて映像化されたDVD。

個々のメンバーが、R&Bやロック、フュージョンのツアー・メンバーとして映像化されたものを部分的に観ることはあったが、スタッフとしてのライブ映像は初めて観た。

しかも、当面、日本でしか発売されないというから、これはもう即ゲットだろう!
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いわゆるフュージョンといわれる音楽は、いろいろな源流からさまざまな動きが出てくる中で、いつの間にか、1970年代後半から、全体としておおきな流れになっていくのだが、ジャズ評論家は、この事実をあまりみとめたがらない。

フュージョンの源流のひとつに、マイルス・デイヴィスが、いわゆるエレクロリック楽器を大胆に導入していくなかで、マイルス・バンドのメンバー達が、その後、独立して、それぞれがフュージョンの重要なグループを生み出していった、というのは事実だ。

例えば、マイルス・バンドにほぼ同時期に在籍していた、

ジョー・ザヴィヌル(key, p)とウェイン・ショーター(sax)は、
ウェザー・リポートを結成

チック・コリア(key, p)は
リターン・トゥ・フォーエバーを、

ハービー・ハンコック(key, p)は
ヘッドハンターズ

ジョン・マクラフリン(g)は
マハヴィシュヌ・オーケストラ

トニー・ウィリアムス(ds)は、
ライフタイム、ニュー・ライフタイム

結成し、その後の音楽シーンに大きな影響をおよぼした。
マイルス門下生たちが、これだけ活発な活動をしてシーンを引っ張ったというのは驚くべきことだ。

しかし、やがてフュージョンのと呼ばれるようになる音楽は、決してマイルスの子供たち、ジャズを源流にもつミュージシャンからだけで創られていったわけではない。

別の流れ、その代表格が「スタッフ」だ。

彼らは、もともとR&B、ソウル、ロックなどあらゆるタイプの音楽のスタジオ・ミュージシャン達が集まったグループだ。

どんな状況にも、どんなミュージシャンの要求にも、いかようにも、柔軟に対応してスタジオの中で、レコーディングという形で、音楽を仕上げていく、いわば音楽の職人・達人たちだ。

そうした彼らが、スタジオ・ワークでは飽き足らずに、週末、NYのジャズ・クラブ、特にミケールズというお店で、ゴードン・エドワーズというベーシスとを中心に集まり、自分たちの好きな音楽を、好きなように演奏するジャム・セッションを明け方までくりいろげていた

それが、スタッフのはじまりだ。
そして、1976年に「スタッフ」というアルバムで衝撃のデビューを飾る前に、
モントルー・ジャズ・フェスティバルで演奏した映像がこのDVDだ。

面白いことに、NYのセッション・ミュージシャン、スタジオ・ミュージシャンたちは、「Stuff」というフュージョン・グループを作った。

一方、LAのスタジオ・ミュージシャンたちは、その2年後
「TOTO」というロック・バンドを結成した。

このNYとLAの違いはどうしてだろう。興味あるところだ。


さて、そのスタッフ、モントルー・ジャズ・フェスティバルでのメンバーは、

ゴードン・エドワード(ベース)
リチャード・ティー(キーボード)
スティーヴ・ガッド(ドラムス)
コーネル・デュプリー(ギター)
エディ・ゴメス(ベース)

の5名
デビュー・アルバム「スタッフ」では、ドラムスの
クリス・パーカーがいて6名編成。しかも、ミケールズの週末深夜には、クリスパーカーのほうが先にメンバーで、スティーブ・ガッドはあとから加入したらしいので、このライブでは、なぜスティーブ・ガッドしかいないのかは不明。


ライブは、MCのメンバー紹介があってすぐに、

まずゴードン・エドワーズのベースとスティーブ・ガッドのシンバル音から始まり、コーネル・デュプリーのギターがまず先にメロディを弾き、
エリック・ゲイルがバッキング。

このDVDを観ていると、さまざまなスタッフに関する俗説、評論家の推測論が嘘であるのがよくわかる。。

俗説その1:エリック・ゲイルがリード・ギター中心で、コーネル・デュプリーがリズム・ギター、という説。

この俗説は最初のオリジナル曲
「Foots」という曲で、まっさきに嘘とばれる。
コーネル・デュプリーとエリック・ゲイルは、交互にリードをとることのほうが普通なのだ。

