|
カテゴリ:翻訳者への道
「私、大学で身に付けた知識の範囲だけで仕事がしたいの。 じゃないと、割に合わないのよ。 大学で習わなかった内容の仕事を受けてしまったら、 その勉強をしないと翻訳できないから、 高い医学書なんかも買わないといけないし、 医学書を置いている本屋まで行こうと思えば、 電車に乗って行かなきゃならないから、 電車賃もかかるし、時間もかかるでしょ。 そうやってかかったお金と時間を全部計算に入れて時間給になおすと、 ドラッグストアのパートでもらえる時間給の半分ぐらいになってしまうのよ」 そう言っていた知り合いの翻訳者Aさんは、 やはりというか、翻訳の仕事を辞めてしまいました。 専門知識ゼロからはじめた私にとっては当然の経費も、 薬剤師資格を持っていたAさんにとっては、 無駄な出費以外の何物でもなかったようです。 ただ、大学を卒業して10年経っても、20年経っても、 このような考え方で翻訳の仕事が続けられるわけがないのは明白ですが。 翻訳の仕事って一生勉強ですから、 そもそも上のような発言をした時点で、 翻訳者としては先が見えているようなものですが、 ずっと翻訳の仕事をつづけたい、いい仕事をしたいと思うのなら、 特に最初の数年間は、割が合うか合わないかで物事を考えていてはダメですね。 最初から自分の能力アップよりも利益アップを優先している人で、 いい仕事をしている翻訳者にはお目にかかったことがありません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[翻訳者への道] カテゴリの最新記事
|