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  或る日の“ことのは”2

或る日の“ことのは”2

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2018.08.28
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偶然、
本当に偶然、昔の仕事仲間に会った。
昔の・・・
職場の・・・別部署のひと。


ひとしきり再会を喜び、
話に花を咲かせ


かつて私の属した職場が無くなったことを知った。



何となく分かっていた事だった。
「好きな仕事の出来る幸せ」を人質に取り、
個人の幸せを搾取出来るだけしてきた職場だった。



だが、人生の一時期を、其処に賭けていた人が確実に居た

精神を壊した人がいた。
身体を壊した人もいた。
それでも、
日々の仕事に忙殺されながら
明日こそは、と闘った記憶。
明日こそは・・・
今思うと、何を目指していたのだろう。
理不尽に耐え、
ひとの残酷さを嘆き、
時に呪いながら。


夜食を買いに行き、小腹を宥めるために菓子を分け合い、
慰め合い、笑った。




花が好きだった。
緑が好きだった。



いつでも戻ってきて、と言われていたが、
これで戻るところは無くなった。
でも、戻るつもりも無かった。
あの時共に闘ったひとは、誰もいないのだから。


闘ったものは何だったのだろう。
仕事だったのか、
社会だったのか、
無能な雇用主だったのか。
はたまた「人」だったのか。



年頭から忙殺されていて、
『報告したいことが沢山あるよ!ごはんいこ!』との、
かつての同僚のお誘いを受けて、断ったままだった。

・・・ああ、『報告したいこと』は、この事だったのか。


皆どうしているんだろう。
・・・
それぞれの人生に、なに色を織り込んでいるのだろう。

私は心を壊したままだ。




話を聞かせてくれた人と
またね、と言って別れた。


昔は存在していなかった彼女の連れた幼子を見て、時が確実に流れたことを感じた。





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最終更新日  2018.08.28 22:09:43
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