ぱてんと@お兄

2005/07/04(月)00:44

予想大はずれ

弁理士試験(103)

「全員合格!吉田ゼミ」に今年の論文試験の問題が出ていたので検討してみた。 私の予想は全く大はずれ。もし私の予想を信じて勉強した人がいたら、真に申し訳ない。問題だけ見るとちょっとびっくりするが、聞かれている内容を考えると、新試験制度以降の傾向を踏襲していると思う。 特実は、ここ数年の出願系1問、訴訟系1問というパターンを破った。しかし、違うのはそこだけ。学説の対立する論点のようなものはなく、弁理士が手続に当たって検討すべき事項を淡々と書いていけばよい。その際、問2の但し書きの持つ意味に留意したい。すなわち、問1では主体的要件に重点を置いて(そもそも小問にその旨書いてあるが)解答し、問2では客体的要因に重点を置くことに留意したい。 あと、以前にも書いたが、問2では取り得る手段を列挙することが求められている。拒絶理由が進歩性を否定するものだからといって、延々と1枚くらいにわたって審査基準にある進歩性の判断基準を再現しても大した得点にはならないだろう。書いたからといって減点にはならないので、補正書・意見書の提出とからめて書き、かつ他の項目落ちがなければ合格点はつくだろうが、書かなかった人との差はきわめて少ないと思う。問2では分割を挙げたときに発明の単一性に言及するのを忘れてはいけない。請求項2と3だけの出願では単一性違反になるので、親1子2の分割にすることが書ければOKか。 意匠は、やはり昨年の口述にヒントがあったようにも思う。小問(1)は、代々木の一昨年の答案構成だかに類題があったような・・・「翌日」の取扱いをどうするか。イの権利取得は大前提で、ロは部分意匠でも全体意匠でもよいという。両方部分なら、関連意匠にする必要があり、そのためには出願日同一でなければならず、よって出願Aを取り下げる。ロが全体でよければ出願Aはそのままでよい。前者の方策と後者の方策のメリット・デメリットを説明できればOKか。 小問(2)は、特の問2とは違い、部分意匠の類否判断の審査基準を書いた方が点が伸びるだろう。設問が特の問2のように抽象的な場合は書かなくてもよいが、意匠のように具体的事例の場合は、条文・審査基準などの規定をまず書き、それに事例を当てはめることを試験委員が期待していると思われるからだ。 商標は・・・短答前は論文の問題の有力候補のひとつと思っていたが、短答で出たので候補からはずしたフレッドペリー事件。商標の「OCEANS」というのは、フレッドペリー事件の「オシア社」をもじっているのか?フレッドペリー事件の最高裁判決を覚えていたら問題なく解けたであろう。 今年は全ての問題が小問形式だった(特2は実質特1の小問(5)といった感じなので)。試験委員は知識偏重の受験生(進歩性と書いてあったら、反射的に判断基準を延々と書くような人)を嫌い、法的思考プロセスがきちんとしており、それを他人に的確に伝えられる人を求めているようだ。漠然とした設問ではそれが分かりにくいので、小問形式にして、ある程度ゴールの方向を示してくれている。その方向に素直に従えば意外と簡単にゴール(合格点)に到達でき、我流で勝手に方向転換すると、知識がいくらあっても合格は覚束ない。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る