Penguin Heart

2007/04/20(金)11:23

双頭の鷲 美輪明宏 ジャンコクトー

舞台(4)

実は私先々週の日曜日に仙台に行ってきたんです。宮城でジャンコクトーの”双頭の鷲”を観てきました。ですが、徹夜で仙台へ向かい、睡眠時間が僅か2時間しかとれなかった為劇中に寝てしまうというとんでもないことをしてしまいました。王女役に美輪明宏氏、刺客のスタニスラフ役に美輪氏の舞台では欠かせない役者として知られる木村彰吾氏が出てました。子供向けの舞台等は学校の行事で何度か観たことはあるのですが、海外の戯曲といったものは初めてなので映画で予習をしておきました。そのおかげで演出を楽しむ余裕もありました。舞台は劇団四季のライオンキング以来。ブロードウェイのミュージカルとは明らかに違うタイプ。セリフは多いし静かに進みますし、演出は美輪氏らしく古きよき舞台の味が全編に漂い、非常に上品な印象を受けました。  私が好きなシーンは映画でもそうだったのですが、王女が嵐の夜の中亡き夫を思いながら占いに耽っているシーン。ここでこの先の王女の運命、この物語を結末を提示してくるのですが、ここでの美輪氏の演技は素敵でした。さすがです。読書係と問答の末、一人になり王への想いに耽りながら無邪気に楽しんでいるのですが、本当に愛らしく、見事に惹かれてしまいました。 この戯曲の問答シーンはすべて上品な印象をうけてます。これは演出のうまさがなせる業なのか何なのかわかりませんが、同じ印象を受けた映画として黒澤明監督の“白痴”があります。映画の冒頭で原節子が演じる那須妙子をお金で買うとか買わないとかで問答するシーンがあったのですが、感情が渦巻いている中ではあるのですが、ものすごい上品な印象を受けた記憶があります。なぜでしょう?ふしぎですね。  最後の、王女の”ありがとうスタニスラフ。殺してほしかったの。そのために~。”といったセリフが映画であったのですが、そのセリフが聞けなかったのが残念でした。でもそれは私が寝てしまったからかもしれません。TT;そして高らかにトランペットが鳴り響き王女登場!といったところなのですが。エンディング見事でした。  セットも衣装も非常に豪華で素晴らしかったです。ここも美輪氏のこだわりがあるのでしょうね。パンフレットには美術としても名を連ねていますから。この戯曲のタイトルでもある双頭の鷲のデザインも、存在感もいやみがなく上品でとても素敵でした。  観客は8割が女性だったと思います。私は前から10列目で丁度真ん中という最高の環境で観劇できたのですが、最後のスタンディングオーベーションで私だけがひょっこりと頭一つ出ていたのでとても目立っていたのではないかと思います。初めて美輪氏が登場した時もそうだったのですが、なかなか照れくさいというか見透かされているような気がして恥ずかしい感じがして見ることができなかったのですが、上演中とは別の場面では見るのが抵抗ありましたね。ですがスタンディングオーベーションはすごかったですよ。その時の美輪氏のサービスも良かったですね。観客の拍手すべてを抱きしめるかのように精いっぱい両手を広げて抱きしめたり、会場全体に行き渡るようにゆっくりとそして、大きく投げキッスをしたり。投げキッスも抱擁も真正面には美輪氏といったとても貴重な体験をここでもさせていただきました。そのためでしょうか、私は思わずドキッとしてしまいました。女性より女性らしく素晴らしかったですね。世界的にも評価されるわけですね。 DVD 双頭の鷲

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