2007/05/25(金)12:02
校正で身につくもの(4)
校正の仕事をして得たというのとは違いますが、
他人の訳をみて自由に参考にするということがとても危険だということを
実感したできごとがありました。
あるとき、複数の方と一緒にお仕事する機会があって、
初めて翻訳の仕事をされる方もいらっしゃったので、
その方には、私が前もって一部訳したものをお見せして、
用語や言い回しなど、それを参考にして担当箇所を翻訳していただき、
その方の訳文を私がチェックして納品するという形を取りました。
すると、仕上がってきた訳文が「かっこよさげ」なのに「奇妙」なのです。
そんなによく使うものではない、というかめったに使わないような言い回しばかりが、
それこそ「連発」されていました。
念のため、参考にとお渡しした私の訳文を見直してみると、
確かに同じフレーズ、よく似たフレーズがありました。
でも、それは何枚もあるうちの一カ所などで、
原文そのものが、その分野でよく出でくるものでも何でもなかったのです。
でも、勉強中の方には、あまりお目にかからない分、
逆に「目新しい」から「自分も使ってみたい」ものに映ったのかもしれません。
結局、肝心な部分はほとんど参考にしてくださっていませんでした。
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