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2010/10/17(日)14:53

ニーチェ原作?のラブコメディ

映画(21)

私はテレビドラマでも映画でも、恋愛物は大の苦手なのでほとんど見ません。滅多にいない美男美女が滅多にないストーリーで繰り広げる惚れたはれたは、怪獣映画やSFアクションものより現実味も親近感も湧いてきません。自分にドラマチックな経験でもあれば別なんでしょうが…。 そんな私でも感動した映画が「恋はデジャブ」(1993年、アメリカ映画)。一見ラブコメディ風なのですが、根底に流れるテーマはとても深く、考えさせられます。人生や幸福とはこういう事だとはっきり答えを出している数少ない映画では、と思います。 ストーリーはざっとこんな感じです。 この映画の主人公、自分以外はみんなバカと思っている性格の悪い、気象予報キャスターのフィル(ビル・マーレイ)は、毎年2月2日にとある田舎町で開催されるイベントの取材にスタッフ2名を連れてやって来ますが、取材終了後に悪天候で足止めをくらい、その田舎町にあるホテルにもう一泊することになります。翌朝目覚めると、何故か昨日と同じ2月2日で、ラジオからは昨日と全く同じ内容の番組が流れ、終わったはずのイベントが今日も開催されていて、昨日ホテルの近くで偶然出会った同級生にも再び出会ったりと、昨日と全く同じ出来事が続きます。その次の日も、またその次の日も全く同じ出来事が繰り返されます。彼はいろんな方法で2月2日からの脱出を試みますが全て徒労に終わり、やがて暇を持て余しだすと女性を口説いたり、いたずらをしたりして2月2日をテキトーに過ごしていきますが、それも飽きてきます。しだいにやることがなくなってきた彼はついに自殺を決意し、塔から飛び降りたり車ごと崖から落ちたりバスタブで感電死を試みますが、それでも目覚めるとまた2月2日に戻ってしまいます。2月2日から逃れられなくなり、死ぬことすら出来なくなった彼はついに…。 ってな感じです。 映画評論家の町山智浩氏は、この映画はニーチェの「永劫回帰」を見事に映像化した傑作だ!と叫んでいました。

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