映画“オリバー”を見ての感想
先日英語クラブでデイケンズの二都物語の一節を読んだ。とても深い人生洞察なのでもっと彼の作品を読んでみたいと思っていたときに、ＢＳでオリバーを上映することを知り見た。
ストーリーは単純だがやはり純真なオリバーを通し社会の矛盾を描きだしている点はすばらしいと思ったがこの映画の素晴らしさはなんといっても色彩の美しさに尽きると思う。
名画を見るような暖かい色合いと構図の美しさ、それとあいまってカメラアングルの美しさ、町中を踊るどの人に対しても心配りされている動きの美しさには魅了されてしまい、あっという間に映画は終わる。おとぎの国、デズニーランドを体験するかのような楽しい映画だ。
あらすじ
19世紀、ロンドン。救貧院で１人の女性が男の子を産んだ直後に死んでしまった。男の子はオリバーと名づけられ、救貧院で育てられる。しかし、そこの孤児たちは皆飢えており、子供たちを代表してもう少し食べ物をくれるように頼んだオリバーは、たった５ドルで葬儀屋に売られてしまう。厳しい仕事の上に辛くあたられたオリバーは、町へと逃げ出し、スリの少年団の仲間に入る。・・・
イギリスの文豪、ディケンズの小説を映画化した作品だ。『小さな恋のメロディ』で共演したマーク・レスターとジャック・ワイルドは、この作品でも共演している。
純真で素直なオリバー、兄貴分でスリの名人という悪ガキ、したたかなドジャーと、キャラクターも『メロディ』に通じるものがあり、思わず頬が緩んでしまう。
また、スリの少年団や、少年団を統括するフェイギンじいさん、少年団の憧れのお姉さんで、ゴロつきビルに首っ丈のナンシーなど、貧しくも明るくたくましく生きる人々がいきいきと描かれている。
また、ミュージカルの場面が本当に素晴らしい！街中を巻き込んで繰り広げられるミュージカルには圧倒される。その街をいろいろな服装を着た人々が踊りまわり、画面にあふれる色彩の美しいこと！
ミュージカル映画の醍醐味を充分味わせてくれる。上映時間が146分があっという間に過ぎる。世知辛い世におとなも子供もおとぎの国へいざなってくれる最上級の娯楽映画だ。
デズニーランドの夢の世界に通じる世界だ。この色彩、この音楽、このころの作品は心に優しく問いかけてくれる
