テーマ:日本人のルーツ(528)
カテゴリ:歴史
レッド・クリフ2を観てきました。 テンポがよくて無駄がなく、素晴らしい。 ジョン・ウー監督解釈の信義と愛ある【三国志】は、感動的です。 【約束した事は、最後まで違えません】という孔明の言葉に共感しました。 キャスティングが決まるまでも様々なドラマがあって、当初周瑜役はチョウ・ユンファ 孔明役はトニー・レオンだったところ、二人とも急遽降板してしまったそうです。 代わりに金城武が孔明役を引き受けて事なきを得ましたが、周瑜役が決まらず途方に暮れて いたジョン・ウー監督の元へ、トニー・レオンから電話が入ります。彼は、前作で体調を崩し降板 したのでしたが、監督の苦境を見かねて「どんな条件でも、何の役でもいいから協力したい」 と、申し出たのでした。レオンの友情に応えて監督も周瑜のシーンを2ヶ月先にして レオンの体調が戻る猶予をつくり、有名な漢方医をつけるという配慮をしたそうです。 義にあふれたエピソードです。 繊細な音楽の才と戦術・武勇・人徳を兼ね備えた周瑜。 絶世の美女と謳われた小喬のリン・チーリンの長身・美貌・才気。 堂に入った悪役ぶりが魅力的なチャン・フォンイー。 心躍る、趙雲、関羽のアクションシーン。 趙雲はパート1で日本人に一番人気だったとか。 ファースト・シーンの長坂の戦いで、逃げ遅れた劉備の妻子を救うために単騎で引き返し 敵をなぎ倒して赤子を救う場面には、映画が始まったばかりなのに、泣かされました。 今回は、クライマックスで、また趙雲がやってくれます。 このように素晴らしい演技人の中で金城武の孔明は飄々とした笑みで 最高に魅了させてくれました。 【三国志演義】の元々の書には孔明が道術によって東南の風を呼んだ事になっていますが 【レッド・クリフ】では、諸葛孔明は【風を読むことを知っていた】とし、リアリティ-のある 設定をしています。【赤壁の戦い】の重要な鍵となるこのシーンは、美しく涼やかで好きでした。 リアリティーな設定をしながら監督は、金城武の孔明に、【発火慮はつろ】という【風を呼ぶ】 ポーズをさせています。観客には、そこまで解りませんから監督の遊び心かもしれません。 【三国志演義】が纏められた明の時代には【秘蔵通玄変化六陰洞微遁甲真経】という道教 の経典があってそこに記された道術を会得すると、六丁・六甲の神兵を使い、風を呼び、 縮地の法を行うことができるといい、諸葛孔明が会得して使ったものと明記されているそうです。 【風を呼ぶ】には、先ず、この経典に記された【呼風符】という符録を書き 【発火慮】のポーズをとって【神を呼び出す】必要があります。 【発火慮】のポーズとは、左手の中指を押し神を呼ぶ動作です。 その後、結界をつくって聖域を生み出すために、禹歩という北斗七星の形に足を運びます。 結界をつくった後は、魔を払うために叩歯という上下の歯をカチカチと噛み合わせ呪文を唱え て準備完了。このように【三国志】は、道教と密接な関係があったと思われますが 時代が下るにつれ、儒教的な歴史観に基づきながら、物語を史実に近づける作業が繰り返されて 道教の教義や道術は小説に載せてもらえなくなったらしい。 道教とは、古代イスラエルからきたもので、三国志で活躍した道士の諸葛孔明や武将は西域から 来た人々であったと思われます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009/05/03 11:15:13 PM
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