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2007年07月03日
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カテゴリ:📗 よみもの
【本日の一冊】
となり町戦争


ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。僕は町役場から敵地偵察を任ぜられた。だが音も光も気配も感じられず、戦時下の実感を持てないまま。それでも戦争は着実に進んでいた―。シュールかつ繊細に、「私たち」が本当に戦争を否定できるかを問う衝撃作。第17回小説すばる新人賞受賞作。


「戦争」を描いているにもかかわらず、語り口はむしろ軽快。

さらっと読んでしまうと、ばかばかしいくらいに非現実的に思えるかもしれません。

が、そこが作者の意図なのではないでしょうか。

世界で現実に戦争は行われています。

それを日本にいる私たちは「現実」としてきちんと捉えているだろうか。

ニュースで流れる映像や音声は、「実感」を伴って私たちに「戦争」を伝えているのだろうか。

この主人公の感覚は、まさに「戦争は自分には関係ない」と思っている私たちの感覚ではないだろうか。


そういう風に読んでいくと、「平和ぼけ」している日本人に向けて

実に重大な問題提起をしている小説であると思います。






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最終更新日  2007年07月03日 06時58分53秒
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