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2005/12/19(月)00:54

10数年ぶりの小倉&博多で/12月19日(月)

旅(123)

 先週末(16-17日)、たぶん今年最後となるだろう出張があった。行き先はいつもの東京ではなく、今回は北九州・小倉&博多だが、どちらも訪ねるのはおそらく10数年ぶりだろう。とても懐かしいという感じ。  札幌、東京、名古屋、大阪と4カ所から会議のメンバーは集まる。ある人は飛行機で、それ以外は当然、新幹線で。大阪からは僕以外に2人のメンバーが参加するが、道中は別々。他の2人は「のぞみ」に乗って小倉へやって来たが、僕は山陽新幹線限定の「ひかりレールスター」に乗った。  「ひかりレールスター」は、所要時間は「のぞみ」より20分ほど余計にかかるが、普通車の座席がグリーンと同じ2列、2列で、値段も「のぞみ」の普通車と同じ。スペースが「のぞみ」の普通車(ご存じのように2列、3列)よりゆったりしているのがいい(写真左=小倉駅前は結構立派です)。  午後1時過ぎに小倉に到着。会議の開始は2時。うちの会社の小倉のオフィスまでは徒歩10分ほどだから、若干時間もあるので、早速、お昼ご飯にとんこつラーメンの店にお邪魔(駅前からオフィスに行く途中にあった「めん吉」という店)。450円という、信じられないお値段が嬉しーい!(写真右=「めん吉」のラーメン)  会議は2時から6時近くまで、計11人のメンバーで短い休憩を挟んで4時間近くたっぷりと。会議が終われば、さぁ今年最後の懇親会。この時期に北九州と言えば、何を食べるかはもう決まりという感じで、地元の方がセッティングしてくれた門司のふぐ専門店「はなのつゆ」へ。  てっさ(写真左=九州では「てっさ」と言わず、「ふぐ刺し」というのが一般的らしいです)、湯引き、唐揚げ、白子の吸い物、揚げ出し、ふぐちり、雑炊というフルコースを堪能しながら、ひれ酒も堪能。さらに地元のオフィスの方が持ち込んでくれた焼酎「百年の孤独」と泡盛「幻滴」まで頂いて(写真右下)、もうお腹いっぱいで、「やっぱ、本場のふぐはよかー!」。  さて、今夜の我々のお宿は、小倉ではなく博多なのだが、メンバーはここで小倉でもう1軒はしご組と、博多への移動組に分かれた。僕はもちろん後者に入って、小倉駅へ戻って、ガラガラの新幹線の自由席に乗って博多へ。博多までは20分弱。宴会の余韻でわいわい話をしている間に着いてしまった。  博多到着は午後10時過ぎ。僕は他のメンバーとは別れて、まずホテルにチェック・イン。ホテルは博多駅から歩いて6、7分。博多最大の盛り場、中洲へも徒歩10分以内の位置という絶好のロケーションである。僕は不要な荷物だけを部屋に残して、早速再び、夜の街へ。  まず最初に訪れたのは、博多きっての老舗BARとして知られる「七島」(写真左下)。昭和33年(1958)のオープン以来、博多だけでなく全国のBAR好きに愛されてきたBARだ。  金曜の夜とあって、店はほぼ満席。僕はカウンターの開いていた1席に、運良くすぐ座ることができた。カウンター内には美人の女性バーテンダーが3人。マスターの七島さんは、カウンターの端で客と談笑中。僕はいつものように、BAR巡りのスターター、ジン・リッキーを頼む。  女性バーテンダーの仕事ぶりがきちっとしていて気持ちがいい。仕事中も、客への笑顔を忘れないのでとても気持ちがいい。よほどマスターの教育がいいのだろうなぁと感心していたら、後ほど3人のうち2人(主に僕の接客をしてくれた2人)は、七島さんの娘さんだと知ってびっくり。なるほど、出来のいい姉妹であるはずと納得。  2軒目に訪ねたのは「七島」からも程近い、BAR「H」(写真右下)。オーナー・バーテンダーのHさんは「七島」の出身。大阪のあるバーテンダーからも「博多へ行くなら、ぜひHへも」と言われていた。ここも満員の盛況。ここでもカウンターに空いたばかりの席に案内される。  「H」ではスコッチのハイボールを頂く。