カテゴリ:グルメ
出張の機会を利用して、東京で昔の友人に会う際、「お土産には何がいいかなぁ…」といつも迷い、悩む。流通が進んだ現在、東京でも、関西の有名どころのお土産はほとんど何でも手に入るという。よほど珍しいもの、首都圏で手に入らないようなものを持っていかない限り、相手も驚くことはないだろう。
夜、上りの東海道新幹線に乗ると、車内に同じような匂いが漂ってくることが、よくある。関西に出張に来たサラリーマンらが、揃いも揃って、「551蓬莱(ほうらい)の豚まん」(写真左上)を土産に買って帰るからだ(「551蓬莱」はなぜか首都圏のデパートに常設販売のコーナーがなく、それ故、うちの東京オフィスの人にも人気のお土産だが、あまりの定番品では芸がないので、僕は避けている)。 昔は神戸トアロードの「デリカテッセン」のハム・ソーセージや、芦屋の「アンリ・シャルパンティエ」のお菓子などをよく持っていった。しかし、今では「アンリ」のケーキは東京の有名デパートで買える(「デリカテッセン」はどうだったかな?)ので、希少価値も薄れてしまった。 東京の会社の同僚には、ウケを狙いで「タコ焼きせんべい」とか、グリコの関西限定「ジャンボ・ポッキー」とか、あるいは阪神タイガース・ショップ限定のお菓子などを買っていくこともあるが、いずれにしても、いつも考えるだけでおっくうになる。阪神百貨店のイカ焼き(写真右=玉子入り、玉子なし、和風味の3種があります)なんて結構喜ばれるのだが、夏場など、あまり長時間持ち歩くのは心配なので、躊躇してしまう(最近はお土産用に冷凍パックの箱入りもできたが、この箱が結構大きくて持ち歩きには不向き)。 「たねや」という滋賀県近江八幡市のお菓子屋さんの詰め合わせも、気に入っているので、時々持参したが、「たねや」も数年前から東京の有名デパート(三越や東急など)で買えるようになり、有り難みは薄れてしまった。もっとも、今はインターネットでの通信販売でたいていの物は買えるので、そんなことにこだわっていても仕方がないけれど…。 そんななかで、僕がよくお土産に選ぶのは、京都・千本今出川にある「近為(きんため)」というお漬け物屋さんの「柚子こぼし」という一品(写真左下=一応、要冷蔵の品なので保冷パックに入れて持って行く)。大根を柚子と一緒に漬け込んだ浅漬けだが、この品はほとんど例外なしに、「美味しかったー」という反響が帰ってくる。実際、お茶漬けで食べても、そのまま日本酒のアテにして食べてもとても旨い。 他の大手漬け物メーカーも、似たような製品を販売しているが、僕はやはり、この近為の「柚子こぼし」の味わいが一番好きだ。難点は、他社の製品に比べて、若干お値段が高め(150g入りで420円)なことだが、まぁ満足度を考えると妥当な価格ではないかと思う。 近為は京都だと、今出川の本店のほかJR京都駅から10分ほど南東へ歩いたところに支店もあるが、僕はたいていいつも大阪・梅田の阪急百貨店で買う(大阪で唯一、近為の商品を取り扱う)。と書いて、近為のホームページを見たら、今ではなんと東京の深川と人形町、そして鎌倉に計5店も支店を出しているではないか!(ほか、日本橋高島屋と渋谷東急でも買えるという)。あぁ、これでは、もう関西でしか手に入らないという土産はなくなってくるぞー! それはともかく、この手の浅漬けが、僕は日本酒や焼酎のアテに大好きなもんだから、時々「エバラ浅漬けの素」を買ってきて、大根と柚子の皮の千切りとともに漬け込む。漬けた当日でも食べられるが、2~3日してから食べた方がもっと旨い。だが、やはり近為の「柚子こぼし」とは、当たり前だが、何かが違う。近為の旨さの秘密をいつか解き明かしたいと願っているのだが…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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