中庭から

　今日もお天気
洗濯物びよりです。

　今日もお洗濯をたくさんしてベランダに干していた。
風が出てきたのが、どさっ！と何かが落ちる音がした。
洗濯物が風にあおられて落ちたのかな～と見るが、洗濯物は落ちてない。

　気のせいか～と思って視線を外し、忘れていた頃・・・

「たつ」が、
「なんかおる・・・あっ！まま！！　とりよ～！！とりがおるよ！！」
と叫び、ベランダを指差す。
「ええっ？どこに～？電線？」
と見ると・・・
　ベランダに、ちょこんと。

「うっわ、ホントだ！！雛だよ。巣立ったばっかりなんじゃない？」
と興奮し出す私に、
「ひな？ひな　なの？とり　ちがうの？」
と「たつ」が聞いてくる。
「雛って、雛鳥っていって、鳥の赤ちゃんのことよ。」
と言うと、
「あかちゃんなの？」
と。
「そうよ。でも、何の鳥かわかんな～い！あー！図鑑があったらいいのにぃ～」
と言いながらも、私は写真をとる準備（笑

　そうこうしている間にガラス越しの部屋の中がばたばたしていることに気付いていた雛鳥は、首をぐるっと回してこちらをじぃっと見ていた。

「めっちゃ、みてるで」
と旦那も言う。

　とは言え、すぐに立ち去る気配も無い。
身動き一つせず、じぃっとこちらを見ている。
　お疲れなのかな？
もしかしたら、親鳥が迎えに来るかも～？
なんて、写真も取り終え思っていた頃、小鳥に対して興味津々になってきた「たつ」が、ベランダのガラス戸をそっと開けた。
　雛鳥は首が少し動いただけで、じっとしてこちらを見ている。
雛鳥もこちらに興味があるのだろうか・・・？

　しかし、ガラス戸を開けただけに留まらない「たつ」は、そばにあったスリッパをおっかなびっくりながらも足でつつき、小鳥の方へを押しやった。

　ばさっ！
と音を立てて、突然　雛鳥は飛び去ってしまった。

「とんでいった・・・」
「たつ」はちょっとビックリした後、残念そうに見送った。


　何ていう名前の鳥だろう？
これから似たような羽根の鳥を見ると、「あの小鳥だろうか？」と考えるだろう。
そんなちょっとした楽しみが出来て、ちょっと嬉しい。
是非とも元気で大きくなって欲しいな