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ルナ・ワールド

ルナ・ワールド

「いい感じ」から「好き」へ

<いい感じ、が好き、になった瞬間>

ヘブライ語で私にもわかるぐらい簡単な会話を書いている。
私みたいにヘブライ語の単語数も知識もすごく少ない人用に会話を書くのも大変だろうなぁ、どうするんだろう、と思いつつも私のノートに書かれていくものをテーブルの向こう側から一生懸命読んでいく。すると、食べ物・飲み物の名前に、ソジュ(焼酎)とかキムチとか、韓国のものが出てくる。

「それって・・・」と私が言うと、フッと私を見上げて、お店の明るい照明を反射した目がいたずらっぽく笑った。

その、いたずらっぽく笑った目の目元にできる笑い皺が素敵でたまらなくて、思わずテーブルの向こうに手を差し伸べて、その目元を撫でてみたくなってしまった。一瞬本当にそうしてしまいそうな衝動に駆られたのだけれど、それはさすがにすごく驚かれるだろう、そしたらその無防備な笑いじわもろとも私の目の前から消えてしまうかも・・・、と思ったら結局何もできなかった。

でもその瞬間、それまで「すごくいい人だなぁ」と思い、(M氏にだけは盛んにそう言ってたけど・・・)ちょっと好きだけど、自ら行動を起すほどのリスクは背負いたくない、という気持ちが、
「この人、欲しい。」
に変わっていた。

何でもいいから、あの笑いじわを撫でて、そこにキスするぐらいまでの権利を得たかった。

その、真っすぐで長い、たっぷりな髪にも触れてみたかったし、撫でたかった。
下心の無い相手になら、「触らせて」と言って、そうもさせてもらえたのだが、A相手には下心が爆発しそうなぐらいにありすぎて、それに感づかれるのが恐くて何も言えなかった。

何か考え事をしていて、目を伏せる時のしぐさも見てるのが大好きだった。

本当はヘブライ語を習っているのだから、(例え無償でも)Aが何かを書いてくれてる間、私は今までのことを頭の中でだけでもとりあえず復習なり何なりしてなきゃいけなかったのに、代わりに私はAの観察ばかりして、彼の一挙一動に見惚れていた。

<2004/02/28>


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