(その2に続く)







最終更新日  2008年05月12日 13時48分26秒
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2007年09月15日
ウェザーリポートのリーダーだった、ジョー・ザヴィヌルがなくなった。
2007年9月11日。享年75歳。ウィーンの病院で。
皮膚がんだったようだ。

信じられない。本当に信じられない。

昨年の8月に「ザヴィヌル・シンジケート」として来日、元気な姿を見せていたのに。


モーリシャス出身のリンレイ・マルトというスーパー・ベーシストに

ブラジル出身のパーカッショニストとギタリスト
NYブルックリン出身の凄腕ドラムス、ナサニエル・タウンスレー
に加え、

モロッコのマラケシからパーカッション&ボーカルのアジス・サマウイを引き連れて。

イスラム圏からはじめてのミュージシャンを加えた、ユニットは、アフリカ、ブラジル、NY,モロッコと、世界中のアーティストが渾然一体となってものすごい音楽を創造していたし、その音楽は、もともと、
ジョー・ザヴィヌルの頭の中に鳴り響いている、真の世界音楽を、理想郷としての音楽を表現したもので、その表現力が、ますます進歩していた、と思っていたからだ。


マイルス門下生でもあった、ジョー・ザヴィヌルは、

天才ウェイン・ショーター(sax)
奇才ミロスラフ・ビトウス (ベース)

を中心にウェザーリポートを結成。デビューアルバム「ウェザー・リポート」を1971年に発表。

この時は、ウェザー・リポートはトライアングルなユニットと思われていた。
しかし、ミロスラフ・ビトウスが脱退すると、バンドはジョー・ザヴィヌルと
ウェイン・ショーターの双頭バンドとされる。

ベースの革命児ジャコ・パストリアスが参加すると、ふたたびトライアングル・ユニットといわれることもあった。

しかし、ぼくは断じて、その説には乗らない。
ジョー・ザヴィヌルなくして、ウェザー・リポートは生まれなかったし、最後まで進化し続けたジャズ史上最高のコンボ(バンド)になれなかったと思う。

それは、ジョー・ザヴィヌルが類まれな、音楽の構築力の才能があり、

ピアニスト&シンセ・サイザー奏者としてだけではなく、
作曲家としてだけではなく
ステージの上では、世界最小のオーケストラの指揮者として、

大きな構造をもつ音楽と、ジャズの本質であるインプロビゼーションを見事なまでに、極限まで追求し、緊張感あるふれる「音楽の場」を生み出していたからである。

ウェザー・リポートは、最初から最後まで、ジョー・ザヴィヌルがリーダーである世界最強のユニットだったのだと思う。

この音楽の構築力は、もしかしたら、彼がクラシック音楽の都、ウィーン出身だったことが影響しているかもしれない。

しかし、アメリカに、NYに移り住んだジョー・ザヴィヌルは、どんよくに世界中の音楽を吸収し、みずからの理想とする世界音楽、(まだワールドミュージックという言葉がない頃から)をクリエイトし続けてきたのに違いない。

昨年の来日ライブでは、少し太りすぎの感じもしたが、ステージ上で鋭くメンバーに指示するしぐさは、昔と変らなかったので、まさか、こんなに早く彼がなくなるとは思っても見なかった。

もう、彼が追い求めていた、理想郷の音楽、真のワールドミュージックを聴くことは出来ないのだろうか、と思うと、愕然とする。
彼のますますの活躍を期待していただけに。
ジョー・ザヴィヌルは、若き才能あふれるミュージシャンを発掘する才能にもめぐまれていた。

ベーシストでは、いわずと知れた、
ジャコ・パストリアス
ヴィクター・ベイリー
リチャード・ボナ
そして昨年来日時も同行した
リンレイ・マルト

ドラムスでは、
ピーター・アースキン
オマー・ハキム
昨年同行した
ナサニエル・タウンスレー


朋友ウェイン・ショーターには敬意を持っていたようで、
ウェザー・リポートが解散してから

ウェザー・アップデイト
ザヴィヌル・シンジケート

というユニットでは、サックス・プレイヤーをフィーチャーせず、

ギタリストを使っていた。


ウェザーリポートは、ジャズの歴史を動かしたとともに、
ロックの世界にも少なからず影響をあたえた。

そして、ぼくは、ロックの世界から、ウェザーリポートを通して、ジャズの世界へ、ワールド・ミュージックの世界へ導かれていった。
まさに、ジョー・ザヴィヌルは、ぼくのMy HEROのひとりであった。

