或る日の“ことのは”２

『ちょっと来て』
職場にて。
ニヤニヤしている上司に呼ばれ、何事かと店の中に入ったワタシ。

『・・・？』
しかし黙っているので、何を言わんとしているのか解らず、一体なんなのだ？と顔を見たら、

『・・・』
上司が指差した先には、黒い物体が。

『・・・！』
目を凝らしてみると、それは既にコト切れたゴキ○リが・・・。

『いつからここにあるんです！？・・・ア、アタシまさか踏んだ？』　
靴裏を慌てて覗く私。

『いや、・・・オレが踏んだ。』　

　なんだとーーーっ！！！

『じゃぁ！カタして下さいよ！　何でこんなトコに放置してあるんです！』　

どうやら、ゴキ○リ大嫌いな私の反応を見たかった様子・・・。

『ほっとったらエエやん』

期待通りの反応が得られなかったのか、それとも更に他の人の反応が見たいのか、
つまらなさそうに言う上司。
・・・そりゃ、いつもの私なら悲鳴を上げますがね。

『なに言うてますねん！　こんなゲン悪いものこんなトコ置いといたら、
売上下がりますやんか！　～～もぉ！』　

（時々、どうツッコんで良いやら判らなくなるんだよな～・・・。）


・・・・・。

私が、さほど驚かなかったのには、理由があったのであって。

その５分前ほどに、私は、よろりら歩いているきゃつに遇っていたのでございます。

持っていた箒で叩いたら、きゃつは悪びれず、ゴキ○リ走りで草刈機の下へ走りこんだので、

どうやって追い出してくれようか、と思案していたのでありました。
　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・ふっ、トドメを有難う。



・・・そりゃー、私はきゃつが大嫌いですがね。

・・・解り難い仕掛けはやめてんかー！


ゴミはゴミ箱に。　

　　　　・・・ゴキも護美箱に。