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カテゴリ:02 知財活動 どのレベルですか?
こんちくは。
「知財活動 どのレベルですか?」の「特許出願はしたが、特許を取得することが難しい。(レベル4 その14)」についてです。 差異化へ、身につけるべき視点の参考にしてください。 前回 次回 (あなた)「前回までは、新規性(特許法第29条第1項各号)、拡大された範囲の先願(特許法第29条の2)の判断手法だったけれども、先願主義(特許法第39条)は?」 (私)「拡大された範囲の先願(特許法第29条の2)と先願主義(特許法第39条)ですが、同一の判断について、審査基準には、以下のように記載されています。 ---------- ・29条の2 「請求項に係る発明が他の出願の当初明細書等に記載された発明又は考案と同一」とは、請求項に係る発明の発明特定事項と他の出願の当初明細書等に記載された発明又は考案(以下、「引用発明」という。)の発明を特定するための事項とに相違点がない場合、又は相違点はあるがそれが課題解決のための具体化手段における微差である場合(実質同一)をいう。 ----- ・39条 出願日が異なる場合における請求項に係る発明どうしが同一か否かの判断手法 (1)後願の請求項に係る発明(以下「後願発明」という。)の発明特定事項と先願の請求項に係る発明(以下「先願発明」という。)の発明特定事項に相違点がない場合は、両者は同一である。 (2)両者の発明特定事項に相違点がある場合であっても、以下の(A)~(C)に該当する場合(実質同一)は同一とする。 (A) 後願発明の発明特定事項が、先願発明の発明特定事項に対して周知技術、慣用技術(注1)の付加、削除、転換等を施したものに相当し、かつ、新たな効果を奏するものではない場合 (B) 後願発明において下位概念である先願発明の発明特定事項を上位概念(注2)として表現したことによる差異である場合 (C) 後願発明と先願発明とが単なるカテゴリー表現上の差異である場合 (注1)「周知技術」とは、その技術分野において一般的に知られている技術であって、例えば、これに関し相当多数の公知文献が存在し、又は業界に知れわたり、あるいは例示する必要がない程よく知られている技術をいい、また、「慣用技術」とは、周知技術であって、かつ、よく用いられている技術をいう。 (注2)「上位概念」とは、同族的若しくは同類的事項を集めて総括した概念、又は、ある共通する性質に基づいて複数の事項を総括した概念をいう。 ---------- つまり、両方とも、「実質同一」という概念を用います。」 (あなた)「でも、その判断の手法が違う?」 (私)「そうなんですね。 拡大された範囲の先願(29条の2)では、「相違点がそれが課題解決のための具体化手段における微差である場合」。 先願主義(特許法第39条)では、3つの場合(周知・慣用技術の付加等で、新たな効果がない等)。」 (あなた)「なんで、こんな違いがでてくるの?」 (私)「趣旨が違うからなんです。 拡大された範囲の先願(29条の2)は、後願は「新しい技術を何ら公開するものではない」から特許すべきではない、ということです。 先願主義(特許法第39条)は、「重複特許を排除する」ということから同じ発明に複数の特許を発生させない、ということです。 これらの違いから、判断手法も異なってきます。」 キーワード 拒絶理由、新規性、拡大された範囲の先願、先願主義 感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。 【不向きな仕事に挑戦することによって、進歩する】 人気blogランキング ブログポポタル 知財活動 どのレベルですか? 本ページの先頭に戻る お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.06.30 15:24:24
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