Peace 4 Earth

2007/01/17(水)22:20

硫黄島と便所の下駄

「硫黄島からの手紙」がゴールデングローブ賞の外国語映画賞を受賞しましたね。 「硫黄島からの手紙」の栗林中将は長野の方なんですよね。 私の父が長野出身なのですが、同じ小学校に通っていたということを叔母からきいて、ちょっとびっくり。 (父は戦後生まれなので年齢が全然違いますが・・・。) 叔父に栗林姓の人がいるのですが、遠い親戚なんだそうです。 母方の祖父は結婚前に従軍していました。 便所掃除の時に電気を消し忘れたということで上官に激しく罵倒され、板前上がりで非常に短気だった祖父は、自分の履いていた便所の下駄でその上官の頭をひっぱたいてしまったそうです。 まるで笑い話のようですが、当時としては当然大問題。 その上の地位にいる人(詳細は不明)のとりなしで、重い罪に問われることは避けられたものの、違う部隊に配転されました。 その元いた部隊は、後に硫黄島で玉砕したそうです。 祖父の短気がなかったら、母も私もいなかったのかも・・・。 この話を家族が知ったのは、祖父が亡くなる数年前。 少しぼけてきた頃に、初めて聞いたそう。 祖父の中には「自分は硫黄島の生き残りだ」という気持ちがずっとあったようです。 私自身は祖父から戦争の話をきいたことは一度もありません。 一緒に住んでいたわけではないので、夏休みに遊びにくる小学生の孫に戦争の話をすることはなくて当然だったのかもしれませんが、今となっては少々悔やまれます。 父と母両方に、少しずつですが硫黄島へのつながりがあったことに、ちょっと感じるものがありました。 先日、映画をあまり観に行かない父にしてはめずらしく、母と二人で「硫黄島からの手紙」を観てきたそうです。 それにしても、ローマ帝国でもマリー・アントワネットでも、みんな平気で英語で撮影してしまうアメリカで、アメリカの戦争を敵の側から敵の言葉で描いたアメリカ人のイーストウッドはすごい人だなあ、と思います。 公開前のイーストウッド監督のインタビューから、心に残った言葉を・・・。 「戦争では誰も英雄になれない」 「戦争というものは両方の側からみないと理解できない」 水仙に似た芳香のろう梅。 これが咲くと、「次は梅が咲いて春が来るぞ」という気持ちになります・・・。

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