彼の現代のポピュラー音楽全体に与えた影響は、はかりしれないものがある。

ウィーンからNYに渡った、若きジョー・ザヴィヌルは、
ふたたび、ウィーンの地に戻って、息をひきとった。

彼の残した膨大な音楽遺産を多くのアーティストが継承していくと思う。

いまはただ、やすらかにねむってほしい。
ご冥福をお祈りします。


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最終更新日  2007年09月23日 07時44分01秒
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2007年08月26日
テーマ:Jazz(1701)
邦題が『ニューポートの追憶』。今、なぜハービーのこのアルバムを紹介したいか。

このアルバムは、1976年、ニューヨークで開催された「ニューポート・ジャズ・フェスティバル」で、6月29日、「Retrospective of The Music of Herbie Hancock」と題された、ハービー・ハンコックのさまざまなグループ(ユニット)で演奏されたライブを収録したものだ。

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ハービー・ハンコックは、みなさんよくご存知のように、

マイルス・デイビスのバンドに在籍し、
マイルスの『ビッチェス・ブリュー』では、
チック・コリア、ジョーザビヌル、と後のジャズ・フュージョン・シーンを引っ張っていく3人のピアノ・キーボード奏者のひとりとしてレコーディングしており、

マイルス・バンドでの活躍以外にも

リーダー・アルバムとして
『処女航海』(1965年)などの名盤を残し
1973年には、のちのジャズ・ファンクの道を切り開く
『ヘッドハンターズ』を発表。いまでも、うねうねのファンクは新鮮であり、ジャズのみならず、R&B、ファンク界の後進のアーティストに影響を与えている。

正統派的ジャズを演奏する一方で、
常に、時代の変化に敏感で、

ディスコ・サウンド全盛期には
『フィーツ』(1978年)などの作品で、ボイス・ボコーダーで歌まで歌い、ダンス・ミュージックとしては非常にレベルの高いアルバムを録音している。
1979年には『ミスター・ハンズ』で、ジャコ・パストリアス(b)とも共演

チック・コリアとのピアノ・デュオのライブ・アルバム(1978年)で、ジャズ・ピアノのアドリブの妙を表現したかと思うと、

Hip-Hopの時代には、ビル・ラズウェルと組み、
『Future Shock』(1983年)を発表。ハービー・ハンコックの考えるHip Hopを表現、音楽界に衝撃を与えたとともに、大ヒットした。

さらに、1994年には『Dis Is Da Drum』で、ジャズ、ファンク、Hip Hopに加え、アフリカン・リズム、ポリリズムを大胆に導入したサウンドを生み出すなど、

つねに、ジャズ・シーンの先頭に立ち、マルチな才能を発揮し、時代をリードしてきたジャズ・ミュージシャンです。


そのハービー・ハンコックが早い時代から、マルチな才能で、全く違うフォーマットの音楽を、それでもジャズというアドリブや即興性の音楽の上に成立させてきた、ごく最初の頃のライブ盤として、

『V.S.O.P.~ニューポートの追憶』を紹介したいのです。

ジャズ・フェズでのライブ演奏に準じて、2枚のディスクに3組のユニットでの演奏が収められています。

最初は、V.S.O.P.の演奏。

「V.S.O.P.」とは、みなさんよくご存知のごとく、
「Very Special One time Performance(1回限りの演奏)」の略語。このジャズ・フェスだけのために組まれたユニットでしたが、あまりの評判のよさに、その後何年も、このユニットで世界中で演奏することとなります。

メンバーは
 
ハービー・ハンコック(エレクトリック・ピアノ)
フレディ・ハバード(tp)
ウェイン・ショーター(ts、ss)
ロン・カーター(b)
トニー・ウイリアムス(ds)

最初、ハービーは、マイルス・ディビスに参加してもらいたいと考えていたようですが、マイルスは、当時、手術して病気が回復途中であり、もう1年近くトランペットを吹いていなかったので選ばれたのが、フレディ・ハバート。

