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カテゴリ:明日を開く命の言
学者たちはその星を見て喜びにあふれた。 マタイ2:10
いつのころだったか、牧師であり神学者であった佐藤敏夫先生のクリスマスの話を聞いた。 佐藤先生は20代のはじめ太平洋戦争で南方に派遣され、厳しい軍事訓練の毎日で心身ともに へとへとに疲れ果てていた。その日も一日の厳しい訓練を経て、上官の革靴を磨いていた。そ の時ふと、「あ、明日はもうクリスマスだ!」と思い出した。緊張の毎日でクリスマスのこと も忘れていたのである。「明日はクリスマスだ。そうだ、主イエスがこの世に来てくださった のだ。」クリスチャンの彼には、クリスマスの意味がよくわかっていた。その時、今まで生き てゆくことの苦悩や不条理、悲しみや苦しみといったもので心がいっぱいだったのに、それら の越えて不思議な喜びが起こってきた。その「クリスマスの喜び」は、まさに魂の深みから起 って来るすべてをつつむ喜びだった。そして、敗戦。命かながら生き延びて日本に帰ってき た。戦後、平和な時代がやってきた。そして牧師となった彼は教会でクリスマスの礼拝と共に 祝会も守るようになった。しかし、楽しいクリスマスはしっくりゆかなかった。クリスマス、 本当のクリスマスはこのように浮かれたものではない。罪と死に支配されているかに見える人 間の存在そのものをもっとも深いところで支える深い喜びそのものである。でも、楽しそうに している子供たちや教会員の姿を見て、彼は語った。「楽しみさえもある、喜びのクリスマ ス」と。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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