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12/6に神奈川県民ホールで行われたオペラ金閣寺を観てきました。このオペラはドイツからの委嘱により黛敏郎が作曲をしたドイツ語のオペラです。思った以上にエンターテイメントなオペラでなかなか楽しめました。舞台上にはギリギリの大きさで造られた金閣寺がありました。冒頭から効果的に演出されていました。
主人公である溝口が金閣寺に火をつける直前の心境から始まるこのオペラは本当に楽しませていただきました。聴きやすいオペラで、オペラ初心者にも薦められる良質な作品だと思いました。 オペラでは右手が不自由な設定の主人公ですが、原作では吃音者という設定らしいです。もともと主人公の内面を主に描いている小説らしいのでまともに喋れない設定でも良かったような気がしますね。右手を不自由にしたのは、友人が足が不自由という設定と何か関係があるのでしょうか?ちょっとした疑問です。歌劇なので喋れないのは不都合なように思えますが、内なる心を歌っているとすれば、難なく乗り越えられた設定だったのではないかと思いました。主人公が女性を求めるシーンでは不自由な体が設定として生きたのかもしれませんが、実際は金閣寺に原因があるようなのでそれもなんか残念です。 音楽としては、お経がコーラスとして効果的に使われていたと思いました。お経は全く違和感無く、聖歌を聴いているようなそんな印象がありました。そして日本人が作曲したオペラはどこか和風な旋律が流れるのですが、このオペラに関してはあまりそれは感じられませんでした。ベルグやショスタコーヴィッチなどが作曲したオペラのようなどこか前衛的な旋律がありましたが、万人にも受け入れられやすいオペラでした。後半の、主人公が金閣寺が無くなってしまうことを切望し始めてからの展開は音楽が大いに盛り上げてくれたと思います。緩急も素晴らしく、非常に効果的な演出が音楽でも展開されていました。ここから結構長めの時間なのですが、主人公の内面の乱れ、話の展開など、緊張感もありながら客を疲れさせずに聴かせてくれる音楽は素直に素晴らしいと思いました。 原作を読み終えてから観劇に臨む予定でしたが読めませんでした。とりあえずこれから読んでしまおうと思います。このオペラはもっと知られてほしいと思いました。 日本オペラで有名なのはやはり團伊玖磨作曲の「夕鶴」が最右翼なのだと思います。この夕鶴、今年の春に公演されたのですが、来年もアンコール上演されるそうです。こちらのオペラはわらべ歌的な旋律もあり、いかにも和風オペラといった趣がある作品で、やはり観に行きたいオペラのひとつですね。 ちなみにこのオペラ金閣寺は今タワーレコード限定で発売されています。今回の公演にあわせて数量限定で発売されたみたいです。興味のある方はタワーレコードオンラインで探してみてください。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】金閣寺改版 [ 三島由紀夫 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Dec 8, 2015 09:22:09 PM
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