テーマ:旅のあれこれ(10424)
カテゴリ:旅
![]() 雪が見たいと思っていた。 はからずも、希望は叶う事になった。 ・・・寒い寒い土地で。 私が住む、暖地に降る雪は、 地に落ちた途端に消えてゆく。 だから、どんどん積もって行く様を見るなんて、思いもよらなかった。 ![]() 積もった雪は、天然のレフ板。 世界が白く、明るく見える。 帰りのバスを待つ間、冷え切った身体を温めようと、 一軒だけ開いていた喫茶店に入り、田舎ぜんざいを頼んだ。 「餅は好きかい?」 オヤジさんが笑顔で訊ねる。 「いっぱい入れとくわな」 熱いぜんざいを頬張ると、頬が火照って熱くなった。 胃に落ちたぜんざいから、身体に熱が広がっていく。 2時間以上歩き続けて、すっかり疲れていたが、 熱くて甘くて美味しくて、力が出た。 オヤジさんに礼を言って店を出た。 バス停に向かうまでの数十メートルの間に、 身体はすぐ冷えてしまったが、 温かい心を抱えたまま、 帰路に着いた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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