2013/10/15(火)21:43
本当は怖い「菩提樹」の歌
「第九」の発表会のアンコール曲として、シューベルトの「菩提樹」を歌うことになった。
観客もよく知っていて、一緒に口ずさめるというところから、選ばれたらしい。
私も、中学か高校の音楽の教科書にのっていて、歌ったのを覚えている。
もともと「冬の旅」という恋に破れた青年が死のうとまで思いつめて旅に出るという話を連作の詩で綴ったものだから、暗いには違いないが、たいていの人は「菩提樹」1曲のイメージで、泉にある菩提樹の木陰にやってきて、嬉しいとき、悲しいときそこで、そっと菩提樹相手に思いを語って、癒されるみたいな優しい歌みたいな受け取り方をしているのではないだろうか。
訳された歌詞としては、2番3番と進み、夜に旅立とうとして、木の近くを通ったら、菩提樹の木が「ここに幸あり」と呼びかけた。もっと遠くに離れても、なおも菩提樹の呼び掛けが聞こえるようなきがするということになっている。
しかし、原詩を直訳したら「ここに幸あり」というのが「ここにこそあなたの幸せはあるのに」「ここで、安らぎを得られたのに」となっている。
私を見捨てていくのね。よそへ行ってもいいことなんかないわよと男性を引きもどそうとする、怖い女性のように思えてならない。