他のメンバーは全員、マイルスの門下生。

演奏曲は
【Disc 1】
1. Piano Introduction
2. Maiden Voyage (処女航海)
3. Nefertiti (ネフェルティティ)
4. Introduction of Players/Eye of the Hurricane

2と4は、ハービーのリーダー・アルバム『処女航海』(1965年)から
3は、ウェイン・ショーター作。

ハービーの幻想的なピアノのイントロから、ベース、ドラムスのリズム、
そして有名な『処女航海』のメロディがハバートのトランペットとショーターのテナーサックスから紡ぎだされる。

トニー・ウィリアムスのドラムスは、例のごとく機関銃のような重戦車タイプなので、ロン・カーターもぐいぐい前に押し進むような演奏。
フレディー・ハバートは、マイルスと違って、ばりばりトランペットを吹きまくり、ショーターは天才的フレージングを繰り出す。

ストレート・アヘッドなジャズだけれども、かなり激しく、
当時、ジャズ・フュージョンの台頭の中で、こういうジャズの演奏はかえって新鮮にうつった。


そして、この「V.S.O.P.」のクインテットは、来日もし、今は無き「田園コロシアム」で伝説のライブも繰り広げた。
ぼくは、FMラジオで、その伝説のライブを聴いた覚えがある。

さて、

【Disc 2】
では、2つのユニットの演奏が収められている。

ひとつは、

ハービー・ハンコック(ep, Key)
エディ・ヘンダーソン(tp、フリューゲルホーン)
ベニー・モウピン(fl)
ジュリアン・プリースター(tb)
バスター・ウイリアムス(b)
ビリー・ハート(ds)

演奏曲は
5. Toys
6. Introductions
7. You'll Know When You Get There

このユニットは、ハービーの当時のレギュラー・ユニットだったらしく
1973年のハービーのリーダー作『Sextant』と、メンバーが一致する。
ドラムスのビリー・ハートは、ロンドンでスタン・ゲッツと共演して、すぐにNYに飛び、6月29日に、リハーサルと本番をこなして、その日のうちにまた、ロンドンへ戻るという離れ業をやったらしい。

ジャズ・ユニットで、スペーシーなエディ・ヘンダーソンのトランペット、ベニー・モウピンのフルートなどがフィーチャーされる一方、バスター・ウィリアムスのベースがとても強力で、R&B、ファンク的要素をはらんでおり、刺激的な演奏である。

なお、演奏曲の
『Toys』は、アルバム「Speak Like A Child」(1968年)から、
『You'll Know When You Get There』は、「Mwandishi」(1970年)から、
いづれも、ハービーのオリジナル曲である。

第3部
【Disc 2】
のもうひとつのユニットは、

ハービー・ハンコック(ep、key, シンセ)
ベニー・モウピン(ss、ts、Lyricon)/
ワゥ・ワゥ・ワトソン(g)
レイ・パーカーJr.(g)
ポール・ジャクソン(b)
ジェームス・レヴィ(ds)
ケネス・ナッシュ(per)

で、やっている音楽は、まさに1973年の歴史的名盤
『ヘッドハンターズ』の世界なのだが、メンバー的には、
1976年にハービーが発表した『Secrets』の録音メンバーと一致する。

ベニー・モーピン(ts, ss)、ポール・ジャクソン(b)は、ヘッドハンターズの録音メンバーと一緒だが、
ワゥ・ワゥ・ワトソン(g)とレイ・パーカーJr.(g)の二人のギタリストを配して、左右で強力なリズム・ギターを弾かせ、うねうねファンク・サウンドがさらに磨きがかかっている。

ぼくも、このアルバムをアナログ・レコードで聴いていた時は、まだジャズそのものよりも、ジャズ・フュージョンへの興味が強く、この3番目のユニットでの演奏ばっかり聴いていた記憶がある。

なお、演奏曲は

8.『Hang Up Your Hang Ups』は、
アルバム「Man-child」(1975年)収録

9.『Spider』は、
アルバム「Secrets」(1976年)収録で、いづれもハービーの作品。

しかし、今、こうしてこのアルバムをCDで聴いてみると、3つ目のユニットだけではなく、全ユニットの演奏が、相当のテンションと迫力で演奏されており、やはりジャズ・フェスでの歴史的名演奏であったことがわかる。

