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カテゴリ:📗 よみもの
【本日の一冊】
となり町戦争 ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。僕は町役場から敵地偵察を任ぜられた。だが音も光も気配も感じられず、戦時下の実感を持てないまま。それでも戦争は着実に進んでいた―。シュールかつ繊細に、「私たち」が本当に戦争を否定できるかを問う衝撃作。第17回小説すばる新人賞受賞作。 「戦争」を描いているにもかかわらず、語り口はむしろ軽快。 さらっと読んでしまうと、ばかばかしいくらいに非現実的に思えるかもしれません。 が、そこが作者の意図なのではないでしょうか。 世界で現実に戦争は行われています。 それを日本にいる私たちは「現実」としてきちんと捉えているだろうか。 ニュースで流れる映像や音声は、「実感」を伴って私たちに「戦争」を伝えているのだろうか。 この主人公の感覚は、まさに「戦争は自分には関係ない」と思っている私たちの感覚ではないだろうか。 そういう風に読んでいくと、「平和ぼけ」している日本人に向けて 実に重大な問題提起をしている小説であると思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年07月03日 06時58分53秒
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