引っ越した家の話小学校5年生の秋から、引越しすることとなった。前の家より、もっと広い大きな家。 その家に入ったとき、 オヤジがふと小声でいった。 「誰かがいる・・・」 でも、フッと子供達をみて、 「気にするな、なんでもない」 でも、今考えると、オヤジは正しかった。 その日から、我が家におかしなことが続いておこった。 オヤジの交通事故。 オフクロが突然倒れて、頭にケガ。 兄弟達が、突然の高熱を出して倒れる。 そして、筆者。 2度の交通事故。 どちらも、第3者からみて、即死かと思われたのに、 かすり傷か、少し縫うだけにおわる。 家の中に入ると、誰かが歩き回る音がする。 そして、家の天井からは、 「ピシッ、ビシッ」 とラップ音の音がする。 ある日、悪夢をみた。 家に誰かが、住み着いている話しだった。 恐かった。 「ぎゃ~~~!!!」 恐ろしさのあまり、叫んだのは兄弟達だった。 ナント、兄弟達も、全く同じ夢を見ていたのだった。 ある日、テストの前徹夜をし、うたたねをしてしまった。 すると、誰かがモウレツに足をひっぱる。 兄弟の冗談ではない。 これはニンゲンの力ではなかった。 カラダが半分以上ひっぱられた。 全身がバキバキと、雑巾で絞られるような感じ。 骨が折れたかと思うほど、痛かった。 とっさにオヤジから教えてもらった、魔よけの呪文をとなえた。 すると、すっと消えた。 「この家は絶対におかしい」 黙って聞いていたオヤジも口を、重くひらいた。 「ウン。わしもそう思う」 兄弟達も、さすがに何かを感じるようになった。 一人オフクロだけが、 「そう? あんたたち、つかれているんじゃないの?」 と全く気にしない。 オフクロは、ホントに何も感じないようだ。 ラップ音が、あれほど鳴っているのに。 何も聞こえないらしい。 次の日、オフクロが真っ青になって話しを切り出した。 「それがね。近くのお寺できいてきたの。 この家のね。前の所有者のおじいさん。 ちょうど、ここで亡くなったんだって」 その場所は、筆者が足を引っ張られた和室であった。 やっぱり。 「きっと、そのおじいさん。 自分がなくなったことに、まだ気づいていないんだな」 とオヤジ。 後日、御祓いをして、御札をはってもらった。 それ以来、何も出なくなった。 で、その時、不思議に思ったのはオヤジのこと。 オヤジの不思議な話しは別トピで。 |