そして、音楽の多様性、幅の広さ、異質の音楽がぶつかった時に生み出されるエネルギーが好きなぼくにとっては、たまらない魅力をたたえた演奏であると、今でもいえる。

そして、トニー・ウィリアムスが亡き今
ドラムスがやはり、マイルス・バンドでトニーの後釜となった、ジャック・デジョネットとなって、

ハービー・ハンコック(p, key)
ウェイン・ショーター(ts.as.ss)
ロン・カーター(b)
ジャック・デジョネット(ds)

の布陣で、この秋、 「THE QUARTET」として来日する。伝説の「V.S.O.P.」の再演か。奇跡の復活か。

今から、楽しみである。









最終更新日  2007年09月19日 11時13分02秒
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2007年08月22日
テーマ:Jazz(1701)
『make someone happy』彼女の2枚目のCDを最初に聴いたときの印象。

それは、ジャズ・ボーカルというより、80年代後半、突然現れた、シャーデーヴィクター・ラズロのような感じだ。

ハスキー・ボイス、甘美でけだるく、アンニュイ。どこか神秘的。

録音当時で23歳。今でも24歳。

とてもそんな若さから生み出されたとは思えない、ある種の大人の雰囲気。

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ロシアに生まれ、イスラエルに移住、しかしそこも安住の地ではなくカナダにたどり着いた。

ユダヤ系の彼女の生い立ちが、どこまで彼女の音楽に影響を与えているのかはわからない。しかし、
彼女の音楽が、インターナショナルでエキゾチック、どこかヨーロッパ的な憂いと耽美さをたたえているのはそのせいかもしいれない

音楽も、どこかレトロ調の懐かしさを感じさせる曲が多い。
そのほか、ボサノバ、スティービー・ワンダーやロック・バンドのゲス・フーのカヴァー。昔のミュージカル・ナンバーをさらりと歌う。

バックの演奏も、アメリカのジャズのように濃い演奏はしない。
ヨーロッパのジャズ・コンボを中心に、あっさりめのジャズは、いまのひとつの潮流か。

しかし、そんな演奏よりも、彼女のボーカルの存在感が際立っている。
くせになる声。魅惑。

CDジャケットからもわかるように、すごい美人。
実は、これでも写真写りが悪いそうで、実物はもっと凄い美人だとか。

こんな彼女の声を耳元でささやかれたら、どうしよう。
ピロー・トーク。
真夏の夜に、つい、へんな想像をしてしまう。

一度聴いたら癖になる歌声だ。最初の3曲で完全にノック・アウト。
とにかく、聴いてみてください。

オススメ。








最終更新日  2007年09月19日 11時12分01秒
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2007年08月20日
MJQ(マンハッタン・ジャズ・クインテット)をバックに、平賀マリカがバート・バカラックの名曲を歌う『クロス・トゥ・バカラック』が出た。

ぼくはこのCDを

1.バート・バカラックの多彩な音楽を聴きたかった
2. デヴィッド・マシューズの絶妙なアレンジとMJQのスウィング感あふれる演奏が聴きたかった。
3.平賀マリカがバカラックをどう歌いこなすかが聴きたかった。

という順序の理由で、買った。

バート・バカラックの音楽が親しみやすく素敵なメロディであることは分かっていたし、MJQの素晴らしさについては、今までもブログに書いているので、よくわかっていた。

しかし、CDを聴きこむにつれて、平賀マリカの歌のうまさがじわりと分かってきた。

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収録曲は

01. Raindrops Keep Falling On My Head
02. Do You Know The Way To San Jose
03. Alfie
04. The Look Of Love
05. What The World Needs Now Is Love
06. (They Long To Be)Close To You
07. Wives And Lovers
08. A House Is Not A Home
09. Arthur’s Theme
(Best That You Can Do)
10. God Give Me Strength
11. I’ll Never Fall In Love Again
12. This Guy’s In Love With You
13. That’s What Friends Are For


