身体が先?心が先? 1
一部の若い人たちの間でドラッグが流行してるらしいね。合法ドラッグ販売!なんていうサイトもあちこちで見るよね。セックスのときに使うらしくて、ドラッグを使うと快感が高まる、そんな理由もあるようなんだ。ドラッグが快感を高めるための道具に利用されてるってことだね。でも、これって快感を誤解してるんじゃないかな?快感は生理的なもの、肉体的なものって思い込んでいるのかな?それとも、肉体からの快感を心にまで及ぼせるって考えてるのかな?いずれにしても、思い込みだね。こういう人達の目的は快感の追求だけだから、実はセックスすらも快感を得るための道具のひとつにしちゃってるってことなんだ。だから、セックスとそっくりの行為をしてはいても、それってセックスとは言えないんだ。だって、セックスは自分だけじゃなくて、相手にも十分な快感を与えるものだからね。だけど、快感をセックスのその場だけで生じる、ある特別な感覚って考えるのは正解かな?もし特別な感覚なら、相手が誰であろうと、セックスで快感を得ることは可能だってことになるよね?でも実際はそうじゃない。じゃあ、セックスによる快感を決定するのはいったい何だろね?「他者との関わり合いが快感の本質」だって考えてる哲学もあるんだ。人間のあらゆる行動と同じように、性的態度も他者に対しての、或いは世界に対しての態度だっていうことだね。ぼくたちは同じ世界を共有しながら、でも、誰もが同じ態度をとっているわけじゃないんだ。それぞれに世界に対する態度が違ってる。しかも、自分がもっとも快感を得るような態度を取ってるんだよ。セックスにもその態度が端的に表れてるわけだね。