或る日の“ことのは”２

・・・この曲を探し当てた時、私の中で永久凍土化していた何かがゆるんだ。




中学の時だったか？

・・・ラジオで偶々聞いた曲。

タイトルも、シンガーも、何一つ判らず、

以後、ラジオで偶然聴くチャンスは、見事にゼロ。

一度聴いた切りの曲を、脳内で再生できるほど器用じゃなかったし、

真剣に、本を読むことで音楽が理解出来ればいいのに、と思った。

追い求める手立ても、アイデアも、ソースも、何も無かった。

成長してからも、音を忘れられず、
ＭＴＶ番組は、頑張って観たが、どうも巡り合わせが悪かったらしい。

自分でお金を使えるようになると、遠い記憶から音を手繰り寄せ、
「この人の曲じゃないのか？」と、当てずっぽうでＣＤを借り、
当たり前だが、玉砕した。


そして、私は、・・・諦めて忘れてしまった。


＊＊＊


偶然は、ある日突然やってくる。

ネットという情報の海から掬い上げて、この曲を聴いた時、

本当に私は、意識がセーラー服を着ていたあの頃に戻った。


・・・とはいえ、どうしてだろう。　
特に感傷的な記憶は甦らず、
当時、私が観ていたであろう、古いステレオのチューナー部分の映像だけ、
ぼんやりと脳裏に甦る。



あれほど聴きたくてたまらなかった曲、
有名だったにも拘らず、私には縁が薄かった曲。


・・・それとも忘れてしまったのか？



素晴らしく天才的な、シンガー・ソングライターなのだそうだ。

Nik Kershaw。


当初、アイドルとして売っていたらしい、若かりし頃の彼。
脱アイドルを目指し、かなり悪戦苦闘したという話を聞く。
今は、すっかり面影が変わっているようだけれども。
・・・それは私も同じこと。（笑）


今更ながら、会えて嬉しい。　
失礼ながら、有名であるはずのあなたに関する情報は、
恥ずかしながら、私には殆ど無いのだ。




・・・今しばらく、あなたを追ってみることにしよう。


The Riddle （←YOU TUBE）