バカラックの代表曲がならぶ。

MJQのメンバーは、おなじみの

デヴィット・マシューズ(ピアノ、アレンジ)
ルー・ソロフ(トランペット)
アンディ・シュナイザー(テナー・サックス)
チャーネット・モフェット(ベース)
ヴィクター・ルイス(ドラムス)

1曲目の『雨にむれても』は、言うまでもなく映画のテーマ曲。

しかし、イントロからMJQの演奏がひかり、ベースとハイハットのリズムに導かれて、平賀が歌いだすその曲は、オリジナルよりぐっとスウィング感を増した演奏。

2曲目の『サンホセへの道』は、バカラックの曲を数多く歌っている
ディオンヌ・ワーウィックの歌。一聴すると、かわったリズムから曲がはじまるが、平賀がおなじみのメロディを歌いだすと、「ああ、あの曲か」という親しみがわいてくる。オリジナルより少しはやいテンポで歌われる。

MJQ(マンハッタン・ジャズ・クインテット)でも、MJO(マンハッタン・ジャズ・オーケストラ)でも、デヴィッド・マシューズの右腕的存在のルー・ソロフのトランペット・ソロがはじまる。

MJQなどでの鋭く炸裂音がはじけるトランペット・ソロは、いつもの強烈さをひかえめにして、あくまで歌伴としてのソロを渋く決める。

テナー・サックスのソロのあと、平賀のスキャットとホーンセクションのからみが、息がぴったりだ。

実は、今回の『クロス・トゥ・バカラック』、バカラックを歌うにあたって、MJQと共演したいというのは、平賀から熱望して実現したのだという。

平賀は、バカラックの曲を非常によく研究しただけではなく、NYでのレコーディングに先立って、デヴィッド・マシューズがおくってくるデモテープをベースに、何回もじっくりと打ち合わせを重ねたらしい。

まったくはじめて組むのに、平賀マリカのボーカルとMJQの演奏の息がぴったりなのは、その事前のスリあわせが非常に有効だったのかもしれない。

3曲目の『アルフィー』は、ゆったりとしたリズムで歌われるが、それだけに
平賀マリカの歌唱力が問われる。しかし、聴きこめば聴きこむほど、彼女の歌の上手さが分かってくる。

日本のジャズ・ボーカルは、自分のことを棚に上げて言えば、
英語の発音が不自然だったり、へんな歌いこみの仕方(英語の自然な発音を知らないために、へんなところで力んだりする)のことが多くて、気持ち悪くて、CDを買うのをやめてしまうことも多いのだが、平賀マリカは、ノン・ネイティブ・スピーカーとしては、十分に英語の歌詞を消化して歌っていて気持ちがいい。

4曲目の『The Look Of Love』は、
ダイアナ・クラールのカヴァーが最近では人気だが、平賀は、丁寧にこの歌を歌うことによって、しっかり自分のものにしている。MJQのゆっくりとした演奏と、たゆたゆい、ホーンズのソロも雰囲気を出している。

5曲目の『世界は愛をもとめている』
ディオンヌ・ワーウィックのオリジナルより、かなりテンポが早く、4ビートで歌う。
デヴィッド・マシューズのアレンジがひかる。
ベースとドラムスのどんどん前に進んでいくらズム。
ルー・ソロフのトランペット・ソロはいい味を出しているし、続くテナー・サックスのソロ、と、このCDが単なる、「バカラック」ものではなく、ジャズ・ボーカルものとして楽しめることを如実に表している。

平賀マリカがときどき声をはりあげるところは、ちょっとマリーンの声を連想させ、興味深い。


6曲目の
『クロス・トゥー・ユー(遥かなる影)』は、
カーペンターズのバージョンが一番有名だが、バックのホーン・アレンジとともに、オリジナルとは違った味わいの平賀マリカのバージョンとして成立しているし、楽しめる。

最近は、北欧、ヨーロッパの女性ジャズ・ボーカリストの影響で、ささやくように、あっさり歌う日本のジャズ・ボーカリストも増えているが、
平賀マリカは、へんにねちっこくもなければ、へんにあっさりとも歌っておらず、非常に適度な聴きやすいボーカル。
MJQの演奏も、ジャズとして濃すぎることもなく、かといって、しっかりとジャズのスィング感をきちっと出している。

