奇妙な惑星 ~Peculiar Planet~

2005/11/18(金)05:58

セロリの誘惑

きみょうなもの(peculiar)(571)

奇妙な飲み物として、巷を沸かせたチョコレートソーダに続き 今回の奇妙な飲み物は、「セロリソーダ」。 疑うあなたに、ラベルのアップを。 清涼飲料水と呼ばれるソーダ類。 これらの飲料は、実は初期には薬として飲まれていたことをご存知だろうか。 もともとヨーロッパで湧き出る炭酸水は健康に良いものとして飲まれていた。 18世紀の後半に人工炭酸水の作り方が開発されてからは その炭酸水に、薬効成分、そして飲みやすいようにシロップを加えたものが売られるようになる。 コカ・コーラもその一つ。 コカ・コーラは、もともとは頭痛および二日酔いに効くとして薬剤師により開発されたもので コラの実をコカの葉(コカインの原料)のエキスにくわえたものをシロップとし それを、炭酸水と混ぜて売られていた。 コカの葉は、南米で古くから親しまれてきたハーブで、 葉を噛んだり、お茶として飲むことにより、疲労感が薄れることで知られており、 今でも現地ではコーヒーのように普通に飲まれている。 後に、精製されたコカインによる中毒が問題になり、完全にコカインの成分が除かれため コカ・コーラの薬効はなくなり、今は正真正銘の清涼飲料水である。 ジンジャー・エールも、今ではショウガの成分すら入っていないものが売られているが、 日本や中国の漢方で使われているように、もともとはショウガの効能を狙った飲料だ。 セロリソーダには、セロリの種、セロリシードが入っている。 セロリシードは、鎮静、浄血、健胃、利尿作用があると言われ 古くから使われてきたハーブの一種。 そのシロップを炭酸に混ぜたセロリソーダは、 実は1880年代からアメリカ全国で飲まれてきた。 一時は爆発的な人気で100以上の会社が作っていたセロリソーダだが、 その苦味のある味が、以前にも増して甘ったるい飲料を好む現代の消費者には受けず 現在セロリソーダを売っているメーカーは、ニューヨークのDr. Brown's一社のみ。 普通の店では、売っていないことのほうが多い。 その歴史どころか、存在すら知らないアメリカ人のほうが多いだろう。 製薬の発展により、ソーダは薬としての役割を終え 砂糖を増量した清涼飲料水の道を歩むことを余儀なくされたのだ。 ちなみに日本人に受けの悪いドクターペッパーは、薬臭いとよく形容されるが 実は、薬剤師が「薬局の匂いのするソーダ」を目指して発明した味。 薬臭くて当たり前である。ソーダとしての歴史は実はコカ・コーラよりも古い。 肝心のセロリソーダのお味であるが ほのかな苦味とかすかなセロリの香り。何となく効きそう…(何に?) セロリとゴーヤ好きの方にはたまらないお味… かもしれない。 ということで、チョコレートソーダに挑戦された皆様。 次のお題は、セロリソーダです。 GOOD LUCK!! 追記: サンダーちよさんの挑戦。←必見

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