オープン3年で、黒を基調とした内装はモダンで、見るからにおしゃれなBARだが、Hさんの所作や、従業員へのてきぱきとした「さばき」を見ていると、老舗の風格すら感じさせる。しばらくすると隣の席が空き、男性の1人客が座った。どこかで見覚えがあるなぁと思って尋ねてみたら、やはり先ほど、「七島」でも隣に座った男性だった。  聞けば、昔、仕事で博多に3年ほど暮らして、現在は名古屋に住むという30代(たぶん)のサラリーマン、Tさん。僕と同じようにBAR好きで、きょうは名古屋から遊びに来て、昔の馴染みのBARを回っているんだという。僕と似たような人はやはりいるもんだ。  旅先のBARで、2軒続けて隣同士の席に座るなんて、「ほんとに奇遇ですねー」とお互い驚いて、これも何かのご縁と名詞を交換した。「大阪のBARはほとんど知らないんですよ」とTさん。「大阪へ来たらぜひ連絡を。BARをご案内しますよー」と僕は応えて、次なる予定のBARを目指すため、お先に失礼した。  さて、3軒目は「H」から歩いて5分ほどのところにある、「G」というレストランBAR。ここには、「A」という大阪のBARでバーテンダーをしていたK君が、故郷の博多に戻って、この店のBARコーナーにいると聞いていた。博多に来たからには、ぜひとも顔を見て帰りたいと思った(写真左上=バック・バーを背にK君を1枚。バック・バーの壁には滝のように水が流れてます。なんて個性的!)。  K君とは3年ぶりくらいだったので、一瞬戸惑った顔をしていたが、博多での再会を歓迎してくれた。「せっかくだから、おすすめカクテルを」とお願いして作ってもらったのが、イチゴのシャンパン・カクテル「レオナルド」(写真右=美味しかったよー!)。まだ30歳のK君。「いずれ博多で自分のBARを持ちたい」と熱く語ってくれた。元気そうな姿を見て、ひと安心。独立の折にはぜひ再訪したい。  さて、この夜、最後に訪れたのはBAR「O」(写真左)。中洲からタクシーで5分ほど行った大名(だいみょう)というところにある。BAR「O」と言えば、銀座のと言うより、日本を代表するバーテンダーUさんの愛弟子のNさんが9年前、故郷に帰って開いたBAR。そして、今や博多と言えば「O」とまで言われる、押しも押されぬ人気のBARとなった。  僕は、10数年前、今はもうない銀座の「ロオジエ」というBARで、Uさんの下で働いていた頃のNさんとお会いした。店には友人と一緒に行ったが、もちろんそんな昔のことをNさんが覚えているはずもない。でも、「いやー、その節は有難うございました」と本当に気さくで、礼儀正しい人柄に改めて、この「O」の人気もNさんの人柄に負うところが大きいと感じる。  僕は、ここでも「せっかくだから」と師匠のUさん譲りのハード・シェイクのショート・カクテルが飲みたくて、1杯目はギムレットを注文。ハード・シェイクで削られた細かい氷が表面に美しく浮かび、味わいもさすがに引き締まって、美味い! 2杯目は、Nさんのオリジナル「M-30レイン」というカクテル(写真右)を頼む。  「M-30レイン」は、あの坂本龍一氏に捧げたカクテル。「レイン」は映画「ラスト・エンペラー」のサントラの30曲目に入っている曲という。「30番目のMUSIC」ということで「M-30」なんだとか。  ウオッカ・ベースで、パンペルムーゼ(グレープ・フルーツのリキュール)、ブルー・キュラソー、ライム・ジュースが加わる。爽やかでキリッとして、博多の夜を締めるにはちょうどいい。至福の一瞬とはこんな瞬間を言うのかなぁ…(写真左=今回の博多土産。とんこつラーメン、ふぐの明太子和え、ダイダイ、カボス)。  今年は、北海道(余市、小樽、函館)、本州=東京、四国=徳島、九州=博多&小倉、沖縄(那覇)と、1年間で日本列島を全制覇した。こんな年って、もうおそらく死ぬまでないだろうなぁ…、そういう意味(って、どういう意味?)でも、今年は忘れられない年になりそうだ。なんて考えながら、ホテルへたどり着いた。博多の夜はほんとに、よか、よかー。 人気ブログランキングへGO!→【人気ブログランキング】

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