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カテゴリ:Pepe's rant
どこの国に居ても、できるだけ見るようにしているニュース。別に100%注目していなくても、つけておくだけで、たまにはいい話題を拾うことができるものだ。それに、ここはアメリカ。特にイギリスの報道は、視点が違っていてなかなか面白い。 ところが、今日のBBCのニュースにはびっくりして、思わず画面を食い入るように見てしまった。ウェストミンスター寺院で行われた、「奴隷制廃止200年記念式典」での出来事である。女王陛下やブレア首相などが参列するなか、あるアフリカ系の男性が逮捕されたのだ。 この式典でのハプニング、実はアメリカでは報道されていない。一方で、アメリカが日本政府に対し、もっと明確なそして積極的な慰安婦問題への取り組みを要求している記事は、アメリカでは大きく取り上げられる。一体これは、どういうことなのか。 アメリカは、人権問題にはとても積極的な国。とは言っても、もちろん今回のような「アメリカの国益には関係のない」事象には、口を閉ざす。ましてや、相手はイギリスでのこと。他国への不必要な介入戦争はしても、イギリスに対してはあまり文句を言うことはない。もちろん、内政干渉になりかねない。 とにかく、この式典の参加者は、大きくわけて二通り。奴隷制度を「してきた側」と「されてきた側」。そして、「してきた側」は贖罪を、「されてきた側」はプライドとその歴史を忘れないために、その場に集っていた。しかし、「してきた側」は、本当にその「罪」を理解し、悔いているのだろうか。 差別しているという意識がなければ、もちろん反省もない。反省がなければ、結局何も変わらない。これは、日本にも言えること。そして、多くの奴隷制を行ってきた国に対しても、同じことが言えるはずだ。 彼は、叫んでいた「こんな式典こそが、我々の祖先に対する侮辱である」と。そして、女王と首相に対し、謝罪要求の声を上げた。そして、彼の退場連行・逮捕後、現場では多くの参加者から、同情の声が聞かれたという。 これが、諸外国から見た「日本政府の靖国神社参拝問題」と同じ構図に見えるのは、私の思い過ごしだろうか。 エリザベス女王に謝罪を求め、叫び続けた男性が着ていた服。いわゆる、アフリカの民族衣装である。私も、学生時代にグループ・プレゼンテーションで、ガーナ人の友達と一緒に着たことがある。暑いアフリカの気候に合った、ふわっとした一枚布のシャツ。 「してきた側」と「されてきた側」。 そんな「一枚布の世界」になる日は、いつやって来るのだろう・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 29, 2007 10:06:17 AM
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