おしどり秘密ライブレポート
9月30日、下北沢で行われた「おしどり」さんの秘密ライブに行ってきました。ワイヤーアートの個展が行われたギャラリー「HIBOU HIBOU」で開催のものでした。下北沢に来たのはこれが数度目ということもあるし、街中ウォッチングを兼ねて行ってみようということで、下北沢をあちこち歩き回りながら向かいました。ここは山谷かはたまた西成のあいりん地区かというような薄暗いアーケードの中でまっ昼間から営業している(この日は日曜でしたが、たぶん平日も同様と思われ)立ち飲み屋の前をおそるおそる抜けたり、かと思えば代官山にありそうな感じのオシャレ~なショップの前を通ったり、そろそろ客が集まりだしているスズナリや本多劇場を横目に、ネットで見た略図の記憶を頼りにHIBOU HIBOUを目指しましたが、行きつくのが一苦労でした。下北沢に相当うるさい人でも、ちょっとわからなそうなロケーションです。開場時間の3時頃には入り口に数人集まっていましたが、まだ開場してないようです。1時間くらい前に一度様子を見に来てオーナーらしき人に伺ったところでは台風で中止というわけではないようだったので、そのまま待っていましたら、ケンさんは少し遅れて登場。やがてアコーディオンを持ったマコさんも現れ、入り口を開けて会場内の整理を始めました。前の日にエドはるみさんがライブをやったということで、作品を覆っていた紙を外します。そういえば前の日、ツイッターで個展の終了時間が早まるお知らせがあったことを思い出しました。芸人さん同士で会場のシェアをしてるんでしょうか? いや、単純に押さえてるのが吉本だからかもしれませんけど。展示作品は、皆さんもおそらくご存知の放射能テロリスト、じゃなかったw原子力関係エリート様がたの似顔絵とか、お二人が力を入れている活動系の政治的風刺性のあるものが多かったです。後のライブではオスプレイと”メス”プレイも登場しました(ツイッターで写真が紹介されてます)。できた作品は希望した人がいただけます。あらかじめ作ってきたものもかなりあるので大盤振る舞い。私もいただいてヤフオクに出品すれば儲かったかもと今は後悔wこれらは初期の作品だそうです。これは、ケンさんいわく「最近、勉強熱心な」まこさん。自分的にはこれらの作品が好みでした。来訪されているのは、さすがに反原発系の方々が多いようでした。線量計をお持ちの方もいらして、それも軍仕様の黒いのだったりで、まあ下北沢は安全圏だったから安心。でも、やはりマイナーなワイヤー系はアウェーな感じですw 余合ナオミ先生ふうのビーズネックレスをした人がいたけど、尋ねてみなかったので先生の講座に通われてる方かどうかわかりません。最初からいらした眼鏡の女性とライブの途中で入ってきてスマホに打ち込んでたおねいさんはそんな感じがしないでもないけど原発系か吉本ファンの方かも。台風が接近していたためか、ほぼ発表当日に売り切れたという25人限定のライブに来た方は20人ほどでしょうか。遠いところでは福島や神戸からの方もあったようです。というわけでライブが始まったんですが、まず最初はオーソドックスな歌謡漫才の感じ。ケンさんの手は、ワイヤーを曲げる順序が完成され頭に入っているらしくとても速いです。自分なら次の手順をあれこれ考えるのでもたもたするなと考えながら見ておりました。それに人に見られたり喋りながらやるのは苦手w狭い小屋なので、もちろんPAなどないわけですが、プロだから当たり前とはいえ発声がちゃんとしてて二人とも声がよく通る。アコーディオンもよく鳴ります。前日はX-JAPANの音源に合わせ大騒ぎしたため苦情が来たということで、この日はマコさんの指示でケンさんが外に偵察に出たのですがノープロブレムのようでした。さて、それからがシークレットライブになるわけですが、まず、まこさんのえろ漫談。これは医学部中退の知性がじゃまするのか、残念ながら期待するほど過激ではなかったかな。しかし、次の原発ネタになると俄然気合が入ります。客層からいっても、これは避けて通れませんね。沖縄で研究している蝶の被曝のとか、まこさんが論文を書いていて、その指導を受けるため東大に通っているとか、甲状腺癌に罹っている福島の子供の話とかありましたが力が入っているので聞くものを引き付けます。客の多くも関係者なので盛り上がるのは必至。間に吉本でのギャラについてや、落語家の人たちが政治的な関わりに不安を感じて同じ高座に上がるのを敬遠する話などもあって、それもまた面白い話題ではありました。ステージは、だいたいまこさんのリードで進められているようで、これは、いわゆる「ボケと突っ込み」の役割分担というより独断と偏見ではジョン・レノン&ヨーコ・オノを連想します。ワイヤーのジョン&ヨーコですね。この二人は反戦運動をやっていたし、イメージ的にかぶるところはあるんじゃないでしょうか。終演は予定通りの6時でした。台風のこともあって気を使っていただいたのでしょう。7時ごろに都内では激しい雨が降ったり交通機関が乱れたりしたそうですが、私は予約していた高速バスが動いたので、問題なく帰宅できましたねん。もし、ワイヤーのイベントをやる時はゲストに来ていただきたいですが、その頃はメジャーになっていてギャラがベラボーの可能性が大きいですね。写真は雑誌の編集記者をされているらしい大澤啓徳(おおさわ あきのり)さんが撮られたものの方が、私よりいいカメラを使われていて、もちろん腕も抜群です。http://www.volteface.jp/archives/51947691.htmlおしどりケンのワイヤーグラフ誌以前、ツイッターに書いたキム・ギドク『魚と寝る女』のプレビューは、野田佳彦なみの「近いうちに」w以下は、その予告編。(この3枚の画像はビデオ画面をデジカメで撮ったものです)