このへんのバランスが、このCDの魅力かもしれない。

8曲目の『A House Is Not A Home』は、
ぼくは、ルーサー・ヴァンドロスのヴァージョンが一番好きで、彼のヴァージョンを最初に聴いたせいもある。
ルーサー・ヴァンドロスはこの曲のほかにも、生前、スティービー・ワンダーのマイナーな曲など、いくつもの名カヴァーを残しており、オリジナルが誰であっても、もともとルーサーの歌であったかのごとく、素晴らしく自分の歌にしてしまったので、彼のヴァージョンは別格としておくとしても、


バカラックの曲は、聴くひとには親しみやすくメロディが分かりやすく楽しいものが多いのだが、この曲は、聴いただけでも、歌いこなすのが非常に難しいと思う。それでも、この難しい歌をよく平賀マリカが歌いこなしていると感心する。

また、全体に言えることだが、平賀マリカがコメントしているが、バカラックの曲は、親しみやすさとはうらはらに、変拍子や、奇数の小節で構成されているなど、実は歌う側にはそうとうに難しい曲らしい。うまく歌いこなすのにかなり苦労したらしいが、そんな気配をちっとも感じさせないところも、なかなかだ。

9曲目の
『アーサーズ・テーマ(ニューヨーク・シティ・セレナーデ)』

クリストファー・クロスで有名なこの曲、ぼくはバカラックとの共作とは知らなかった。バカラックの音楽の幅広さを如実に示しているいい例だ。

クリストファー・クロスが歌うオリジナルはAORの名曲として、ファンに愛されているが、平賀マリカとMJQのヴァージョンは、ゆったりしたスウィング感で、ベース・ソロもフィーチャーした演奏で、
クリストファー・クロスのAOR版とはまた違った、NYらしさを感じさせてくれる。

11曲目の『恋よさよなら』も、ディオンヌ・ワーウィックのオリジナルが有名だが、オリジナルの印象が強い曲には、デヴィッド・マシューズがこったアレンジをして、MJQ版をきわだたせているのではないかと思う。

おもしろいリズムではじまった曲を、おなじみのメロディが出てくると、途中でリズムが4ビートになり、トランペット、テナーサックスのソロもフィーチャーし、平賀マリカとMJQが一体となっていく。
デヴィッド・マシューズのアレンジの妙が光る。
この曲も、エンディングちかくで、平賀マリカが歌い上げるが、ここでも、ディオンヌ・ワーウィックとはまた違った、彼女の歌の上手さがわかる。


12曲目の『ディス・ガイズ』
ハープ・アルバートのために書かれた、おなじみのメロディの曲だが、
♪あなたが恋しているのが、この私でないのなら、わたしはきっと死んでしまうわ♪という、実は歌詞の内容は過激な曲を、
平賀の歌はしっとり歌う。

テナー・サックスのソロも味わい深い。

13曲目の『愛のハーモニー』この曲も、ぼくはバカラックの曲だとは知らなかった。
アメリカで、NYで、AIDSの問題が大きくなり、HIVへの関心が高まる中、不安やAIDSと闘う人たちへの励ましの歌でありチャリティ・ソングだったと思うのだが、

ディオンヌ・ワーウィック
グラディス・ナイト
スティービー・ワンダー
エルトン・ジョン


の4人の素晴らしい熱唱の連携の歌として、NYで当時さかんに、ミュージック・ビデオで放映されていた。

♪Keep Smiling, Keep Shining…
That are friends are for♪

「(どんなに困難な時も)
ほほ笑み続けて、輝き続けて。
いつだって私をあてにしていいよの
だって、それが友達だもの」

社会問題に絶妙のタイミングであらわれたミュージック・ビデオだったが、オリジナルはロッド・スチュアートが歌っていたらしい。

ここでまた、バカラックの音楽性の幅広さに驚くとともに、それを気負いなく歌っている平賀マリカにも感心した。

ジャズ・ボーカルものとして平賀マリカの歌を楽しみ
デヴィッド・マシューズの絶妙のアレンジとスウィング感あふれるMJQの演奏を楽しむため、
そして、バート・バカラックの音楽性の高さをあらためて味わうものとして、

オススメしたい1枚である。







最終更新日  2008年02月19日 10時26分47秒
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