Pero's Kingdom の植民地

2006/10/12(木)23:13

ワットファウロンファへの道 - その四

ワットファウロンファへの道(6)

 バンコクの渋滞はひどかった。BTSや地下鉄が開通したあとかなり解消されたといわれるが、この日は高速道路から降りたあとバスは全く動かなくなってしまった。  30メートルから40メートル動いては数分止まる、といったことを繰り返しながらバスはジリジリしか進まない。青年は弟さんと8時に待ち合わせをしているとのことだった。  「まだ7時前だから十分間に合いますよ」と最初は心配していなかったが、ジリジリっと動いては止まり、止まっては動いてたちまち7時半を過ぎてしまった。青年も落ち着かない様子だ。  「苛々するよなぁ、いったいどうなってるんだ。大体信号が変わるのが遅いんだよ。だからダーっと動いてから全然動かないんだな」  3年ぶりだが、前よりバイクの数が随分多くなったような気がする。渋滞の列をスルスルとすり抜けられるからバイクが便利なのだろう。  しばらくして民主記念塔が見えてきたので、「もうすぐですよ、ここで降りてもすぐなのですけど、終点まで行きましょう」と言うと、青年はようやくホッとした顔になった。  バスはそれからグルリンとカオサン周辺を一周してようやく止まった。バックパックを背負って歩く。  警察署近くで待ち合わせをしているというのでその場所へ案内すると、青年とは異なった体形の長身の青年が立っていた。結構ハンサム顔で同じ兄弟とは思えない。  「すまん、バスが渋滞していたから」  「どうしたんかと思っちょったぞ」  青年の言葉に弟さんはちょっと怒った顔で言った。  「この人藤井さん、ここまで連れて来てもらったけん」  青年は弟に僕を紹介した。僕は会釈をして、「それじゃ、僕はここで失礼します。今度弟さんのCDを買って聞いてみますね」と言って彼らと別れた。  唄人羽  いつもとりあえず向かうのは「カオサントラベラーズロッジ」である。  宿に入ると1階の食堂には誰もいなかった。受付の女性に「空いてますか?」と聞いた。  「エアコン?ノンエアコン?」  何とこの3年の間に5階フロアがエアコンドミトリーとなっていたのだ。  ノンエアコンが100バーツ、エアコンが130バーツ、僕は暑さに負けて迷わずエアコンドミを選んだのだった。

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