将棋雑談アレコレ　（ＳＤＩ）

昨年のＮＨＫ杯戦で佐藤和俊五段と千葉涼子女流三段の将棋で、後手でごきげん中飛車を採用した佐藤五段が中盤で２五桂という先手の飛先の歩を桂で食いちぎる手を指しましたが、この手を後になって雑誌等で『新手』として紹介されていたのは意外な気がしました。「この新手を喰らった千葉さんは不運だった・・・」などと書かれていました。

僕自身はこの手というか手筋はだいぶ前から認識していました。たしか「Ｂ級戦法の達人」という本に書かれていたように思います。・・・実はその本を探して具体的にどの頁に書かれてどんな図であるかをここで書こうと思っていたのですが、肝心のその本が見付かりません・・・・・・後日載せるかも知れません。

戦法はごきげんではなかったのですが、似たような力戦系の振飛車で、同様に飛先の歩を食いちぎり、２五同飛と取り返せば歩で押し返して先手の歩切れを突いて飛先突破を狙う、放置すれば一旦２四歩と紐をつないで後から１筋や３筋の歩を突いていって手を作る、という手筋でした。

その本で最初に覚えた手で、なるほどと思い手筋としてとっくにインプットされていた手なのでした。

それはさておき、某掲示板ではやたらと千葉女流を応援する人達が妙に憤った文章を書き連ねていた事には閉口しました。

２五桂を『挑発手』などと評して「挑発手を指すとは卑怯な」「佐藤は将棋は強いけど、人間としては最低だ」などと、こいつらは頭がおかしいんじゃないのか？と思うような事が立て続けに書かれていました。

まあネットで好き勝手に面白おかしく書いているだけかも知れませんが、書いている内容はとても常識のある社会人の文章とは思えませんでした。それが大量に書かれていたのです。どうして自分の足元を見れず、人をひたすら攻撃出来るものなのでしょうか？

自分がどれだけ将棋を分かっているつもりなのか？自分が何も知らないという事を最低限わきまえるべきでしょう。僕の友人で経済に詳しい人がいますが、彼は「経済について勉強すればする程、自分が何も知らないという事を思い知らされる」と言っていました。そもそも盤上で卑怯な手などないものだし、同じ将棋ファンとして非常に恥ずかしいものを感じました。まあ他の場所に行っても、将棋に限らず他の分野においても、勘違い野郎は居るものですが・・・・・・